【外伝・序章】
智律と15年の記憶

<PART−01>


NWOS,もうひとつの物語…その発端は、やはり1人の少女。
膝まである長い黒髪、オレンジ色に瞬く瞳…【そら】。
彼女は今…学園街区にある『震災』慰霊碑前にひとり佇んでいた。

「―――――――――――――。」

もちろん、この慰霊碑は15年前に起きたという、
『震災』の犠牲者のために建立されたものである。
しかし…この地のウィザードたちは、それがあやうい世界の均衡を守るための、
「方便」でしかない事を知っている。
15年前の『震災』による大破壊…その正体こそ、
かつてこの地を蹂躙した世界最大の脅威…『関東異界大戦』…

そしてその地に、ひとりの人影が忽然と現われる…「涼夜 真琴」。
無論、この物語の命運を握る事になるであろう者の1人である。

そら:「・・・・・・おひさしぶり、です・・・ね。お元気・・・でした、か・・・?」
真琴:「ええ、手品師は元気が資本ですから、体だけは大事にしてますよ(くす)」
そら:「そう・・・です、ね。最良の・・・状態で、なければ・・・勝てません、から・・・ね」
真琴:「そらさんの方はどうです?相変わらず無茶してませんか?(くす)」
そら:「・・・・・・無茶、です・・・か? 皆さんが・・・言われる、ような・・・レベルの、ものでしたら・・・何度か・・・」
真琴:「あいかわらず、ですか。ま、それで無事帰ってきているんですから、いいんですけどね(くす)」
そら:「状態は、相変わらず・・・ですが、いつもの・・・事、ですから。それでも、普通の人・・・には、見えないよう・・・に、しているつもり・・・です」
真琴:「・・・そうですね、普通の人に見られるのはちょっとまずいですからねぇ(苦笑)」 (内心:成長・・・してるんでしょうねぇ)
そら:「それ、でも・・・いろいろな、人に・・・同じこと、を・・・言われます。わたし、は・・・無理、というもの・・・を、しては・・・いないの、ですが・・・。」
真琴:「・・・ふむ・・・・・無理、という言葉の定義にもよりますがね、自分でやれないことは無理、と普通言うでしょうね・・・」
そら:「それが・・・わたしの、役目・・・です。しかし・・・戦闘で、ダメージを受ける、のは・・・当然、なのです・・・が」
真琴:「はい、それはその通り(頷く)でも、それが例え治る傷であったとしても、大切な人が傷つくのは・・・あまり嬉しいことではないでしょう」
そら:「大切な、ひと・・・は、だれ・・・ですか・・・?」
真琴:「ふむ・・・共に戦う仲間は、大切な人になりえませんか?(くす)」
そら:「それは・・・わたしが、守るべき・・・存在、です」
真琴:「守るべき、ですか・・・それは少し、悲しいですね(くす)」少し悲しげに
そら:「何故、悲しみ・・・ますか・・・?」
真琴:「そらさんの言うところの『守る』とはどういうことですか?」
そら:「生命の、エミュレイターからの・・・防御と、その・・・維持、です。」
真琴:「・・・しかし現状の方法では今までは良くても、これから先戦いが厳しくなったときに、それが逆効果になりえる可能性もありますね・・・」
そら:「だいじょうぶ、です・・・これでも、わたしは・・・頑丈です、から(にこ)」
真琴:「もし、相手からの攻撃をそらさんが受けたとき、平気な顔をしていられる連中は、仲間には誰もいませんし・・・」 (そういう意味で、私は冷血かな・・・)
そら:「何故、でしょうか・・・わたし、よりも・・・助けを、必要とする・・・人は、たくさん・・・います、が・・・」
真琴:「・・・例えば?」
そら:「人を超える・・・力を、持たない・・・ものたち・・・イノセント・・・」
真琴:「それは、そうですねぇ・・・。この世のイノセント達の夢を守る、それがわれわれウィザードの役目ですからねぇ・・・(頷き)」
そら:「わたしが・・・守るべき、は・・・この地の・・・すべての・・・生命、を・・・守ろうと・・・する、ものたち・・・」
真琴:「でも、人は知らない大多数より知っている一人の方が大事なときが・・・有るのですよ。夢使いとしては失格な発言です、忘れてください(苦笑)」
そら:「――――――しっている、ひとり―――――――。」
真琴:「そして、そらさんはエミュレイターと戦いますよね?そのとき、その相手に対して何か有効な手段・・・例えば・・・・翔真君なら魔剣、凛ちゃんなら爪・・・・そのようなものを、持っていますか?」
そら:「―――――――――――――エヴォリューション=ウェポン・・・。」
真琴:「・・・有るなら、それでいいのですよ(にこり)」
そら:「・・・お見せ、すること・・・は、できます・・・が」
真琴:「ほぅ・・・では、お見せいただけますか?」
そら:「―――――――!」

その時…少女の髪は一瞬で緑色の輝きを放ち、その先端から無数の光が分岐。
手に出現させた『剣』にそれらは付着し、光を放ちつつ有機的に変形する…。

真琴:「・・・・・・これはまた・・・綺麗な技です・・・・」

一瞬、真琴はその剣の輝きに見とれた…暖かな灰色の光を放つ、
どことなく背徳的なフォルムを持つその『剣』…
見る間にそれは再び霧散し、残された光が、少女の髪へと再びより合わさり、消える。

真琴:「人にはそれぞれ役割があります・・。その技があるのなら、それを使って援護をなさい。それも状況には、よりますがね(くす)」
そら:「・・・そう、ですね・・・それは、よい・・・選択、です」<援護

目の前に立つ、どちらかといえば謎だらけの少女は…しばしの沈黙の後、再び口を開く。

そら:「力を・・・持つならば、正しく・・・扱わなければ、なりません・・・力を、正しく・・・扱わなければ。それは・・・滅びを・・・導きます、から」
真琴:「正しく、力を・・・か。基本中の基本ですが・・・以外に忘れられていることですね(くす)」
そら:「そう・・・そのため、に・・・一度、この街は・・・? ―――――――」

少女は…その時、にわかに沈黙した。
あたかも、信じられないものを見たかのような表情で。

真琴:「・・・・どうしました?」異常に気がついたらしい
そら:「―――――今、異常な・・・記憶が、現れました・・・が、すぐ・・・消えました・・・」
真琴:「異常な・・・記憶・・・・ですか?」 (内心:何らかのキーワードによって記憶が引き出されたかな?)
そら:「無数の・・・炎の、嵐と・・・煙と。そして・・・大きな、鋼鉄の・・・塊・・・でした」
真琴:「炎の嵐・・・煙・・・鋼鉄の塊・・・・・・それによって一度は滅びた街・・・・・・・何か閃きそうなんだがなぁ」頭かきかき
そら:「それと・・・トモダチの、顔・・・わたしが、守れなかった・・・最初の・・・トモダチ・・・。」
真琴:「・・・最初の友達・・ですか・・・・・・」少し、思考が止まる
そら:「それは・・・二度と、繰り返しては・・・ならない、事・・・です。事実で・・・あるならば。」
真琴:「それが事実であるなら、ね・・・・」発言した後に少々引っかかるところがある・・・

真琴は、しばし考えをめぐらす…目の前の少女の言葉には、
あまりにも意味不明な部分が多すぎる。しかし…

「(今の言葉が本当に正しいとなればこの町は一度滅んだことになる・・・・これもまた『15年前』に関係するのかな?)」

疑念を覚える真琴の前で、【そら】は古びた写真を取り出す。

無論、真琴にとっては初めて見る写真である…

真琴:「ふむ、この方ですか・・・」

そこに、いまふたりの人物が姿を現す…
「火狩 怜」「天羽 智律」…彼らもまた、数奇なる運命に導かれた者たち。
怜はその手に、白いフリージアと百合の花束を携えていた。

怜:「よ、真琴……−−/」
智律:「・・・・こんにちわ、です…。」
真琴:「や、怜。それに智律君も一緒ですか(くす)」片手上げ
怜:「おや?そらちゃんも一緒か」
そら:「・・・はい。また・・・あえました、ね(にこ)」
怜:「俺も、見て良いか?(写真をもっているのを見て)」
そら:「・・・・・・(こく)」
真琴:「えーと・・・こっちがそらちゃん?」緑のネクタイの女の子を指差し
そら:「――――――そのネクタイ・・・は、友達・・・が、使って・・・いました」
真琴:「ということは、この女の子はそらちゃんじゃないわけだ・・・(ふむ)」
そら:「今も・・・あります。あっち・・・に(奥手の入り江の先の方を指差す)」
真琴:「今も、残っているんですか?」指差した方を見て
そら:「・・・・・・・(こく)」
怜:「そらちゃん……友達の所に行って良いかな?」
智律:「僕も…、一緒について行って、ご挨拶してもいいですか…?」
そら:「・・・・・・・(こく)」
怜:「真琴も一緒に来るか?」
真琴:「・・・もちろん(くす)」

【そら】を先頭に歩く一同の、目的の場所…
それは、海に面した岩場の陰にひっそりと佇む、木を十字に組み合わせた墓標の前だった。
その結び目のあたりには、確かに、写真の少女が締めていたネクタイと同じ色…
年月の流れに色あせた、緑色の布が巻かれている…。

そら:「ここは・・・わたしが、よく・・・いく、場所・・・です」
真琴:「・・・ここ、ですか・・・・・」岩場に入りながら
怜:「そうだよ……」
そら:「そう……そして、ここにいます…わたしの、最初の…ともだち…が(にこ)」
怜:「……」白のフリージアの花束を墓標の前に置きます。
智律:「・・・・はじめまして、です…。」>墓標
真琴:「・・・・・・はじめまして・・・」墓標に一礼
怜:「……久しぶり、だね」小声で
そら:「また・・・ともだち、が・・・きて、くれました・・・。(墓標を優しく撫でつつ)」
怜:しばし、黙祷……そろりと十字を切って。
智律:「・・・・。」 静かに両手を握って黙祷をささげている。

だが…その時真琴は、不意に違和感を覚えた。
写真の少女たち。墓標のネクタイ。そして、目前の光景…何かが、何かが引っかかる…

怜:「……」立ち上がる
真琴:「・・・・・(何でしょうね、この感覚は・・・この写真か?)」少しだけいぶかしげな顔で
怜:「んあ?真琴〜どうしたんだ?」
智律:「・・・・・・。・・・・あれ・・?何かあったんですか?」
真琴:「えっ・・・いえ、たいしたことじゃ有りませんよ」表情を隠す>怜
怜:「そっか……」>真琴
智律:む、ここはあえておろおろしていましょう(何)

真琴は、そうしつつも違和感の原因…【そら】から借りた写真…を、今一度見つめる。
そして、それに気付いた怜もまた、同じく写真を覗き込む…

そして、判明した衝撃の事実!

…目の前でおろおろしている智律と、写真の『小さな少女』との顔が、
不気味な程までに似通っていたのであった!!

真琴:ごふっ(笑)
智律:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何ぃ!?(爆)し、失礼・・・。腹筋が瞬間的に断裂しました(笑)
怜:( ̄□ ̄;)PLがテーブルデコクラッシュ寸前になった(爆)
そら:「―――――――――――――?」
怜:写真と智律を交互に見比べよう(笑)
智律:「あ、あう〜。どうかしたんですか?」

真琴:「・・・・・・・智津君、ちょっと失礼だが・・・・・君は・・・・・・女の子か?」(爆)ごめんなさい、智津君〜
智律:「僕は男の子ですよぅ・・。(明らかにショック)むしろOK!何度も言っていますがライフパス:かわいそうは伊達じゃない!(爆)
真琴:「・・・・・・では、幼少期に女装をした覚えは?」では遠慮なく〜(笑)
智律:「そんなこと…(そこまで言って顔が青くなる)……多分、たぶんですけどないと思います…。」>真琴さん
真琴:「・・・すまない、軽率だった(謝)」深々と
智律:「は、はう・・・、あ、謝らなくてもていいです・・。僕は大丈夫ですから・・・。」
真琴:「それでも、すまないね」>智津
怜:「……似ているんだよ……お前とこの子が」写真の緑のネクタイの子を示して>智律

示された写真を、智律が見てみると…なるほど、確かに似ている。
ただ、『写真の少女』の方がちょっと幼くも見えるが…残る明確な差異といえば、性別くらいだろうか…?

智律:「あ・・・、あれ・・・。ど、どうして・・・・。なんで・・・!?」(激しく混乱中)>怜お兄ちゃん
怜:「俺は親戚なのかと思ったんだが……」>智律

智律は、この時既に…立ったまま気を失っていた…。

そら:「? ―――??(全員を見回しつつ困惑)」
怜:「そらちゃん……智律の顔よく見て」>そら
そら:「――――(妙に納得がいった風)どこかで・・・見たような記憶が、あった・・・のですが・・・」
怜:「……この写真の”ともだち”に似ているよな?」
そら:「・・・(こく)・・・・・・わたしが、守れ・・・なかった・・・炎の、中で・・・血が・・・生命が、消えて・・・」

少女は、首を小刻みに左右へと振る。
彼女がこの時直面していたもの…それこそおそらく自ら自身の、異常な記憶…。

そら:「ごめん、なさい。また・・・異常な、記憶が・・・でも、もう・・・大丈夫・・・。」
怜:独り言「……君は……いたんだな……15年前に……」
真琴:「・・・時を越え、なお出会うは運命、か。(ぽつり)」
そら:「15、年・・・前・・・?(きょとん)」
怜:「あ……聞こえたか?」
そら:「・・・・・・・・(こく)」
怜:「……ここで、その昔何があったかは知っているか?」>真琴、そら
真琴:「ふむ、私はここに来てまだ浅いのでね。明確にはわかりませんが・・・」>怜
そら:「・・・・・・大きな、事件が・・・あったと、聞かされて・・・ます」
怜:「(少し考えて)場所を変えて話そう。Monamiでいいよな?」>ALL
真琴:「ええ、かまいませんよ」>怜
そら:「・・・(こくん)」


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