電脳英雑オンラインセッション・「ナイトウィザード」
守るべき世界
NWOS世界での【歴史】


無限平行世界のほんの一角に漂う、この世界。
われわれが「現実」と呼ぶ世界。
その根幹が脅かされ、今現れる【「侵魔」エミュレイター】
【奴ら】は月が血の色を帯びる時に現れ、
この世界に生きるすべてのものを奪い去らんとする。

そして、己の内に眠る力を操り、人知れず【奴ら】と戦うものたち…
すなわち【夜闇の魔導士(ナイトウィザード)】
ここに、彼らの愛と戦い、そしてその他諸々
(笑)の物語を綴ろう…。

すべての始まりは、20世紀中葉。
【科学】と言う名の概念防壁により久しく守られていたこの世界にもまた、【奴ら】は現れるようになった。
事の発端は、人々の「科学への狂信」ゆえの妄動にあった…
目先の利益に踊らされ後先を省みない「開発」や、
「核実験」「原発事故」そして「公害」などの、人の手にするには余りある類の「力」を濫用した結果によって、
古の世よりこの世界を守ってきた防壁に、細かな亀裂が入り始めていたのである。
その亀裂から【奴ら】は現われ、その目的を果たさんと挙動を始めたのだ。
彼らは大なり小なり様々な存在を擁していたが、その共通する目的はただひとつであった。

「概念防壁」の完全破壊と、その結果としての「世界」への完全侵攻。

しかしながら【奴ら】の行動は、人知れず世を守り戦う者達の活躍により、
適宜撃退されてきたのである…被害の大小はともあれ。

だが、物事には常に転機が存在する。
今を去ること15年前。とある事故を因として、【奴ら】が大量発生するという事件が起きた。
その場所は、当時アメリカの領有下にあった日本国横須賀・楠ヶ浦一帯…
超越的力を備えた【奴ら】に対して、現用兵器を擁する国土防衛隊、そして米海軍第7艦隊はあまりにも無力で、
その必死の抵抗も虚しく、時を置かずして壊滅状態に陥り、その余波で関東一円もまた甚大な被害を受けてしまった。
今となっては、【奴ら】がなぜかの地に現われたのか、正確な理由を知る者はもはやおらず、
【奴ら】がその後突如消滅した理由を知る者は、いないとはいかないまでも、決して多くはない。
しかし、ウィザードたちの間で【関東異界大戦】と呼ばれたこの戦いにおいて、
数多くの損失と、そして…たったひとつの【重大な犠牲】があった事は、
当時の【真実】を知る者にとっては、忘れる事のできない【事実】である。

《第7艦隊》の名で知られる超級エミュレイター。その実態とは…!?

にも関わらず、事件は「流星群の落下と、それに伴う災害及び暴動」という形で片付けられ、
【事実】と【真実】は文字通り、闇に葬り去られてしまったのである。

その【真実】が何を意味し、そこで起きた【事実】が【世界】にとってどれだけの損失を意味するものであったか。
今では、それをあえて語るものはいない。

【関東異界大戦】の終結後、横須賀米軍基地は「戦略的価値を失った」として日本にあっさりと返還され、
その広大極まりない敷地を利用して、一大教育拠点が設立される事となった。
その新たなる名は【臥龍学園】…その在籍生徒数優に8000人を有する巨大な学園都市である。
初等部から高等部(のちに大学部も創設)までの一貫教育を旨とし、
「自主・自由」なるその校風により広く世界に門戸を広げたその教育方針は、たちどころに世界の注目を浴びる事になった。
それまで因循姑息たる学歴社会を是としていた日本社会、ひいては教育の世界において、
初めてそれを打破し得る存在が現われたからである。
無論、表向きにはかの地が日本に返還された理由にせよ、臥龍学園が設立された理由にせよ、【事実】を知る者は数少ない。
だが、それは…いや、それこそが【真実】の存在による必然なのだ。
そして、歴史は繰り返すのか…その【臥龍学園】にも、【奴ら】の手は人知れず、静かに伸びつつあった。

そして、今…その【事実】と【真実】を知らぬ世代による、【奴ら】との戦いが始まる。