【第5夜】
音界の支配者

〜綾瀬 響篇〜

<PART−08>



天使対決!?


さぁ、戦いだ…先手を取ったのは、翔真と凛。
「いっくぞ〜!」掛け声も勇ましく<獣爪>の連撃が、ついで翔真の【鋼】が唸りを上げる!
そのすべての攻撃は、まさに理想的な精度と威力とを兼ね備えたものだった。
ただひとつ、問題があるとすれば…【天使】たちに、それらの攻撃が全く通じなかったことだが。

「あれれ?会心の攻撃だと思ったのに、手応えがないよ!」
「チッ…面倒な相手の様だな…。」2人は、初めてこの時状況の深刻さに気づいた。
唯一魔法攻撃が出来るメンバー…響は、今ここにはいないのだ。

「うん、ボク達の能力じゃあ、結構厳しいよね」頷きつつ、凛。
そこに「さてさて、俺様では攻める手が無いがどうするか」と、アドノレが。
ついで弓が
「…………………………物理攻撃が通じないんじゃ…どうしようもない…」と呟く。

その間にも、【天使】達は空中に舞いつつ、歌を歌い始める。
空気を揺るがす残響を伴う、その歌声…それを聞きながら。

「……次善策を使うしかない、そっちは何とかしてくれよ。」
「ボクじゃあ、どうしようもないんだよう」半泣きになりながら、翔真に言い返す凛。

その時、【天使】達の歌声が残響となり、【そら】へ、そしてアドノレへと襲い掛かる。
瞬時、アドノレはアイパッチを開き…中の魔石が、鋭く輝く。
歌声の衝撃波は威力を減衰させつつも、呪錬制服の輝く暇も有らばこそ【そら】を直撃する。
しかし、彼女は…その身体に無数の打撃を浴びつつ、なおも踏みとどまる!

「お前の手に掛ける訳にもいかんだろうが」「うん。もう火傷はしたくないよ!」
苦笑する翔真に答えつつ、拳が火達磨になった時の事を思い出し首を横に振る凛に、
「貸しても構わんぞ」と、アドノレが青龍刀を差し出す。

「方法は・・・あります・・・」その時、【そら】が口を開いた。
「……凛の『フェニックスの羽』か?」聞き返す翔真には、静かに首を横に振る。
「…では何だ?」当然の疑念を口にする翔真、【そら】の真意が分からない。

「・・・・・!」

不意に、その瞳が強く輝き…同時に、その髪が緑の燐光を帯びる。
激しく靡く髪の先端から、無数の光の粒子が迸り…
【天使】どもとの間合いを取っていた弓の『右腕』、ブレード部に、
まるで磁石に引き寄せられる蹉跌のように徐々に付着。
それはブレード部分を更に変形させ…凄まじい光を放つ!

そして、その一撃は敵の虚を突いて直撃。
その間にも翔真は構えを作り、己の闘気を魔導力へと組み替えていた。
「ウツホカゼホトミズハニヨ…」

>爪に火を灯そうかな〜・・・熱いな〜イヤだな〜TT
アドノレ >これで貧乏仲間(違)<爪に火
>あの…エンチャントフレイムは対抗だから、凛の攻撃にあわせてかけてあげれるのでは…
翔真 >素手に掛ける事を躊躇しました(汗)
>火傷するのです(TT)
>勇気で補えっ><
>やけどの跡は残るもん(><)
アドノレ >青龍刀渡すなら動くんですが
>重くて持てないのです〜;;

持病の癪で動けない(爆)アドノレをよそに、仕切り直しを終えた翔真が、
今一度、手負いの敵1体に斬撃を掛ける。
斬り付けるその刹那、彼の刃は炎を宿し熱く燃え上がり…
そして、そのダメージは一同の予想通りの成果を上げていた。
炎を浴びながら、【天使】1体の動きが鈍る。
そこに…吸い込まれるようにして、弓の一撃がヒット。
その時、『発生原因不明』の光の奔流によって…哀れな【天使】は、頭頂部から一刀両断された!

>更に回る〜止まらない!
>ごじゅーよんてん・・・あ、さらにそらりんの愛で+5だし(笑)
翔真 >妹(そらりん)の力は無駄にしないらしい(笑)
>Gストーンが共鳴したですよ(笑)
>キングストーンでは無いらしい(笑)
GM >残らんっ!そげなもん喰らった日には…塵も残らんわっ!(笑)
翔真 >光になった様ですな。さぁどうぞ、例の台詞を(違)

「わお!弓ちゃんスゴッ」「女性陣が随分と景気いいみたいだが」
「……言っただろ、こちらの天使は美人揃いだから間に合っていると」
その凄まじいまでの威力…凛も翔真もアドノレも、そして弓自身すらも驚きを隠せない。
「………………………………………(予測値より大きい…なぜ?)…」
「―――――――――――――」
当の【そら】を振り返っても、彼女は穏やかに微笑むのみ。
その間にも、『右腕』のブラックボックスは、何か底知れぬ力を溢れ出させていた…
ともすれば、制御できなくなりそうなくらい巨大な力。
いつもならば伴うはずの凄まじい苦痛は欠片もなく、
それころか、普通以上に自然に動いていた…それが、弓にはなぜか理解できない。
その間にも、弓の『右腕』を離れた光は、
粒子となって再び【そら】の髪へとより合わさっていった。

「羽が黒いのは気のせいか」なおも質問するアドノレに、
「黒かろうが白かろうが美人さ、性格も結構可愛いのが揃っていると思うがな」

ニヤリと笑いつつ答える翔真…そんな2人のやりとりに苦笑しつつ、
「……………………そら、凛にもお願い。
…………私は、エンチャントフレイムをかけてもらえば…殴れる」

内心の疑念を今は隠し、【そら】に凛への支援を要請する。
「……威力が落ちるのは覚悟してくれよ…。」あくまで注釈を忘れない翔真に、
「……………………………問題ない………」あくまで、冷静に。
ばきぃんっ、と水晶弾を握り潰し、魔力を吸収…充填していく。

「―――わかって、ます…。」
一方、光り輝く【そら】の髪から分かたれた無数の光が、
今度は凛の拳に同化し…ひとまわり大きな、輝く拳となる!

「ありがと、そらちゃん!いっくぞ〜!!」
マンガチックに腕をぶんぶんと振り回しつつ、元気に応える凛。
だが、数瞬早く、残る2体の【天使】による歌声衝撃波が、弓とアドノレを襲う。
弓はこれをかわしたが、動きの取れないアドノレは見事に直撃を受ける。
倒れてもおかしくない程の大ダメージではあったが…
アドノレは、辛うじて踏みとどまった。

「アドっち!油断してるからだよ!大丈夫?」「確かにちと痛かったが。なんとでもなる」
一転、心配顔で覗き込む凛に言葉を返しつつ、傷口付近を叩くアドノレ…
その直後、『パキャ』っと嫌な音。そして…懐から零れ落ちる無数の破片。
それは…アドノレの命運を守った代償に砕けた、幸福の宝石の成れの果て。

「ぐぅっ。こ、これは財布が重傷ではないか!」

「輝けボクのシャイニングクロー!!!なんちって♪」
アドノレの嘆きもあらばこそ、その無事を確認した凛は…
いま1体の【天使】に、光り輝く拳と爪とを連続して叩き込む。
直撃を受けた【天使】は、防御する暇も有らばこそ…切り裂かれた部分から霧散していった。

「ん!手応えバッチリ♪」「―――――――――――――」
すっかり元気な凛に、穏やかな微笑を向ける【そら】。
これで、残る【天使】は1体…翔真の、不安定な体勢からのかなり大振りな一撃をかわし、
単身でもあの歌を歌おうと、再び体勢を整える…そこに、弓が飛び込む!

>ずぎゃーん、今日は調子がいい
翔真 >ガジェットフェザーでゴー(笑)
>こっちは最初の2撃がスカッたらツキが落ちたっぽい〜(笑)
>はっ!さては死にフラグ><!?
自爆装置内蔵?(ぉ<死にフラグ
>翔真くん、エンチャントフレイムよろ!
翔真 >了解(笑)

「……………………貫け…!」「ヤドレホノミタマ…」
弓の魔力水晶弾に、翔真の放った炎が混交した『炎の弾丸』!
…しかし、残り1体となった【天使】はその刹那、翼を展開。弾丸をほぼ防ぎきる!!

「………………………そろそろふつうの水晶弾では限界か…」

>クリット(^^;
GM >・・・1ダメージのみ(^−^;
>がーん><
>では、弓攻撃で気を取られている隙を!

「これで終わりだよ!」弓の射撃からの防御に気を取られたその隙を突き、
光り輝く凛の拳が、まともに【天使】の顔面を捉える…そして、戦いは終わった。

凛の拳から離れた光は、その輝きを失いつつも【そら】の髪へとより合わさる。
それは、先刻の弓の時とまったく同じであった。

>「よし!終わり〜♪」
アドノレ >「なんと回収可なのか。地球に優しい技だな」(しげしげとそらの髪を見る)
GM >【そら】の髪は例によって膝まで伸びていて、黒茶のつややかな輝きを放っている・・・。
>「また、力を貸してね(にっこり)」
そら >「―――これは…記憶に、戻ってきた…力―――エヴォリューション=ウェポン…(にこ)」
翔真 >「……(『進化した武器』だと…?)」
>「みんな怪我は無い?大丈夫?」
翔真 >「俺は問題無い、アドノレや弓ちゃんは大丈夫か?」
アドノレ >「俺様の財布が重傷だ」
>「実はボクの財布も重傷なんだよう〜」(笑)>アドノレ
アドノレ >「同志がいて心強い限りだ(笑)」
>「同類相憐れむ?(くすくす)」(笑)
アドノレ >「類は友を呼ぶ。これで凛も貧乏神のブラックリストに載るぞ」
>「絶対にそんなことないよ〜だ!(べ〜)」(笑)
>「………こちらは無傷……。」
そら >「―――――このくらい・・・なら、傷のうちには・・・はいり、ません(にこ)」
アドノレ >「いま治す」がしっとそらを引っつかんで雨乞いのポージング(コールレイン)…全快〜
翔真 >「……体制を整え直したら捜索を再開だな。」一応今のうちに周りを調べておきます。
>「あ、ボクも探してみよう〜なにか置いていったかな?(きょろきょろ)」
GM >OKOK、魔石はR2が3つだね〜。
>おー、けっこういい魔石だ
>もう1ランク上なら、イイ金額に(笑)
翔真 >「……もう良いなら…行くぞ。」
そら >「――――――。(こく)」
>「は〜い(箒出して乗り)…ほらほら、アドっちも出発するよん♪」
アドノレ >「ところで、分断は意図したものか偶然かどちらだと思う」
>「ん〜どうなんだろう?確かなのは早く響君を合流しないと危険てことだよ」
翔真 >「………一番高い魔導能力者を切り離した上で先程の敵だからな…俺個人としては意図したものだと考えるが…。」
>翼を広げながら「………………………………聞けば判るわ………ここのコアに…」
アドノレ >「もっともな回答だな(笑)」
そら >「ここの、エミュレイター…今までに、膨大な…プラーナを、吸って…いて―――より…力を、得ている…よう、です」
翔真 >「(嘆息)……厄介な事この上ないな…。」
>「響君の居場所、分からないかな〜・・・無駄だと思うけど一縷の望みをかけて(0-phoneぴぽぱ)」
GM >0−Phoneは通じないね・・・まぁ、月匣の中だけに仕方ないかな(^−^;
>「だめだ〜やっぱりかからない〜(涙目)」

ここで、GMは知覚力か幸運度、どちらか高い方でのジャッジを要請。
結果翔真がファンブル、成功したのはアドノレと凛だった。

アドノレ >「ん?」立ち止まってコツコツ叩いてみる
翔真 >「……どうした?」
>「?・・・アドっち、これって(隠し通路の入り口を指差して)」>アドノレ
アドノレ >「隠し通路だな。ちと気になるのでこっちを捜索せんか」
GM >アドノレと凛が示したところだけ、壁の色が微妙に違っているようだ・・・で、他の壁は強固そうなんだけど、この壁は・・・割れそうだね(笑)
翔真 >「……解った。」
>「(箒から飛び降りて)みんな〜ちょっと待って!これ見てよ!!」
そら >「―――――――――?」
>「…………………………………敵は上にいると思うんだけど…」
>「急がば廻れって言うから、もしかしたら直通の通路かもしれないよ」
そら >「まだ、油断は・・・できません。あの音は・・・鳴り続けて、います」
アドノレ >「そして響は下に落ちた。隠しておくだけの理由がなんかしらあると思いたいな」
>「………………………………………だといいけど……(ふぅ)…」
翔真 >「……一応、念の為さ(苦笑)」

翔真は、いちおうトラップを調べてみるものの、
これといったものは発見できず…ここで、一同は闘気構成を組み直す。
翔真は回避値、弓は命中値、凛は攻撃値と行動値、アドノレは行動値。
当たり前の事かもしれないが、戦闘になってから慌てて組み直すよりは、
予めこういう時に組んでおいた方が確実なのである。

そして一同は、隠し通路(?)を通って行く事になる…。

翔真 >先頭は……自分と凛…かな?
>どんな通路なんだろう?
GM >通路は・・・あくまでホテルの中という感じではあるのだけど、そこはやはり月匣・・・視覚的に上下がおかしかったりする(笑)
>滑り台並に傾斜がきついのかな? 可能なら箒に乗って行きたいです
GM >階段はあるんだけど、もちろん飛行は可能・・・なので、箒に乗るなり飛行能力があれば使用出来るよ〜。
翔真 >「……コアを見つけるのが速いか、響を見つけるのが速いか…どちらかな?(ニヤリ)」
>「みんな心の準備はOK?ボクが先に行くからね(箒に横座りでGO)」>みんな
翔真 >「ああ…気をつけろよ。」>凛
>「各個撃破される前に響君と合流しないと(眉顰め)」>翔君
>ばさばさー(笑)
アドノレ >ウォークオンザウォーターでも掛けておくか(これで落とし穴は翔真限定?)
翔真 >被害は少ない方が良いからな(苦笑)>アドノレ
GM >さて…その隠し通路は、全体的に天井が階段になっていて、床が天井になっているような、そんな感じだね。
>「わお!なんだか目が回りそうな光景(きょろきょろ)」
GM >ちなみに当然、壁に掛かっている絵もさかさまだし、花瓶に挿した花までもさかさま(笑)
アドノレ >「天井に張り付くスキルがあれば申し分ないのだが」
>「(想像中)・・・・・・アドっち〜それ、恐すぎだからボクはあまりお薦めしない(神妙な顔で)」(笑)
翔真 >「(……鏡じゃない……鏡じゃないんだ……(汗))」<上下がさかさま
>「翔君、大丈夫?ちょっと顔色悪いよ?(横に並んで顔を覗き込み)」>翔君
翔真 >「……大丈夫だ…大した事は無い…(苦笑)」>凛
そら >「視覚を・・・混乱させる、効果がある・・・だけで、通路としての・・・原理は・・・かわらない、です・・・。」
翔真 >「……よほど上に来て欲しくない様だな…。」>そら
>「視覚だけなら、目を瞑れば効果はないのかな?」>そら
>「……………やってみれば?……」
>「ボク、眼を瞑っても大丈夫なくらい感覚が鋭くないから、ぶつかっちゃうもん!(ぷぅ〜)」(笑)>弓
アドノレ >「本当に来て欲しくないなら、もっと直線を減らすだろうな。どっちかというと製作者のセンスかこけおどし程度ではないのか?」>翔真
翔真 >「……まだ、何とも言えんな…。」>アドノレ
そら >「むしろ、響さん・・・だけを、引き離した・・・事の方が、問題は・・・深刻、です」
>「…………………逆…なら……どうやら…上へ向かってるみたいね…」
>「じゃあ、あの綺麗な女の人のいる場所に向かっているんだね」


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