【第4夜】
箱庭の戦士達

〜蒼魔 弓篇〜

<PART−14>



死闘/ラウンド2



戦いは、なおも続く…
「翔君、もう一回だよ! 響君の魔法が効いている内に、決着をつけよう!!」
「……そうだな。了解だ」
凛の言葉に以心伝心、ニヤリと笑う翔真。
だが、前衛の3人に張られた水壁を見ても、光鈴そして闇鈴は些かも動じない。

「物理防御・・・フン、小癪な。」「・・・旋風の刃よ!」
2人の方天戟が風を纏い、不規則な軌道を描いて翔真へ、そして弓へ…
防ぐにしても、これは魔法…『ヘッシュ』の水壁では防げない…!

>まぁ、そうくるとおもってましたが(笑)
>アドッち〜よろ!闇の方を解除してしまってください〜
アドノレ >では割り込んできます。ディスアペア

…だが、弓へと飛んだ風の刃は、彼女の身に到達する前に消え去っていた。
「…………………………そろそろ終わり?…」拍子抜けの結果に、弓。
そしてその背後には、彼女をフォローに入ったアドノレの姿が…

「俺様の筋肉をなめた報いだな」

「俺はまだもつ!弓ちゃんのフォローを!」後衛に叫びつつ回避姿勢に入った翔真は、
振り向きざまに『鋼』を一閃!力ある刃は、風の刃に打ち勝ちこれを霧散させた。

「うまく避けたようだが・・・」「避けるだけでは勝負にならんな!」
あくまで罵倒の姿勢を変えない白家エージェント達だったが…
「……手心を加えたつもりか?」
これに、不敵な笑みを返す翔真である。

>なんか期待されてる(笑)私ほっといていいのにー(爆)
翔真 >相手の奥の手を削った上での爆発を期待してます(笑)

「今度はボク達の番!」「行くぞ…!」凛と翔真のコンビネーションは、
着実に光鈴にダメージを与えていく。会心の一撃をかわされたものの、
最後の<幻想舞踏>を使わせた事で、どうやら勝機は見えそうだ…
くすくすと笑いつつ、
「そろそろ後が無いんじゃない?」と、凛。
だが、当の光鈴は
「さて・・・それは、どうかな・・・?」と、まだ含みがありそうな表情だ。
その余裕に疑念を抱きつつも、
「ふ〜ん」と相手の出方を見るべく睨み続ける…。

アドノレ >アンホーリ−は弓の前のが良いのかな?
>いや、もう消えてるから凛の(再撃の)前で…あ、でも、凛達も終わってるのか…どっちでも同じかな
アドノレ >予告したけど動いてたから、死点のない弓をフォローするかな・・・といふ考えでしたけど
>このRでヘッシュも消えてしまうし(^^;
>連続がけはきついですからね〜(苦笑)
>ベストは凛の前ですけど、どちらでもOKです。私、それにあわせて動きますので
>弓の援護を〜
>いや、アンホーリーもらっても、このRでは倒せないから
アドノレ >がんばれ主役(笑)

「揃いも揃って小技が好きなようだな」アドノレが、闇鈴にアンホーリーフレイムを掛けるが…
肝心の魔力が集まらず、闇鈴に影響を及ぼすにはいたらなかった。

>あうあうあう、凛の前にってばーーそうすれば、次の弓の攻撃で凛の前を打てたのに…
GM >クリティカルでちーん(笑)
>抵抗されてる;;
>もらっても、どーしようもないって言ってるのに…あー、計画がー(><)…
アドノレ >どのみちかからなんだ
翔真 >アイコンタクトではまだ伝わらない様だ(苦笑)
>んじゃ、もうしょうがない。目の前を殴る。本当は、凛の前のにかかったら、イキナリ横から撃つ予定だったけど・・・のらりくらりと遊びつづけよう( ̄ー ̄)

無論、本気でもない攻撃が当たるはずもなく・・・方天戟で、弓の右腕による一撃を弾き返す闇鈴!

>こっちはこの通りで当たるはずがないんだから、援護いらないの(笑)

その直後…光鈴が「『アレの欠片』の実力、見極めたくはあったが・・・」と、後方に下がる。

>ぎゃー、やっぱり下がられた〜〜〜(笑)

そして、闇鈴が…「・・・ジャマも多いようだしな。カーオス公爵からの預かり物、使わせてもらう!」
叫ぶや否や、取り出した青い魔力結晶をその場で砕く・・・
そして、砕かれた魔力結晶は…周囲に、僅かに光る霧を発生させ、前衛陣すべてを包み込む。
「この霧は?」凛がいぶかしむやいなや、それは起こった…!
「…………………………ぐぁ……………あ………右腕……が……………」
凄まじい痛覚と拘束感を覚え、弓が右腕を抑えつつよろめく。
その右腕は、奇怪にねじくれ形を失う一歩手前ではあったものの、
弓が意識を集中したことで、辛うじて腕の形を保つに過ぎなかった。
また、この霧は翔真の『鋼』からも、魔剣としての機能を奪っていた。
…これぞ、すべての魔の力を断つあやかしの霧・・・『ミスティ=フォッグ』!
「一気に仕留めるぞ・・・光鈴!」「承知・・・!」

>ぎゃ〜!!!
>うう…こーいうことされるまえにしとめたかった><…
アドノレ >アイテムでは妨害ができないだす
>もう無理…だから言ったのに〜〜〜><
>ご心配なく、解除魔法はありますよ。「リラックス」を使いますので、それまでの辛抱です>ALL
GM >まぁ、実は相手がSq魔法だけに、魔法対象に出来ないのですけど・・・ここは、掛ける対象1人に絞って発動可能としましょう。
翔真 >見ていて痛々しいので弓ちゃんを対称にしてくれる事を希望(笑)
>えー、この逆境が楽しいのに(嘘)
>燃えるらしい(笑)
アドノレ >逆境が萌える
翔真 >逆境楽しむのは解るけど翔真的には辛いそうです(笑)
翔真 >こちらも『剣』である事に変わりは無いから『ウェポンマスタリー』は機能するし『死点撃ち』には全く影響無い(笑)
>この場合、注意するのは後列ですよ。光は後列にしか攻撃できませんから…アドノレは、敵より先に行動を使いきらないように注意してくださいね。
アドノレ >了解
>それからアドっち〜、次R、行動ぶっちぎったら弓にハンドガンか青龍刀投げて(笑)
アドノレ >アイアイサー(青龍刀がくるくる回るかも)>弓
翔真 >ちなみに凛さんの『戦装束』も効果を失っているので気を付けてね(苦笑)
>おお!気がつかなかった・・・らじゃ!

「………甘い」それでも、翔真はニヤリと微笑み、いぶかしむ凛に答える。
「魔法関係の力を全て消す様な物だ。お前は気にしないでいつも通りやれば良い。」

「なるほどね!なら、ボクには関係ないや!」納得し、再び身構える。
だが、翔真はこうも付け加える
「回復魔法と援護魔法も来ない事を忘れるなよ」
そう、「ミスティ=フォッグ」は魔法すら無効化する…ゆえに、前衛陣の回復手段も封じられるのである。
「それは、今まで温存していたプラーナでカバーするよ!」
凛の答えに、「上等だ」と翔真は笑う。
「こちらの特殊能力にも問題ないです」
さらに、可憐の心強い一言。
あとの問題はただひとつ、弓の「右腕」であった…だが、ここで!
「その程度か・・・」くすり、と響が笑う。そして…

「The spirits of a departed person of great water Gather for my origin.
And make the breath of whether to be pure and the becoming water
and purify all vicious curses gathering in this ground.」

(大いなる水の精霊達よ。我が元に集まり、清らかなる水の息吹を作り出し、この地に集まった、すべての邪悪なる呪いを浄化せよ。)

力ある言葉により生み出された水が、いまだ苦悶する弓を包み込み…
「………………………再起動?…………」その時、ちらりと響を見ると…
「ボクの魔力ではこれで精一杯ですが・・・」と、一礼する響の姿がそこにはあった。
「…………………………システム再起動……スキャンフェイズ・スキップ………最終安全装置解放……」
右腕に蘇る力を感じつつ、唇の端でくす、と笑う。
「…………そう、ね……」

そして、弓を助け出したのと引き換えに魔力が払底した響は…
「さすがに、この呪文はきつい・・・一人が精一杯だよ・・・」と、膝をついていた。

だが、無茶をしていたのは響だけではなかった…
満身創痍、全身に杭を突き刺したままの【そら】が、
辛うじて立ち上がり…無謀にも前進を始めたのだ!!
「待て待て、中に入られたら魔法が届かん」アドノレの声を、彼女はまたしても無視。
歩く度に杭が身体から抜け落ち、血の衣をまとい地面に転がる。

>霧の中でも見えるかな?>そら
アドノレ >視界の邪魔にはなりません<霧

「そらちゃん!!!」もはや悲鳴となった凛の声を聞きながら、
そのまま、右腕で引き抜いた杭の1本を、闇鈴に投げ付けるが…
投げようとするその力自体に耐え切れず、腕は引きちぎれ…飛び散った。
その体勢が大きく崩れ、床に倒れ込む。そして、あらぬ方向に転がる、血塗れの杭…。

翔真 > なん…だと!?(驚)
>そら〜〜〜〜おとなしくリジェネレイトしとってくれ、頼むからっ(><)
翔真 > ホンマじゃ〜;;<大人しくリジェネレイト

「行くぞ、凛っ!」「この〜!!!」
【そら】の惨状を見て、早期決着をつけねばならないと判断した2人は、
光鈴に対する連携攻撃をなおも続行する。
「(重さの変化に気を付けなければ…。)」
ミスティ=フォッグの影響を逃れられない翔真の、やや大振りな攻撃こそかわされたものの…
結果的に、それを囮とした凛の連撃が…
「凛さん、爪で時間差攻撃を!」と、可憐のアドバイスにも助けられてスマッシュヒットする!

しかし…「これでも浅い!?」光鈴は傷つきながらも、なお健在であった。
そのタフさ加減に驚く凛に
「問題無い、奥の手の使い所を間違えた時点で相手は終わる」
そんな翔真の言葉を受けても、右腕のない【そら】の惨状に、凛の焦燥は募るばかり。

「なら、早く倒してそらちゃんを助けないと!」
「ああ、だから焦るな。相手の術中に嵌まらない様気をつけろ。」

悲鳴にも似た凛の言葉を、逆に言い含める翔真である。

その間にアドノレはプラーナで魔力を回復し、
可憐もまたしても払底したプラーナを、魔石U1をいまひとつ使用して補っていた。


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