【第7夜】
亡魔の大剣
〜相羽 翔真篇〜
<PART−07>
響きあう魔剣たち
戦いは、なおも続いていた…
「ハァハァ・・翔君、弓ちゃん頑張れ!あとハァハァ、あと少しだよ!」「……まだ、まだだ。」
『アズラエル』の猛攻を前にプラーナも残り少なくなった2人だが、その闘志はいまだ衰えを見せない。
そして、その『アズラエル』はといえば…翔真に受けた手傷に流血しつつも、なお微笑んでいる。
「なかなかやるね・・・じゃ、お返しといこうか」…そして、強敵は動いた!
その刹那…何故かは解らないが、弓は翔真に呼びかけていた。
「…………………………翔真…耐えて…」
翔真 >…弓ちゃんの応援が来た…!(笑)
またしても、打ち合う『黒鋼』と『大鋼』。
最後のプラーナを使い切り、辛うじて受け通した翔真の懐から、
砕け散った幸福の宝石の破片が散らばり落ちていった…と、その時。
「何!?」「・・・・・・どうしたんだろう、『黒鋼』・・・これは・・・?」
翔真とアズラエル、ふたりの意識に不思議なビジョンが浮かんだのだ!!
そして、翔真の脳裏に…風紗雌からの言葉が思い出される…
そう、この戦いを前にしたあの時の、あの言葉が!!!
“白と黒、ひとつとなる時、そはおおいなる鍵のひとつとならん”
見る間に翔真の「大鋼」と、アズラエルの「黒鋼」が、鋭い音と共に共鳴し始め…
そして、ふた振りの魔剣の周囲には…染みを広げたような、異様な空間が広がり始めている!
「わっ!!なに?なに?なにが起こってるの!?翔君〜!!!」
「………………………………月匣が………いえ………門が……ひらく…?」
「(やはり、同じ刀工の手による姉妹刃・・・もしくは影刃だな・・・しかし・・・いったい何を司っているんだ・・・??)」
「(これが、そうなのか?それともこれは……先触れなのか!?)」
狼狽する一同…『アズラエル』すらも一瞬の困惑を免れなかった。
その間に、翔真が『大鋼』に意識を傾ける…さながら、共鳴現象の反応そのものを探るように。
「大鋼……黒鋼を救う一歩になるのかもしれないのなら、力を、貸してくれ…。」
すると・・・ふたつの刃は、さながら音叉の様に共鳴を強める。もはやその音が、周囲に伝わるほど・・・
そして、翔真は確信する。この2つの刃が打ち合い続けることこそ、
風紗雌の言葉を実現させるカギである、と!
確信した翔真は、「行くぞ、大鋼…。」と、『アズラエル』…いや、『黒鋼』に向かって再度斬り込む。
共鳴現象に困惑する『アズラエル』だったが、翔真の明らか過ぎる気を感じたか、
瞬時に身をずらして回避を果たしていた。
「・・・っと。まやかしに気をとられてる場合じゃないよね・・・」「くっ…。」
入れ替わりに、すっかり数を減らされた「戦士」たちが翔真、弓、凛へと一斉に攻撃を掛ける。
3人はこれをかわし、あるいはしのぎ…そして、凛が逆撃を掛ける!
「この〜!!」凛の爪が一閃、また一閃し・・・その後に残るは、ただ敵だったものの肉片のみ。
これで、『アズラエル』と影達への血路は開かれた!!
凛 >バリバリガブガブ〜露払い役(笑)
凛が開いた血路を、低空飛行の弓が駆け抜け、そして…
「………………………………これが…見切れて?」
ブレードモードとした『右腕』が、『アズラエル』に繰り出される。
「わぉ!二人の動き、速すぎて目で追えない!」
驚愕する凛…弓と『アズラエル』、共に幻想を踊るふたりの強化人間の動きは、
既に常人の理解を超越していた…!!
「なかなか・・・だったね。」辛くもかわしきった『アズラエル』…その状況に、弓がくすっと笑う。
「……………………………かかった………」
「(見事と言うしかないな……ここらへんの駆け引きは毎回…)」心の中で苦笑しつつ、翔真。
その間に、翼ある影が『タンブリング・ダウン』を、
フード姿が『ディストーション・ブラスト』を掛けようとするものの、
「効かんな」アドノレによって、悉く消されていた。
「The spirits of a departed person of water According to my aria,
it becomes whether to be pure and the becoming flow,
and an impure crack can be cured.」
(水の精霊たちよ、我が声に従い、清き流れとなりて、彼の者の傷を治せ)
響の呪文が流れ、アドノレのオーラが生命の雨を呼ぶ。
「響君、アドっち、サンキュ〜!」2人の回復魔法で一気にダメージを回復した凛、
そして「(もう一撃、耐えられるかどうかか…)」いまだ傷の残る身体をみる翔真。
「じゃ、返礼といこうかな・・・」
『アズラエル』が『黒鋼』を振るい、弓の着衣と柔肌を深々と切り刻む。
身体の随所から鮮血が噴き出すも…しかしながら、弓は艶然と微笑んでいた。
「……………………キモチイイ……ふふふ…血が流れて…服を濡らす…この熱いカンジ……」
その弓に、微笑んだアズラエル…まるで、予想していたとでも言わんばかりに。
「へぇ・・・そういう事か。なら、『あの娘』みたいにされても・・・いいって事だね」
「………………そうね、それも楽しいかもしれない……
……でも……それよりも………貴方を切り刻んだ方が、楽しめそう…」
その場とは場違いな2人の微笑み、漂うはただ血の香り…
「こやつらの血の匂いは嗅ぎ飽きた。もうそろそろ違う匂いを期待しても罰はあたるまい」
そこに、翔真が再度『大鋼』で斬り込むも…大振りであるが故に簡単に読まれ、三度回避される。
「だから・・・無駄だと言うのに」嘲笑するかのような『アズラエル』を前に、焦りを隠せない翔真。
「(くっ…憎しみで剣を振るっては力を貸さないとでも言うつもりか?大鋼…。)」
弓 >せっかく幻想を削ってあげたのにー(TwT
翔真 >面目無い(↓)
その間に、敵の影たちも魔法を唱え始める…
フード姿は『ヴォーティカルショット』、翼ある影は『ヴォーテックス』。
これに対抗できる行動力が残っているのは…この時点では弓と凛のみ!
凛 >さて、どっちを落とすか・・・どれを攻撃します?>弓
弓 >このラウンド攻撃しても、敵の魔法の効果が残ってるから…魔石U2をぱくぱく(爆)
アドノレ >うむうむ(笑)
弓 >対抗で動体視力は使っておきます。魔石使うときも、油断なく敵を目で補足してるってことで(爆)
翔真 >目をらんらんと輝かせながら魔石をパクっと(違)
アドノレ >野良猫が人を警戒しながら餌を咥えるように
凛 >ぎゃふ〜!!ん〜攻撃振り分けて、両方落とす!
凛は、瞬時に影達の懐へと飛び込み、すれ違いざまに一撃を浴びせていく。
翼ある影はその衝撃に耐え切れず両断され、『ヴォーテックス』は発動しなかった…が!
「くぅ〜ちょっと浅かった!」
倒しきれなかったフード姿の放った『ヴォーティカルショット』が弓に迫る!
凛 >倒しきれなかったか〜!!
翔真 >ダークバリア張るには魔導力が足らん〜避けて〜(汗)>弓さん
弓 >…当たらなければどうといことはない!
弓はあっさりとかわし、そして…仕切り直しとなる。先手を取ったのは…やはり『アズラエル』。
「これで、終わりにしようかな・・・?」と、『黒鋼』をまたも一閃!
その剣風が凛に、弓に、そして翔真に殺到する!
「”心せよ”だったな、師匠…。」静かに息を吐きながら、『大鋼』で受けを試みる翔真…
翔真 >またもやファンブル…(汗)先に言っておくぞー!アドノレ様、奇跡は要らないー!!>アドノレ
アドノレ >をぉっ!?<奇跡は要らない
弓 >さすがです、翔真せんせー(爆)
「やばい!やばい!やばい!…きゃうん!」
「…………………………ああああああっ……!!!」
衝撃波が翔真をなぎ倒した…かに見えたその時!
そのインパクト・ポイントを中心に…巨大な空間の歪が口を開く!!
凄まじい衝撃、何度も明滅する視界…あらゆる混乱という混乱が、その空間内で繰り広げられ・・・
その場にいたすべての者達を、飲み込んでいく…
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