電脳英雑オンラインセッション・「ナイトウィザード」
『臥龍の護り』とは!?


これは、御門家に伝わる『臥龍の護り』に関する資料に、
真行寺・神代・九条の各家に残されていた資料や、
横須賀に古くから住んでいる人々よりの口伝を加えて構成されたものである。

『臥龍の護り』
 言うまでもなく、現在日本最大の龍脈集結点は「帝都・東京」である。しかし、これは最初からそうであった訳ではない。
 かつて朝廷に対をなさんとし、日本武尊と諍った関東豪族に始まり、平安時代の頃まで大規模な霊的改造の形跡が、関東には見られる。
 その結果、この地は霊的に異常な変化…進化を遂げ、本来存在していた龍脈すらも凌駕するほどとなった。これはダンガルド魔術学校に存在する「世界の鍵穴」以上に巨大なものであり、『世界そのものの顕現』とまで呼ばしめた程であった。
 しかし、その長期間にして闇雲な「地相改造」の結果、致命的な事態が発生。とあるエミュレイターが、当時の武将の身体を利用してその力を掌握、破壊の限りを尽くしたのである。これが所謂「平将門の乱」である。

 将門の乱の後、朝廷は関東地区の霊的封印を実行。その「蓋」として選ばれたのが、神猿を擁する横須賀の地であり、これをもって『臥龍』と呼ばれる事になった。
 その後暫時、臥龍の地は源頼朝に見出されるまで顧みられる事はなかったが、頼朝は平家を討つ際に横須賀の地の力を得て、関東豪族を纏め上げたという。
 源氏直系が滅び、後を受けた鎌倉北条氏の治世中、何らかの原因で『臥龍』の力が放出されるという事件が発生(これは鎌倉北条氏内部に原因があるとされる)。これを封印・防衛結界を張り巡らせ、現在の『臥龍の護り』を形成したのが、日蓮上人である。この後、上人の教えを受けた一氏族が、長きに渡り守護役として人知れずこの地を護る事になった(「臥龍の巫女」参照)。
 なお、その際に流出した膨大な力を感知して、魔王級エミュレイターの影響下にあった軍勢が日本を二度にわたり攻略。所謂「元寇」である。

 その後、鎌倉幕府の滅亡と共に関東管領によって秘匿されていた『臥龍の護り』は、小田原北条氏、ついで豊臣秀吉の知るところとなった。『臥龍』の暴走を恐れた秀吉は天下統一事業の最後に小田原北条氏を征伐し、その後に徳川家康を送り込んだ。
 秀吉が家康を『臥龍の護り』の地に送ったのは、政治的な理由のみならず、当時実力者であった家康を『臥龍』の封印によって疲弊させようという意図があったようである。
 しかし、家康のもとには天海大僧正がおり、その風水術によって秀吉には内密に『臥龍』を掌握。やがて豊臣氏を滅ぼし、徳川の治世を完成させる事になる。ちなみに、天海大僧正が設置した封印は本来の風水の用法から大きく外れているが、これは江戸の地に『臥龍』からの力を横流しさせる意図があったとみられている。
 しかし、この後の状況について正しい事が伝えられていない。家康の急死後、徳川氏がエミュレイターに掌握されたともされるが詳細は不明である(一説によれば、その真相を知っているのがかの天草四郎時貞であるとされる)。
 結局、日本全土を結界で覆う措置が講じられる…「鎖国」である。

 そして、米海軍の提督がこの鎖国結界を解除。その真の目的は『臥龍』の掌握にあるとされたが、当座は失敗となった。その後東京に転じた皇室は、御門家の関東での出先機関となっていた真行寺家の言を容れて『臥龍の護り』を海軍に護らせ、以後第二次大戦の敗戦まで護り続けた。
 敗戦後、『臥龍』は米国の掌握するところとなり、これにより米国は霊的にも世界最強国の名をほしいままにした。しかし、日本としても『臥龍』を放置しておくわけには行かず、ローマ聖王と当時のフォルツァ枢機卿の後援を受け、楠ヶ浦学園を設立、3本の『ユグドラシル』による結界で、本来の『臥龍の護り』の役を果たしていく事になる。

 その後『関東異界大戦』を経てからの『臥龍の護り』は、臥龍学園の管理するところとなり現在に至っている。

『八方守護陣』
 『関東異界大戦』で楠ヶ浦学園と『ユグドラシル』の結界が消滅し、また『臥龍』本来の封印である『臥龍の護り』も破損した事から、御門家と真行寺家、神代家が中心となり、急遽『臥龍』本来の封印を補佐する結界を展開する事になった。
 それは西洋の4大精霊…地・水・火・風と、東洋の4聖獣…青龍・白虎・朱雀・玄武の二大守護陣を複合したものであり、更に楠ヶ浦学園から流れを汲むローマ聖王系の浄化陣を組み込み、現在考えられる限り最強の防御陣を形成するというものであった。
 その構造は、以下のようになっている。

外界
八方守護陣
臥龍の護り
【臥龍】
臥龍の護り
八方守護陣
外界

 しかし、先の大戦で日蓮上人以来の守護役の血統…『臥龍』を最も知り抜いた一族…が行方不明となっており、これによって二大守護陣に力を与えるはずの『八方の守護者』達を招来する儀式は不成功に終わった(その穴はアスモデート事件の後、横須賀に招聘された「六柱の巫女」をもってしても埋める事が出来なかった)。
 また、大戦以来『臥龍』本来の封印の破口から、その力が少量ずつ放出されていたため、エミュレイターをも引き寄せる事になってしまったのも、困難を増す要因であった。
 結果として、展開された『八方守護陣』は、代用品を数多く用いた仮守護陣となってしまった。

 この仮守護陣が張られている間の守護役代理は神代 慎(逢守神社宮司)が務め、月に一度の儀式により、仮守護陣を維持していたが、これはあくまで当座の措置に過ぎず、本来の守護役の捜索と、『八方の守護者』達の招来が急務となっていた。
 しかし、横須賀及び北海道ウィザーズユニオン、臥龍学園、御門家、天大寺などの各組織により結成された特務ウィザード・チームがかの任につき、2年の歳月をかけて、漸く目的を達成するに至った。

ついに揃った「8人」
4聖獣 4大精霊
青龍 リカルド=S=コールソン 水精
白虎 御影 冬華&千夏 風精 一文字 若葉
朱雀 神崎 ちはや+ファイ 火精 覇嵐坊尊戒
玄武 水尾 要 地精

 以上の8人が4大精霊・4聖獣の化身たるウィザード達である。彼らはそれぞれ高レベルの戦闘力を有し、またごく一部の例外を除き、横須賀近辺に在住している。

『臥龍の巫女』
 更に、『臥龍の護り』本来の守護役として、「臥龍」の荒ぶる力を鎮める巫女となる者が存在する。
 その知識は、遠く日本武尊神話の時代から残されていたもので、記録によれば最初に臥龍の力を鎮めたのは、日本武尊の妻と伝えられる弟橘姫であったといわれている。
 その遺品である櫛は、日本武尊自身の手によって走水に奉納され、もって逢守神社の御神体となった。

 また、その秘儀は日本武尊より伝えられ、遠く時代下って鎌倉の世、日蓮上人によって『臥龍の護り』が形成された際、その教えを受けた三浦一族が守護につく事となった。一族は口伝をもって、長きに渡り秘儀を守り通していたが、現世においてエミュレイターの襲撃を受け、死滅したものと思われていた。
 だが、実際は…とあるウィザードの手によって、秘伝を封じられた一族の1人が健在であり、後に逢守神社へと預けられウィザードとして育てられる事になる。

 更に『八方守護陣』の形成においては、術式の強化により、この真なる守護役に加えて「弟橘姫の記憶を持つ臥龍の巫女」が必要とされた。その人物も長らく所在不明であったが、会津ウィザードユニオンの尽力により発見され、紆余曲折の末覚醒に至っている。

臥龍の巫女
(真なる守護役)
臥龍の巫女
(弟橘姫の転生者)
神代 微(三浦 沙弥) 日向 みさき

 かくして揃った10人のウィザードによる、八方守護陣…成功の暁には、横須賀へのエミュレイターの侵攻は大幅に抑えられるという。
 だが、『臥龍の護り』および『八方守護陣』が掌握され逆手に取られる可能性も否定できないため…

『臥龍の護り』所在地たる横須賀の死守

4大精霊・4聖獣の化身、
ならびに臥龍の巫女たる10人のウィザードの保護

 この2大条件に関して、エミュレイターの手に落ちるような事があってはならないのである。