【第44夜】
Neither ALPHA nor OMEGA

〜超魔導黙示録・W〜

<PART−08>



その名は【天意虚空】
〜神々、邂逅す〜



ザネレがゲートに降り立つや、白と黒の渦巻きが、ゲートを中心に巻き起こり……
一同が次に現れたのは、銀河宇宙の彼方の果てとも思えるような、そんな空間だった。

GM >……頭上から足元までいっぱいに広がる漆黒の闇と、そしてその一面に散りばめられた無数の星々。上下左右という概念など、どこか別の次元にでも置きやられてそのまま忘れ去られたような、そんな空間。
アドノレ >イデの力で全て崩壊だと?
翔真 >「ここは………?」周囲を警戒
ザネレ >「ゲートの向こう側……だと、思う」
GM >そう、よく見ると。此処ではその光芒たる星の数々の、その興亡をも俯瞰する事すらできるのだった。
初 >「っていうか、わたし達もしっかり取り込まれてる訳なんですけど……(^^;」
翔真 >「まぁ一応まだ想定内ではある(苦笑)」
アドノレ >「ここまで来て“見えない所で全部決まりました”ではあんまりだろう」
翔真 >「で………そら、天意虚空はここに居るのか?」


『――我は、既にここにいる』

弓 >「おおう」
ザネレ >「(口調が変わる)やはり……この場所そのものが異界神、【天意虚空】でしたか」
そら >『そう。我はすべてにしてひとつであり、また始まりにして終わり。意味にして無意味である』
翔真 >「(一つの世界そのもの………厳密には虚神とは違うと言う事か)」
アドノレ >「全にして個であるとしながら一応対話可能なのは幸運であるな」
そら >『……その理由は、これである(と、空間の一角が光り)「……こういう事」』と、そらの姿が現れる。
翔真 >「そら………」
初 >「なるほど……そらちゃんを通じて、話をしている訳なのですね(、、)」
弓 >「そういうこと……」
そら >『そして。そこで入れ替わりしは、異界のものか』
ザネレ >「……そういう事になります、か。我は幻夢神、主八界が第8世界“夢幻のファー=ジ・アース”を統べる者」
そら >『……我が行く手を幻にて閉ざす者よ。今になって我がもとに姿を現した理由は、知っている。されど、その所業が何を招いたかはよく心得ているであろう』
ザネレ >「心得ています。少なくとも明確なのは、我等は元々理を異にする者同士であるという事。もはや、諍い合うべきではありません」
そら >『我が営みに対し、先に手を出し歪めたのは其方である。故に、其方が手を引くがよい』
ザネレ >「それが出来ない事情があったからばこそ、こうして話し合いに来ました。“今更虫が良すぎる”という指摘については、受け入れざるを得ませんが」
初 >「うなー……」お互い事情があったのは、今だからこそよくわかるです(、、)でも……
アドノレ >「全知全能たり得ないのはどちらも一緒だろうて」
そら >『その“事情”と言うのは、其方の世界の“弐重構造”の事か』
ザネレ >「その通りです。表界ファー=ジ・アースと裏界エル=ド・フォーラ。これらは文字通り“世界の表裏”であり、片方だけでは成立し得ません」
そら >『要は、ひとつである訳か。何故纏めようとしない』
ザネレ >「それは此方側の摂理にも関わる事でありましたから、軽々に事を進められませんでした。結果として、こうしなければならなかった……」
弓 >「カフェオレ派、ミルク派、ブラックコーヒー派もいるのよぉ」
初 >「うな、あの……ミルクでいいですか?」
翔真 >「連絡不行き届き故の確執、折角話し合いの機会が持てたのだから語るべきことを全て語って妥協点を探り、御互いの納得出来る形に纏めるのが寄り御互いの為となるだろう。」
そら >『我はすべてを許容し、すべてを共存させ、そして“進化”させ続ける……その過程で起こる争いもまた、それらの事象のひとつに過ぎない』
ザネレ >「エル=ド・フォーラ……裏界の古代神は、民よりもずっと強大でした。だからこそ彼らは間違い魔王となり果てたし、我は民を守らねばならなかった……それゆえの“世界結界”でした」
そら >『……それが、我が行く手まで妨げたという事になる訳だな』
弓 >「あー……」
翔真 >「(これは………そう言う事だろうか?)」
初 >「うな、せんせー…あの、そらちゃんの言ってる“行く手”って…」 前に聞いた話、ですよね……
翔真 >「まぁそれも有るのだろうが、恐らくそれ以前の問題も有りそうな気がして来た(苦笑)」 この場に居る以上天意虚空には全部筒抜けだろうが(苦笑)
ザネレ >「遺憾ながら、そういう事になりますか……」
そら >『それ故、我はこの妨げを排し、世界がなすべき“進化”への道に立ち戻るべく行動し続けてきた。尤も、其方にすれば“干渉”なのであろうが……所謂“冥魔”も、そして今目の前にいる“インフィニオン”もその成果である』
ザネレ >「それで冥魔は《侵食》をしていたのですね……そして、表界の者たちが我が予想を上回る速度で力をつけていったのは、その差配と言う事でしたか」
そら >『……大体理解した。もとより我は、外へ向けて進化を続けるもの。そして其方は、内へ向けて深化を続けるもの。そういう事になるか』
初 >「要するにザネレちゃんは、人界にとって強過ぎる裏界を封じ続けなきゃならなくて、そらちゃんはそらちゃんで、外なるものと戦うために進化し続けなきゃならない訳で……つまり、相反する性質がたまたま噛み合っちゃった、って事なんですね(、、)」
翔真 >「そう言う事になるらしいな。」
弓 >「なんかやっぱり、ちょっと話し合えばうまいこと解決できそうな気がするんだけど……」
ザネレ >「……しかし、一度は不変なる摂理と定めざるを得なかった事も、少しずつ変わってきたように感じます。表界は依然として裏界と争い続けていますが、ここにきて共存の道を探るものも出てきました……これも“進化”なのでしょうか」
翔真 >「それは”進化”と言うより”進歩”な気がしなくも無い、あくまでも個人的見解ではあるが(苦笑)」
弓 >「そうね、絶対不変なんて、時間が止まってなきゃあり得ないもの」
そら >『しかり。“絶対不変”は有り得ない。我は今まで永劫の時を過ごしてきたが、なお進化の途上にあるゆえ、それが解かる……“其方”はどうか』
ザネレ >「なるほど。それで、何度やり直しても同じ結果が導き出されたのですね。もとより神とは、始めより終わりまで究極の存在。ゆえに進化など有り得ません」
そら >『そうだろうか? “生命”とは出現した瞬間に進化を始め、己を深化させ、終わり際その真価に至る……その数多もの動きが重なり合い、そして世界全体を進化させてゆくものだ。……その“世界結界”とやら。そろそろ、変えてみてはどうか』
ザネレ >「世界結界をどう“変える”のですか?いまだ彼我の差は歴然です。少しでも手を緩めれば、裏界の者は増長し、表界を喰い尽くすでしょう」
そら >『なるほど、理解した。それゆえ、世界の“停滞”を望むのか』
弓 >「人間としては、停滞も、急激な進化もゴメンなのよねぇ……(ぼそ)」
初 >「……わたしは、毎日が楽しかったらいいなあ、って思うくらいなのです(、、)」 …累くんに言わせると「もうレベルが釣り合ってないよぅ」って事なんですけどね(^^;
翔真 >なるほど(^^;
ザネレ >「“停滞”ではなく“安寧”です。絶えず戦い続けねばならない世界が、残り続ける事など出来はしません」
そら >『その通り。だが幸いにして、其方が課した数多の“繰り返し”は、我に更なる進化を齎した……我は既に“次なる段階”へと往く事が出来る。だがその前に、いくつかの問題を解決しなければならないが』
ザネレ >「…聞かねばなりませんね。その問題とやらを」
そら >『其方が“繰り返し”によって因果の狭間に放逐してきた……数多の【破滅という結論の意志】。人は【終焉】と呼ぶが、正確には似て異なるものだ』
弓 >(ぷすっぷす……ぷしゅー……)
そら >『“終焉”そのものはあまねく事象の一端であり、それが一律に破滅であるとは限らぬ』
ザネレ >「それは理解できます」
そら >『だが、ここまで我等が諍い続けた結果、【あれ】らはその【破滅と言う意志】によって“終焉”を成す……そして我は、それを止める事が出来ぬ。なぜなら【あれら】もまた、我であるからだ……先般、門での【我】の動きに、思うところはなかったか』
初 >「……そういえば、そらちゃん全然本気で“戦って”なかった……」
翔真 >「互いに【天意虚空】の一部である場合、基本的に相互に干渉は出来ないと言う訳か。」
弓 >「究極的にはただの自問自答だものね。それも超ウルトラハイパー頭のいい」
そら >『そう。我と我が争うその行為には、もとより意味がない。その意味をこそ与えるのが“生命”……ヒトなのだ。その点は【我】も【あれ】らも、変わる事はない』
ザネレ >「意味のない無限よりも、意味のある無限の方が……強い。そういう事ですか」
そら >『そうかどうかは、これから明らかになるだろう。だが重要なのは、その意味が“今、生きているか”なのだ』
初 >「あ……これ、さっき弓センパイがわたしに言ったのと同じ事です。『前世とか宿命とかよりも、とにかく前に進み続けろ』って……そういう事、ですよね」
GM >そう。今の【そら】にあって、【終焉の魔神】達にないもの……それは『今を共に生きる仲間』。だって、世界滅ぼしちゃった時点で“仲間”なんているはずないじゃないですかーやだー(爆)
翔真 >そう言う事か(苦笑)
弓 >せやな(笑)
初 >「つまり【無意味】に対して【意味】を齎す……それが、世界を変える力になる」
そら >『ともあれ、我は次へと至るため、世界結界と【あれら】の問題とを解決せねばならない』
アドノレ >「全部無くなった後にどうするつもりなのか気にならないではない。自決せねば“終焉”が完成しないだろ」
ザネレ >「……【世界を変える】と言う、ひとつの【終焉】ですか……(考え込む)」
そら >『それが出来るのは、今ここにいる……』「【わたしたち】だけ、だね。……だって、わたしは皆の想いがなければ、何も出来ないんだもの!」
初 >「うな!?みもふたもないですー!?(ガビーン)」
翔真 >「そんな事は無い。お前は“願った”じゃないか、自分の意思で……“願い”を持つ者が、何も成せない事等無い。」
そら >「……だから、そのこと。わたしは“進化”して、そうなるに至った……お陰で、ここまで来る事が出来た。わたしひとりだったら、多分高い確率で、それももっと早く【破滅と言う結論の意志】になってたもの」
弓 >「そうねぇ……それもまたひとつの正解。でも、そうありたいと思ったそらがいたから、私達が一緒にここまでこれたのも本当」
初 >「今この時まで、願うこともなければ、ここまで来る事も出来なかった……だから【終焉の魔神】になるしかなかった、っていう事なんですね」
弓 >「まさしく“我思う故に我あり”……ってね。まぁ、これも後生で解釈バラバラなんだけどねぇ……」
アドノレ >「この期に及んで“かも知れない”は無いだろう。好きにやって今があって先を見る。それでよいのだ」
弓 >「そうそう。私達がそらと一緒にいたいと“願った”から、そらも私達と一緒にいることを“願って”くれた。そう信じてるわぁ」
アドノレ >「んむ。そしてこれで“好きにしてイイ”とのお墨付きが出たな」
翔真 >「そうだな(フッ)」
そら >『……そう。あまねく絶対の相反すらする概念が混然と存在してこその“世界”なのだ。そして、我はそれをこそ良しとする。幻夢神よ、汝はどうか』
ザネレ >「……“彼ら”は、受け入れるでしょうか。その“変化”を」
アドノレ >「一度流れとして動き出せば許容しようと否定しようと押し流されていくのが歴史というやつだと思うぞ」
翔真 >「いきなり全ては無理でも、少しづつ受け入れていける様に努力するのも必要では無いだろうか。」
ザネレ >「既に直接見て、知っているでしょう。世界結界とは即ち“書き割り”にして“壁”……それを変えるという事が、どういう事なのか」
そら >『……聊か過保護、否、己が世界の可能性を否定し過ぎではあるまいか』
アドノレ >「支配者が変わるだけだろ。神が去り人がとって変わり、人がい無くなればまた違うものが立つ」
弓 >「そうよねぇ」
そら >『是も非もすべて、その時を生きる者たちが決めてゆく事。そうして生き残った者が、次にどうするかを決めて行くもの』
翔真 >「幻夢神は女神なのかな?何と言うか天意虚空が言う“過保護”かどうかは何とも言い難いが、とても心配して不安に慄いている母親の様に見えなくも無い(苦笑)」
ザネレ >「もとより、裏界を表界で封じざるを得なかったのは、我々の側の裁定によるもの……私1人の一存で決める事が出来なかったのです」
そら >『であるにしても。“彼らは変わるだろうか”と、そう言ったな……それこそ既に、答えは出ているではないか』
初 >「うな!ちひろセンパイだって頑張りましたし、トリッシュさんやウーさんだって……世界は、ただ人と魔が争ってた頃から、いっぱい変わったと思うのです」
弓 >「まあ、私も、ずっと昔はこんな世界を恨んだこともあったのだけど……なんだかんだで誤解だったってわかったし。 それも“変わった”ことのひとつ、よねぇ」
そら >『それでも、裏界を封じ続けねばならぬというなら……こうしよう』

『“我は今一段の進化を果たし、そしてこの世界を離れる”』

翔真 >「………!」
アドノレ >「進化というやつはえげつない加速装置で使いこなせないと自爆するぞ。それもまた良しというなら止める気は無いが」
そら >『その時、おそらく我が力に由来したものは全て消えるだろう。しかし一方で、【第8世界】を完全に破壊し得る存在もいなくなる……幻夢神の言が真であるならば、だが』
ザネレ >「確かに、冥魔の力は世界結界の想定の外でした。あまりにもその力が強過ぎて、ただ存在するだけで世界結界を破壊しかねなかった程に……」
アドノレ >「それから一応聞くが、消えるのは全てなのか?世界に影響を与えないレベルつまりはイノセントレベルで残したりは出来ないのか。」
ザネレ >「それは、我にも分からないのです。相互の力が、あまりにも大き過ぎて」
そら >『否定はしない。退化もまた、進化の道である』
アドノレ >「そらがイノセントレベルでならば存在を残せる可能性があるそうだ」
弓 >「ふむ、そらがそらであるなら、むしろそれでもオッケーね」
初 >「なんでしょう……神様たちの話って、微妙に噛み合ってるようで、微妙に噛み合ってないような……」
ザネレ >「しかし、明確になった事がひとつ……我々主八界の神々は、これまで永きにわたり、様々な形で外なる神々や、その眷属との戦いを繰り返してきました。そして【天意虚空】もまた、その外なる神々のひとつであるという認識でした」
翔真 >「今更根本的な認識違いが有ったと言う訳か(汗)」
ザネレ >「そう。実際は【外へと向かう神】……そして、そうであるならば、あの裏界の魔王たちのようには抑えきれないのも道理だったのです」
翔真 >「(小さく嘆息)」
ザネレ >「…しかし、よいのでしょうか。今いる世界を離れたら、【天意虚空】の在るべき場所がなくなってしまうのではありませんか」
弓 >「そうねぇ、私達のためにっていうのなら、ちょっと困るけど」
そら >『人に分かりやすく、例え話をしよう……この世界は卵の殻、そして我はその中身。中身はいずれ形を変え、外へと出て行くものである』
ザネレ >「我が解釈で正しかったのですね」
そら >『もとよりそれが我が摂理。後に残ったものは、好きにするのが善いだろう……そしてその結果、封じてきたと言う裏界の魔王らとやらが、真にその手におえなくなったならば。我を喚ぶがいい』
初 >「……うわあ……今さらっと、とんでもない事が決まったような……(^^;」
翔真 >「本物の“魔王殺し”を召喚出来る権利を幻夢神に与えた様なもの、と聞こえなくも無い(苦笑)」
アドノレ >「喚べば帰ってくるとかそれで良いのか?」大巨神と大天馬とかふと思ってしまった
弓 >「んーーーーー、これってどうなの??……私達の目指してたゴールってことでいいのかしらぁ……」
翔真 >「念の為天意虚空に“そらをそらのままで生きられる様に出来るか”を確認して、俺達の望む結果であればほぼゴールだろうな。【破滅】の後始末だけが俺達の課題として残るが。」
ザネレ >「もとより、我が懸念は“世界結界を維持する力”の問題でした。その一番の原因が解決を見るのでしたら、それでよいのですが…」
そら >『我は長い年月を掛けて、世界結界のなんたるかをも既に学んだ。疾く消し去る事も出来たが、事象には必然たる要素が存在すると知るゆえ、そのままにしておいた。それが、我が結論である』
アドノレ >そう、つまりダイスの意思は神の意志
翔真 >天意虚空の懐が深過ぎる件(苦笑)ちゃんとホウレンソウしておけばもっと楽に解決出来た様な気がしなくも無いぞ幻夢神(^^;
弓 >ほんそれ(笑)
初 >“かくあれかし”を絶対に否定しないんですよね……それがどんなものであっても。だから厄介、だったのかもしれませんです(、、)
ザネレ >ここでちょっとPL発言(笑)そう、どんな願いも否定しないから、善悪も全然関係なくて、触れた者の心次第で決まるって事…
弓 >「つまりー……ええと、これで欠片とか、そら由来だったものは消えてー、どーしても駄目なら助けに来てやるから、たっぷり寝ただろうからそろそろ幻夢神がんばれってことかしらぁ」
ザネレ >「そういう事になるでしょう……」
アドノレ >「寝太郎は起きたら労働の生活が待っているのである」
翔真 >「至れり尽くせりみたいに聞こえる(苦笑)色々と心を砕いていてくれた事に改めて感謝する。有難う天意虚空(礼)」
そら >『我はただ在り、そして進化し拡大を続けるのみ。これすべて宇宙の摂理』
弓 >「あなたの旅立ちを妨げるってのも違うと思うし……そうね、そらともう少し一緒にいられるのは、ほんのオマケ、ささやかな幸運。それに感謝こそすれ、反対する理由はないわねぇ……」
翔真 >「ただそれ故に、俺からも一つ問いと願いが有る。幻夢神との話が終わってからでも構わないので聞いて貰えないだろうか。」
そら >『承』
翔真 >「感謝する(礼)……俺達の仲間のそらを、そら自身が望むままに生きさせては貰えないだろうか。先程の貴方の言葉からすると貴方が旅立てばそらも消えてしまいかねない。彼女の望むままに生きさせてやって欲しい。」
そら >『――それは、まさにこれから成すべき、成さねばならぬ事に関わってくる』
アドノレ >「ほう」
翔真 >「【破滅】を始末する事か?」
そら >『知っての通り、【この者】が進化した果て【破滅と言う意志】というものが存在する。本来はひとつであったものだが、そこの幻夢神によって繰り返しが発生した結果、無数の存在になってしまったものだ』
初 >「……それが【黒】と【白】…なのですね」
そら >『ゆえに、先ずは【破滅と言う意志】どもにより引き起こされる“矛盾”を解決しなければならぬ。これまでは幻夢神が“最終勇者”とやらでそれを先送りしてきたが、もはやそれも出来ぬ事なのであろう』
ザネレ >「出来なくはありません。正確には、あと1回だけなら……しかし、その後がどうなるのか。それが分からないのです」
そら >『かかる矛盾を解決するには、これらを一度相克させ、しかる後に超克せねばならぬ。その器たる力が、【この者】に存在するか……問題は、その点にあるのだ』
翔真 >「む………済まん、今一つ掴み辛い。【破滅】を打倒するだけでは駄目と言う事か?」
そら >『それは、人の次元に於いては本質的な解決ではない。先も話した通り、それらは無数に存在するからだ……そして、すべての事象とは力によるもの。足りなければ、それまでである』
アドノレ >「そもそも打倒できるのか……とソコから考えてるのではないか?」
翔真 >「まぁ確かに、世界を滅ぼし得る者と正面から遣り合ってどうにか出来ると言えるほど自惚れている心算は無いが(苦笑)」
弓 >「まあやるけど」(笑)
そら >『これまで【この者】により進化し、そしてこの地に至った者達よ……【この者】の最後の進化を、その手で成し遂げる事が、その先に続く未来への鍵となるだろう』
翔真 >「俺達の手で、そらに最後の進化を成すと………?」
そら >『その通り。それは我の手ではかなわぬ事……なぜなら、【この者】も【破滅という意志】も、全てが我であるからだ。我以外の意志を持つ者にしか、それは出来ない事なのだ』
初 >「うな、アムさんからも聞きました。もともと、そらちゃんは願いを受けて動くって事ですから……(、、)」
ザネレ >「……なるほど、読めました。無限に過ぎる【外へと向かう神】にとって、最後の安全装置のようなもの……それが【人の意志】ですか」
そら >『…太古の昔。ある者が、我に願った。【この世界を守り、そして見届けて欲しい】と。それ以来、我はその時々の人々の願いによって動いてきた……それは、今回も同じ事』
翔真 >「………俺達も、特に難しい事を考えずに純粋に願えば良いのか………?」
そら >『大切な事は、意志を示し続ける力。もとより闘争とは、その手段であろう』
弓 >「それはそうねぇ……」 からだはとうそうをもとめる(祝エルデンリング発売)
翔真 >戦う事は疑う事なんだろう(HATENA感)
初 >「つまり……無限の存在と戦いながら、そらちゃんの最後の進化を助ける、って事ですね。で、その方法が、相克させて超越すること……なるほどです。これって、人の心と同じなのです」
アドノレ >「何か気付いたか」
初 >「だって、ほら。人って、正反対の気持ちで揺れたりする事があるじゃないですか。で、それを乗り越えて成長していくですよね」
翔真 >「色々な考えをぶつけ合ってそこから答えを得る………そう言うものか?」
初 >「うな。【天意虚空】にとって、これからの進化に必要なのは……ずばり、その過程。それが出来なかったから、今までがあったんじゃないでしょうか」
ザネレ >「確かに。【終焉】……いえ、【破滅と言う意志】が顕現した衝撃で世界が破壊されるとき、最後の手段として用意したのが【最終勇者】でしたから」
GM >つまり、【天意虚空】が最終進化する過程の直前に、世界の完全崩壊を阻むべく幻夢神が最終勇者でもって吹っ飛ばした上で巻き戻しちゃったから、って事ですね(笑)
アドノレ >まさにフラグブレイカー?
初 >夢使いだからこそわかることがあるですー(//▽/)
翔真 >なるほど(^^)
そら >『その方法とは【黒】と【白】の意志を、【この者】に受け入れさせる事。その上で、超克させる事である』
初 >要するに……【黒】と【白】に、1回ずつそらちゃんを殴ってもらう…とかいうやつでしょうか(、、)
弓 >「つまり、“拳で語り合う”的な?」わかりやすい(笑)
アドノレ ><ボソッ>どちらも殴り倒していただきます、その後食あたりが無ければOK。まさに「パンドラの弁当箱」</ボソッ>
翔真 >「………解った。」
そら >『その過程で、【この者】は【黒】なり【白】の意識に支配される可能性もあるだろう。その時、あらゆる意味での闘争を続ける用意はあるか』
アドノレ >「寝ぼけたら叩き起こせと」
弓 >「まあ、それは全然心配してないわねぇ、私は。“そらなら大丈夫”って、私が信じてるし、そうあるように“願ってる”し、なんならアドが言う通り、叩き起こすもの」
翔真 >「そらを助ける為の戦いをする、俺の選択はそれだけだ。」
そら >『なれば善し。【破滅と言う意志】らは、幻夢神により飛ばされた因果の果てへと集まっている……そして、かの因果の果てが開かれる時、人魔の世界にも【破滅と言う意志】の力が解き放たれる。正確にはその一部、眷属とでも言うべきもの達だが』
アドノレ >「ラストバトルをおっぱじめたら眷属が溢れて他所にも飛び火するということか?」
ザネレ >「……【天意虚空】も人が悪い。要は、それで試すというのですね。人界の“進化”を」
そら >『試すのは表裏を問わずだ。もとよりここでの試みが失敗すれば、同じ事であろう。だが成功すれば、これは汝の【第8世界】全体にとっても益となる』
ザネレ >「裏界をも襲わせる事で、表裏の“進化”を見極める……ひとつ間違えば破滅必至の恐るべき一手です」
そら >『すべては変わり続ける。生死興亡もまだしかり……納得は出来ただろうか』
初 >「つまり……“世界を譲る価値を戦って勝ち取れ”と(^^;」
弓 >「なるほど、オマケも報酬もある、と」
翔真 >「先程問うた俺の願いが叶うのなら、是非も無い。負けられない理由が増えたな(フッ)」
アドノレ >「やらなければならんなら手早く済ませたい処だな。邪魔が入る前に」
弓 >「あーーーーーー、そうねぇ、すっかり忘れてた」
そら >『さて……因果の果てへと至る事そのものは、我にとってたやすき事。しかし、“そこ”が何処かは幻夢神のみが識る』
ザネレ >「そうですね。ことここに到っては、もはや隠しだてる事もないでしょう」
GM >ザネレの姿の幻夢神が手をかざすと、星空の一点が大きく明滅する。
そら >『其処か。……眷属が漏れ出てくる事は理解していたが、我には何ら害がないものでそのままにしていた』
ザネレ >「あれが“因果の果て”です。しかし、我は往く事は出来ません……今の時点でかなりルールを破っていますから」
アドノレ >「その反動がどこに出るかが気になる所ではあるが」
ザネレ >「……すべてが終われば、それも明らかになるでしょう。今はただ、あなた達だけに全てを託さねばならない事、申し訳なく思います」
翔真 >「まぁ………正直に言えばここまでの天意虚空と貴方の会話を聞いて思う所が無い訳じゃないが、なんだかんだで俺達も貴方に守って貰ったと言う事もある。それでチャラと言う事にしておくさ(苦笑)」
ザネレ >「いいえ。万が一の時は、我が動きましょう」
翔真 >「ただ、どうしても一つ貴方に言っておきたい事、やって貰いたい事が有る。」
ザネレ >「……出来るかどうかは、その内容次第ですが」
翔真 >「先程から貴方と天意虚空の会話を聞いている間、ずっと思っていた事だ。天意虚空に対して自身の過失を認めたのなら、一度としっかりと“謝罪するべきだろう”」
弓 >「おお、なるほど(ぽむ)」
翔真 >「貴方は自らの非は認めてもそれを詫びる事は一切口にしていなかったからな。天意虚空がそれを求める事も言わなかったのであえて黙っていたが、一言も無しと言うのは聊か誠意に欠けると言うか、どうかと思う(苦笑)」
弓 >「誤解があったのは確かだものね……」
翔真 >「まぁだから天意虚空は敢えて自ら其れを求める事を口にしなかったのかも知れないけれどな(苦笑)」
ザネレ >「……そうでしたね。【外に向かう神】よ……不可抗力とはいえその道を阻んでしまった事、詫びさせていただきます」
そら >『道は既に定まり、かくも動き出した。故に、もはや釈明は無用……ただ幻夢神よ、この先は己が身を守る事に専心するが善し。これより先は、我等が闘争である』
初 >ああー……人も魔も進化するって事は、世界結界の変化は待ったなしって事ですもんねぇ……
アドノレ >「完全無欠。故に謝ると死ぬ病でなくて良かったな」
翔真 >「(其れは想定外だった………神だものな、万が一と言う事は有り得たか………あっぶねぇ(汗))」
弓 >「神様にはわりとあるものねぇ(苦笑)」
初 >「話の分かる神様でよかったのです(^^;」
そら >『……それでは、そろそろ【この者】を返そう』
翔真 >「あぁ、後でまた。」
弓 >「ありがとうねぇ」
そら >「……わたしこそ、ありがとう」


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