【第5夜】
音界の支配者
〜綾瀬 響篇〜
<PART−11>
仲間の絆よ、奇跡を呼べ!
戦いは続く…無限再生を続ける偽ルイセ達を前に、決定打を挙げられないウィザード達。
次なる一手を繰り出したのは…いちはやく行動していた凛である。
「わお!身体が軽くなった気がする〜♪」更に攻撃を続行する凛だったが、
今度は音波に遮られ、たいしてダメージを出せない。
「あまり調子よくないかも」「やはりそれは体を鍛えんることを薦めるぞ」
さっきの元気はどこへやら、しょげ返る凛に、アドノレがさりげなく一言。
「う〜でも、ムキムキは嫌だよ〜!!」
抗議する凛に、アドノレは何事かを想像しつつ呟く…「結構似合いそうな気がするのだが」
それをこっそり聞いていた翔真が、横目でアドノレに「背中を引っかかれたら傷が深くなりそうだな」
その小声を聞くや…アドノレは当然の疑問を口にする。
「そういう仲だったのか」「残念だが…まだだな」言いながら、翔真はダッシュする。
「うーん…もう一回!!」これに、凛も続き…攻撃を掛けるふたり。
だが、残る2人の偽ルイセを倒すには至らず、翔真を援護するアドノレのメルトアームズも通じない。
そう、偽ルイセ達は・・・殴られても斬られても、演奏を止めようとはしないのだ…
さながら、その演奏自体がいくつもの魔力を帯びているかのように。
「……今のでこの程度か……」苦笑しつつ間合いを取る翔真、そして仲間達を見て、
「あ・・・、もしかして・・・!」何事かを思いついたかのように、響が叫んだ。
「みんな!!人物の方をねらわずに、偽物が持っているヴァイオリンを狙ってみて!!!」
「バイオリンを……!?」翔真の返事を聞く余裕も有らばこそ、
響は既に倒れている偽ルイセのヴァイオリンにエア=カッターを放つ。
問題なく破壊されるヴァイオリン…だが、すぐに偽ルイセの再生が始まり、ヴァイオリンすら再生してしまう。
「そうそう簡単に事は運ばんよ!」「くそ!!ヴァイオリンじゃなかったのか!!」
『音界の支配者』の哄笑を前に舌打ちする響に、死の旋律が迫り…残り少ないプラーナを燃やして、
ダメージを何とか抑え込む。「この程度で、ボク達の演奏は止められませんよ。」
破壊音波に曝された響のスーツは、今や至る所ボロボロにされていた。
凛 >避けないのか(笑)
響 >今、演奏をやめると、クリスタルからの音色が調和できないから、さけるわけにはいかないんです・・・多少の動きなら何とか出来ますが。大きく動けないので
アドノレ >再生する時に直すなら、生きてる方の弦が切れるとどうするかな?
翔真 >……試してみるか。
アドノレ >攻撃でバイオリンを狙うと−修正はどの程度だろうか、それによるな
GM
>あ、そのあたりは演出でやっちゃってOK。でも、あのヴァイオリンはエミュレイターの一部(コピー)なので、その点だけは言及しておくね。
凛 >身体の一部になるのかな?
GM >そゆこと(笑)だから、さっき再生したとき一緒に復元したでせう〜
アドノレ >つまり弦狙いはあんまり関係ないわけか
続いて弓が、本体であろう後方の影を狙って撃つものの、目前の障壁によって乱反射されてしまい当たらず。
【そら】と翔真の攻撃もまったく通じず、『音界の支配者』の哄笑のみがただ響く。
「硬いな」「全くだ」「3人同時に攻撃されると、危険だよう!」
凛の叫びは、全員の共通する見解であった…せめて、3人による同時攻撃だけは避けねばならない。
その事を、凛は本能的に嗅ぎ付けていたのだ。
「障壁を、消すには…どうするか…」「………(コアでも有れば…そこを潰すと言う手段も有るが……)」
「再生の瞬間に影の奴も揺らぐ。その時に結界も揺らがないだろうか」
「再生の直後に障壁越えを狙うとかか……」【そら】とアドノレの会話に、翔真も答える。
「(偽物が復活するときに、影が一瞬小さくなってる・・・たぶんそこが鍵なんだけど・・・)」
その間にも…響は、敵を睨み据えつつ考え込んでいた。
「(考えろ・・・何かあるはず・・・障壁を消す鍵も・・・)」
「この〜いい加減にしろ〜!!」その間にも、凛がいま1人の偽ルイセを倒し…
「これで、どうだ〜!!」残るは、まだあと2人。それを見やりつつ、響は結論に至っていた。
「3人同時に倒すしかないみたいですね。再生時に障壁が一時的に解けるみたいです。
たぶん影が揺らぐのはこのためでしょう・・」
その間にも、アドノレが敵を射撃するが…鉛の弾丸は、音波障壁の前に虚しく阻まれる。
「誰か待機してください。たぶん、再生時と同じタイミングで、障壁を越えられます。」
「……遠距離攻撃能力の有る弓ちゃんだな。(奥の手も有るだろうし…)」
以心伝心、その言葉を待っていたと言わんばかりに、シューティングモードへと『右腕』を変形させる弓。
しかし、敵の行動は…素早いものだった。倒れた偽ルイセが、再び再生を遂げていく…
「こっの〜!!」これに割り込むように、爪で斬り付けた凛だが、やはり倒すには至らず。
死の旋律は、今度は翔真を捉えにかかるも…「……そうそう食らっていられるか…!」
プラーナを全開にし、当の翔真はこれをかわす…そして、「今度はキミ!」
と、その陰から飛び出した凛の第2撃が、偽ルイセ1人を沈黙させた。
「・・・時間は・・・限られて、います・・・あの2体を、倒さなければ・・・」「ああ。」
「みんな〜ここで、なんとか仕留めてね!!」2人の会話と凛の声を聞いて、
無言のまま、いつでも飛び込めるようにバーストジャンプを発動させるアドノレ。
「The spirits of a departed person of a wind According to my aria,
it becomes an angry dragon, and my enemy can be torn apart.」
(風の精霊たちよ、我が声に従い、怒れる龍となりて我が敵を切り裂け)
響のツイスターが唸りを上げ、その間にも…
「あちらに、いきます・・・」「………………………………………」
【そら】と弓は…まるで心が通い合ったかのように、それぞれの敵に向かって突撃を敢行する。
だが…偽ルイセは、響のツイスターによって発生した竜巻を、音波を使って更なる防壁に利用。
2人の攻撃をものともせず、なおも演奏を続ける…。
GM >そらりん、相手がファンブったのにファンブルとは…ダメ過ぎ(苦笑)
弓 >えぐっ、半分でも21あるのかよぉ><
凛 >くは〜
GM >弓ちゃん、相手出目11あったし(^−^;
「いい加減、引導渡してやる…(ここで外してなるかよ……!)」
そこに、飛び込んだのは翔真だった。【そら】と弓がこじ開けた防壁の破れ目から、一撃を放つ。
その瞬間、『鋼』は翔真の意思に応え…刹那、敵の『死点』が視えた!!
翔真 >クリティカル(苦笑)死点撃ち発動…ダメージもクリティカル。虐めか(苦笑)
凛 >いった〜!!
GM >なんて美味しいタイミングで!!(笑)
斜め上から袈裟斬りに、偽ルイセを両断する翔真。これで…残り、あと1人!
「(あと少しだよ!がんばれボクの身体!)」念じつつ、残るその1人に凛は飛び掛かり…これもまた打ち倒す!
「OK〜♪これで終わり!!」それは、一同が待ち望んだ瞬間。
「何度倒しても同じこと…何度でも再生してくれるわ」しかし、音界の支配者は余裕の姿勢である。
「貴方は倒れますよ。もうすぐね・・・」もはやプラーナも残っていない響だが、
それでもあえて答える…そして、『音界の支配者』は勝ち誇り語る。
「虚勢はよしたまえ・・・君達に、次の我等が攻撃を防ぎきる力は…ないとみた。我等の勝利だ。」
凛 >・・・・・露払い?(笑)
GM >敵は行動を起こすけど・・・それより早い手順のメンバー、申告どうぞ!!
アドノレ >爆音立ててジャンプ移動+影に青龍刀でアタック・・・武器交換に1行動懸かるっけか(^^;
凛 >月衣から出すのに1ターンかかりますね〜
GM >まぁ、月衣に入れず携帯するでしょうなアドノレなら(笑)
アドノレ >わかってらっしゃる(笑)
弓 >ごめん、行動を遅らせます(笑)私じゃ確実に殺せないから(><
凛 >いいのさ〜今回は響が主役だから(笑)
翔真 >響に決めさせてやりたいけど……一応突っ込みます。影を狙って攻撃したいです、弓ちゃんの射線は塞がない様にラッシング(笑)
GM >タイミングはどーします? これが結構重要(笑)
弓 >再生と同じタイミングで仕掛けるつもりです。いちおー
翔真 >弓ちゃんが攻撃する時に合わせます。だからこちらもカウントを落とします。
GM >あ、翔真・・・敵前衛は再生終わるから(^−^;
凛 >翔君は前衛にしか攻撃できない?
GM >後衛を攻撃できる魔法なり、特殊能力があれば可能かと・・・
翔真 >斬れんのか〜、弓ちゃんに託そう(苦笑)済みません^^;
凛 >超巨大武器ならTT
翔真 >必要性がひしひしと(苦笑)
弓 >ここは響、アナタが弓に指示を出してください。影か、バイオリンか、先生か。
凛 >いよいよ勝負の分かれ目ですな…これで失敗すると、きつい〜
そのまま『音界の支配者』は、3人のルイセを再生に掛かる…
「チャンスは一度…私はどこを狙えばいい?」
「影を狙ってください。曲を奏でているのは、あくまで器にすぎませんから…」
「…………わかった………………………」
その有様を見据えつつ、弓と響…そして、再生が終わったまさにその時。
・・・今までウィザード達と「音界の支配者」との間を阻んでいた音の障壁が・・・消えた!
「今だ〜!!!!」
弓が構えた魔導砲の照準は、不思議なほど簡単に、
【音界の支配者】が潜むルイセ先生の影を捉えた…だが、その時!
「あの『天使』との戦いを・・・思い出して・・・!」とっさに、【そら】が叫ぶ。
そう…彼らを、どうやって倒したのか…アドノレが、凛が思い出す!
「I worship and wish. Give and grant the music which sets their warning
free
and to which I play power by all the power that I and I have.
(翔真や、凛、みんなの戒めを解き放って〜!!)二度と曲が弾けなくなってもいいから!!」
その時…響が叫んだ。今を逃せば、勝機は…ない!!
「貴様の叫び。どれほどの意思か試してやる」
アドノレは、全身に力を込め、響の紡ぐ音に魔力を込める…
と、それは皆に影響を与える音を中和していく!
「(これは…行けるか?)凛っ、付与で弓ちゃんを援護!」「!!」
翔真の声に応えて凛が…床に転がる自身のウィザーズワンドをその手に捉え…
「不死鳥の羽、ボクに力を貸して!」
瞬間。不死鳥の羽は主の声に応え…宿りし炎の力が燃え上がる!
「今、裁きの炎を・・・破壊の右手に!」
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