【第6夜】
魔術師みちのくぶらり旅

〜葛葉 凛篇〜

<PART−10>



再戦!スケルタルドラゴン


さぁ、またまた戦いだ…相手は前衛に氷像2体、後衛にスケルタルドラゴンである。
ウィザード達はこのスケルタルドラゴンを破壊し、同じカウント内に動けるメンバーが、
『冬将軍』の本体である『王の秘宝』を抜き取らなければならない…果たして!

「………・Evolution…!!」【そら】が、髪をいっぱいに開き…凛の両拳を強化する。
「そらちゃん、ありがと!」凛の返事を聞き微笑むも…なぜか、その足元はおぼつかない。
しかし…それを気遣う余裕は、今のウィザード達にはなかった。

「まずは剥がさないと話にならんか…。」
翔真の言葉に弓が頷き、2人は同時に同じ氷像を攻撃…
そして、力任せの翔真の一撃と、急所を狙った弓の一撃が見事にマッチ、見事に氷像を破壊する。

「もう一体はボクが!!」エヴォリューション=ナックルの輝きを受けた凛の攻撃が次々とヒットし、
残るもう1体の氷像も、いともあっけなく崩れ落ちた。

「これで残るは、骨ドラゴン!」その言葉どおり、護衛を失ったスケルタルドラゴンが後には残されている。
「………………さて…………出てきたわね……………リサイクルゴミが…」「早めにご退場願おうか…。」

>屈辱の20(TT)みんな早すぎ!!
>52…なんかジェネレーターが暴走気味ですよ、先生ッ!?(爆)
翔真 >また発動したか……一応バトル前に反応あったしなぁ…^^;
>そうか〜そんなにボクの里のことを気にかけてくれていたんだね!(嬉し泣き):笑>弓
翔真 >カウント落として、弓ちゃんとランページ狙う事をあらかじめ宣言しておこう(笑)
>どうせなら凛ちゃんと同じまで下げたいけど…20なんだよね?(^^;
>うむ!(TT)

「……うっ…!?」その時、【そら】が呻いた…その髪が短い感覚で、緑色に明滅している。
そして…弓の『右腕』に秘められたブラックボックスは…またしても異常な出力値を叩き出していた。
その異常な出力にものをいわせ、
「…………………いいかげん………砕け散れ………!!!」
弓は、力いっぱい斬撃を仕掛け、再び離脱する…その陰からは、可憐の声を受けた翔真が!
「こうなると……正面から破るか…!」「ええ、一気に押し切ってください」
そして、離脱した弓は…スケルタルドラゴンの背後から、
「……………もう1発…………ッ!」と、『右腕』の零距離射撃!
翔真の一撃はまったく通じなかったものの…弓の一撃は、骨格構造による耐性を越えて、
確実にスケルタルドラゴンを傷付けていた。
「…………………………これで………準備は終わった…」

アドノレがタイミングを計りつつ、行動をずらしていく一方で…
「そこに当ててください!」「いっくぞ〜!!」
なおも叫ぶ可憐の声に導かれ、腕を勢い良くぶんぶんと振り回した凛…
「エヴォリューション=ナックル」の輝きが、スケルタルドラゴンを捉えていく。
「シャギャーッ!!」骨が軋むように、敵が吼える…

「手応えバッチリ!」喜ぶ凛だが、いまだ敵は健在…
「まだ倒せないよう〜!!」
その結果に、悲鳴を上げる凛だが、それもそのはず。
「………………まだ動いてる……仕留めきれてない……?」「……骨の癖にタフな奴だ…」
凛のエヴォリューション=ナックルは確かに通じていた…が!今回は、純粋に相手が巨大すぎるのだ!!

「さっきは、完全に防がれたけど、今回はどうかな??」
言うや、響は呪文を唱え始める…もちろん、彼の目下最大の奥義「ハリケーン」!
だが…スケルタルドラゴンの動きは、呪文の完成を待つほど遅くはなかった。
その翼が振動を発するや、周囲のダイヤモンドダストが浮かび上がり…そして、一面に激しく吹き荒れる!!

「わわわわわ〜!!あっぶな〜」凛が、可憐が、アドノレが、次々とダイヤモンドダストを回避していく。
避けきれぬと見た翔真は『大鋼』で受け止め…防ぎ抜き、ニヤリと微笑む。
「……この程度なら、まだ持つ」彼が受けた傷は、まだまだ浅い。

「………………………………拡散してるせいで、かえって避けやすい………」
「力が…でな、い…」その脇で、辛うじて避けきった【そら】が膝を突く…
そして、響は…
「響さん、受けてください」可憐の声に従って、やむなくプラーナで防御する。
「呪文が中断されちゃった…。」ぼろぼろに傷ついた響には、もう呪文を詠唱し続ける余力はなかった。

ダイヤモンドダストが吹き荒れた後、相対するスケルタルドラゴンの周囲には…
鋭く尖った氷の断片が、いくつも浮かび上がっている。さながら、防備を固めるかのように…
そこに、
「今です…弓さん、攻撃を!」可憐の声を受けた弓と翔真が斬り込む!!
「…………貫く…!」
「………………ブースター…これでラスト…ッ!!!!」

しかし…あろう事か、スケルタルドラゴンはなおも動き続けていた!!
フルパワーとはいえ、2人の攻撃は今度は正面から…そして、今度こそ奇跡は起きなかったのである。

「………………………私らしくないミス……………イライラする…………」
早期終結を焦ってか、ブースターのパワーセレクターを失念していた弓が、ぎりっと唇を噛む。
そう…最大の一撃を使い切った弓には、もはや戦闘継続能力は残されていなかったのだ。
「いや、俺が2回連続で弾かれているのが原因だ。済まん。」翔真がフォローを入れるものの、
「…………………五月蝿い………五月蝿いッ……関係ない……」

何かを振り払うように叫びつつ、弓はポケットから鎮静剤のアンプルを取り出して、自らにスプレー注射する。
その直後、反撃とばかり周囲の氷片が荒れ狂い…翔真は防ぎきり、弓は回避する。

「弓ちゃん、落ち着いて!」驚いた様子の凛が声を掛けるが、その時には既に、
弓は出会った頃の、剣呑な雰囲気で睨みつけるのみ。

「ゆ、弓ちゃん?ボク、なにか気に触ること言った?」驚き困惑して涙目となった凛に、アドノレは語る。
「補給が切れたとき、自分の武器が相手に通じない時。優秀な兵士でもくじけそうになる瞬間とゆうやつだ」と。
そして、そうしつつもアドノレは見切っていた…周囲の氷片は、先程の氷像が砕けた破片である…と。

「…………五月蝿い………………」「あうぅ〜…」
当然とも思える疑念を弓にいなされ、落ち込む凛…
だが混乱していたのは、他ならぬ弓当人であった。
「………………(……やはり駄目だ……彼らといると……制御できない。
……感情が………感情?……く……違う……そんなものは必要ない………
冷静に………いつもどおり……敵を殺す、殺す、ころす、ころす、ころすコロスコロス…)」

そして、その傍らで【そら】がひとり呟く。
「まだ…諦めては、いけない…わたしが、傍にいる…から」

そして、「ハリケーン」を諦めた響も、呪文を「ヘッシュ」に切り替え発動する。
「The spirits of a departed person of water are ordered.
According to my voice,it becomes clothes and his person can be protected.」
(水の精霊たちよ、我が声に従い、彼の者を護る衣となれ)

「手が空いてるなら氷片でも片付けるのもありだぞ」その脇で構えたまま攻撃を掛けない可憐に、アドノレが問う。
その問いに、
「氷片は片付けても、きりが無いような気がします」苦笑して返す可憐だが、
氷片へのチェックは逃さず…使い切りの武器である事には気付いていた。
そして、その時…半身を大きく傾ぎつつ、【そら】が叫ぶ。

「……Evolu…tion!!」
不安定化しつつも強く輝く緑色の髪。そして、その光は…弓へ!

>く、どうしよう、ロールプレイ的には抵抗したい(爆)とゆーか、私じゃなくて凛ちゃんに(TwT)
>え〜ここは、やはり拒否する弓が見たいから、弓にかけて欲しいな〜(笑)
翔真 >その気持ちは解ります(笑)やってしまっても自分はOKですが。
アドノレ >お好きにどうぞ〜
>ああ、みんな、そんなコト言われたらやっちゃうじゃないか(爆)…くう、キャラ的には言いたくないが!そらには悪いけど…拒否する(血の涙)

「………………五月蝿い………私に構うな………っ」
意に反して力を得ていく『右腕』に、そして【そら】に抗おうとする弓に、
「弓ちゃん…・なんで、そんなこと言うの?ボク達、友達でしょ?」
凛が、もはや泣きそうになりながらも叫ぶが、弓は…

「…私は………1人で………1人でいい…………っ」

>というわけで、強化人間によくある「私はみんなと馴れ合ったから弱くなった」シーンを展開します…

ああ、やっちまった(T^T)

>さすが…
翔真 >勇気有る行動に敬礼(漢泣)

弓の、すべてを拒絶する言葉を聴きつつも、
「今でもあなたは十分強いと思いますよ?」
「一人で生きる。大いに結構。だがいざという時の盾は多いほど良いぞ」
「一人では出来ることに限りがありますが、人が集まると出来ることは無限にありますよ」
「…………………………………五月蝿い…と……言った……!」

仲間たちの言葉をも拒絶する弓を見ながらも、もう今は存在しない学校の制服を纏った少女は…

「…それでも…わたしは…!!」

「わたしは…あなたを、死なせない…それが…わたしの、誓い…だから…っ!」

ふたつの「意思」のぶつかり合い…競り勝ったのは【そら】の意思だった。
意に反してエヴォリューションされた『右腕』を見る弓に、アドノレが語る。

「大体敵が強いからといって、相手に抗議する奴はいまい。
それと同様に、味方が気に喰わんからといって抗議するのは甘えでしかないわ」

「………………………そんなこと、言われるまでもない……………。
……………私の任務は………見敵必殺……それだけ……」

弓の返答に、とりあえず頷くアドノレ…だが、凛と翔真へ眼差しを送りつつ、弓への一言は忘れない。

「判っておるではないか。自分の手が通じんからと言って投げるには早すぎる。
攻撃の通る味方の露払いが残っておる」

「…………………そうね……利用するわ……。………………ワタシはエミュレイターをコロセれば、それでいいの……」
「………」
2人のやりとりに、苦笑を禁じえない翔真…そして、その時!
凛が、可憐の「シャドーブレード」に力を得つつも、スケルタルドラゴンへと殴りかかる!
さながら、やりきれない感情を叩きつけるかのように…

「弓ちゃんの、わからずや〜!!!」

凛のその連撃で…スケルタルドラゴンが、大きく後退する!
その全身は大きくひび割れ…それでもなお、抵抗しようと試みる…その目標は【そら】!!

「この〜!!さっさと倒れろ〜!!!」涙目で睨みつつ、その動きを見送るしかない凛…だが!

「そらさん、危ない…!」「………!」可憐の声を受けた瞬間、【そら】の呪錬制服が輝いた。
その瞬間、力を得た【そら】の右腕が、繰り出された攻撃を逆に捻り、左腕がその衝撃を下へと散らす。
その衝撃は、氷の床に無数の亀裂を入れた。

「いい加減一撃くらい入れんとな…。」自嘲気味に翔真が呟く…彼は、この時既に勝利の鍵を掴んでいたのである。
「ツドエ、ホノミタマ…!」…そう、「エンチャントフレイム」!!
魔法の炎を纏った『大鋼』を手に、青年は疾る…そして、プロメテウスの松明がごとく燃え盛る鉄塊が、
スケルタルドラゴンを真っ向から両断し…破砕された骨格が、末端から塵と化していく!!
…『大鋼』をひと振りして炎を拭き取り、肩に構え直し…翔真はひとつ、呟く。

「真っ向、唐竹割り…なんてな」

GM >そして、その頭部から…輝く球体が転がり出る!!
>「あれだね!!」
可憐 >「ええ、核です。 あれを何とかしないとまた同じことになります」>ALL
ピョートル >「急いで、その球体をこっちへ…!!」
GM >次の順番は…【そら】かぁ。では彼女が球体を確保した…が、その直後には弓が!!
>じゃあ、それに狙い定めてます(爆)今にも引き金を引きそうなカンジで。誰か止めてぷりーづ(爆)
>止めにはいるよ〜
>響がとめに入る寸前!射撃しようとするー…
>弓さんの射線に、立ちふさがろう。この際だ。打たれていいや
アドノレ >「やめんか。」弓を止める
>けど!そらが射線にはいってるのー(笑)
>「弓ちゃん、だめー!!!(怒&身を盾にして立ちふさがり)」
可憐 >スリッパでもあれば叩くのに(笑)
>で、弓は撃とうとするんだけど…なぜか撃てない(爆)
>そんなに凛の事を(ほろり:笑)
>響や凛だと撃ってるかもよ(爆)
>どうぞ〜(笑)
>むげえ(笑)
>で、いらただしげな表情で、憮然としながら腕を下ろして、元に戻すの(笑)「………………………さっさと…………封印すれば…………………」
そら >そのまま、ピョートルさんのところまで歩いていって…球体を手渡します。

ピョートルは、【そら】から球体を受け取ると、懐から聖像を取り出し、祈る…
すると、周囲の吹雪がたちどころにその勢いを失い…気が付けば、波打ち際に一同は立っていた。
…そこにあるのは、ただ穏やかな春の月。
そこここに残る雪だけが、その場で起きていた出来事を物語る。

アドノレ >ざざ〜ん♪<波打ち際
翔真 >(大鋼を仕舞う)「……ようやく解決か。」
>「ふぅ〜・・・・終わったね(安堵でも、寂しそうな表情で弓を見て)」>翔君
翔真 >「(視線を追って)……少し、そっとしておいてやれ。」>凛
>「う、うん・・・・・(ちらちらと弓を上目使いで見ながら)」>翔君
>「終わりだと良いけど・・・」
可憐 >「これで終わりですか?」>ピョートルさん
ピョートル >「うん。【冬将軍】は・・・あるべき場所に帰ったよ。」>可憐
アドノレ >「帰りは一瞬とはまたえらく使い勝手の良い兵器だな」
ピョートル >「この聖像は、マトリョーシカでもあって・・・もともと【冬将軍】の本体を封じていたのさ。」>アドノレ
可憐 >(一人ごとで)「エミュレイターの活発化が予想以上に早いですね。彼女に聞いてみましょう」
>「………………………………………任務完了……………帰還する…………(ぼそ、ぷいっ)」
そら >「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」その場で、おもむろに昏倒。
翔真 >「そら…!?」
>「そらちゃん!(駆け寄り)」
そら >返事はできません・・・ただ、力を失って人形のように、無造作にあるだけです。
>「あ、大丈夫?」あわてて駆け寄ります。ただ、ボクもズタボロだけどね(笑)>そらさん
ピョートル >「あれ、どうしたの・・・一体何が??」
>「(まさか・・・ね)」
アドノレ >地に付く前に捕まえる「命に別状は無い。栄養と休息がたらんのだろう…いつもの(レインコール)やるから集まるがよい」
可憐 >(独り言で)「このままでは、横須賀…しいては世界結界の存続すら危ぶまれますね…」
アドノレ >そらを抱えてのヒーリングはソシアルダンスの一場面のようだったと追記
可憐 >しゃるうぃだんす(笑)<ソシアルダンス
>そらを抱えたアドっちを一瞥して…飛び去りたいなー(笑)GMあんど皆さん…弓ちゃん、このまま直帰させてよい?(^^;
アドノレ >どうぞ
可憐 >私は良いと思います
>いいとおもうよ
翔真 >PLは止めたいが翔真は止めないです。弓ちゃんの温泉&浴衣が凄まじく心残りか(爆)
>では、申し訳ないけど、直帰します…いろいろとわだかまりを胸に抱えて…
>「あっ・・・・・・(呼び止めようとして手を上げかけて止め)」>弓


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