【第7夜】
亡魔の大剣

〜相羽 翔真篇〜

<PART−11>



2本の魔剣、決着の刻


「あうぅ!」凛が、シールドで防ぎながらも悲鳴を上げる。
アズラエル・改による、シュールな血肉の嵐…前衛陣はうまくかわし、
あるいは響の「ヘッシュ」のおかげで、どうにか防ぎぬくが、
可憐と響は不意打ちを受け、傷付けられていた。

肉と骨のオールレンジ攻撃…なんともシュールな光景ではあったが、
どうにかその攻撃はひと段落付いた様子である。

「気持ち悪いよ〜!!」悲鳴にも似た叫びと共に、凛はその肉片を着実に撃ち落していく。
その活躍ぶりに、ニヤリと笑いつつ…
「ハンバーグの悪夢は克服したようだな」と、アドノレ。
そして、その瞬間…

「うわ〜ん!!ハンバーグが〜ハンバーグが〜!」
…凛が泣きべそをかいた事は、今更書くまでもない…かもしれない。

「………………………………ふふふふ……ステキな光景…………でも、そろそろ飽きた……」
弓のふるう「右腕」が再び二条の閃光を放ち、いくつもの肉片・骨片を
灰色の光の中に消し去る・・・が、なおもまだ肉体の欠片が飛び回り、
そして足元では・・・死体軍団の再生が続いている!

「…………………………やっぱりね……きりがない……。本体を………………」
ちらり、弓は翔真に視線を送る。その視界内では…
「う〜〜もう、イヤだよう〜」…凛が、えぐえぐと目に涙を浮かべ,
「ワインは神の血、パンは神の肉。全能なる主はすぷらったの存在を知らなかったらしいな」
…アドノレが、うむうむと頷いていた。

この時、翔真は…意を決し、『病津鋼』を直接攻撃に出た…だが!
「……!?」
『病津鋼』と『大鋼』が接触した瞬間、翔真の周囲が閃光に包まれ、
そして・・・翔真はひとり、別の空間に飛ばされていた。

閃光が晴れれば、そこには…もう、何もいなかった。
「!!」「あれ!?翔君?」アズラエル・改の飛び回る肉片に辟易させられる一同。

「どうやら、翔真さんと切り離されたみたいですね・・・。」心配げに響が言葉を繰り出せば、
「VIPルームへ案内されたようだな」「決着を付けるみたいですね」
と返す仲間達。
「うん・・・翔君なら、きっと大丈夫だよね!」
凛が、不安を振り払うように力強く頷く。
「他人の心配より先に自分の仕事を終わらすがいい」
「ここから先は、持久戦になりそうです。体力に気をつけてください」
ドノレが、響が、一同全員に呼び掛ける…
「……………………………………面倒な……」
弓はその間にも、
呟きながら、またひとつ…死体を撃破していた。

そして、目の前の病津鋼の輝きは、これまでになく・・・灰色に輝いていた!!
「……………………約束…………。………………私が…………殺す………………」
その輝きを目前に、弓はかちゃ…とカートリッジを交換、静かに構える。
いつでも、目の前の大剣へと切りかかれる体勢で。

一方、翔真は…ひとり、見慣れぬ場所に迷い込んでいた。
場所は広間らしきところ。周囲にはスモークブラックのクリスタルが張られていて、
その向こうで仲間達が、アズラエル・改と戦いを続けている。

更に・・・翔真の目の前には『黒鋼』を携えた、他ならぬ翔真の姿があった!

「やっと・・・来た様だな」
「……同じ顔の人間が世界には3人居るとか言う奴か…」
翔真は、目の前の『彼自身』に対して、『大鋼』を構える。
「待っててもらった様で悪いが長々と付き合うつもりは無い……決着をつけてやる。」

「まぁ慌てるな・・・次のひと太刀で勝負を付けようじゃないか。
お前と俺、どちらが真の『相羽 翔真』になるか…勝負だ。」

『黒鋼』を構えたもうひとりの翔真の言葉に、口許を歪める翔真。
「…………………(俺なんぞになりたがる馬鹿が居るとは…な。)」

しかし、この翔真’が翔真になるという事は・・・エミュレイター「病津鋼」が、
その力を振るうに相応しい肉体を得るという事。
そして、それは断固阻止しなければならないのだ・・・!
そして、表の『殺界』では…アズラエル・改の肉片攻撃がなおも続いていた。

「…………………………もう、見飽きた…………」そんな弓を筆頭に回避、防御していく一行。

>HPはまだ、なんとかなる!
翔真 >響、まだ動けるか…!?(汗)
>一度はしのげるかな…?
アドノレ >後列が深刻ならレインだが?
>やばいのは、ボクだけですから(笑)

その間に、度重なる攻撃にひどく傷付けられた響が、
キュア・ウォーターで自身の回復を図っていた。

「The spirits of a departed person of water According to my aria,
it becomes whether to be pure and the becoming flow,
and an impure crack can be cured.」
(水の精霊たちよ、我が声に従い、清き流れとなりて、彼の者の傷を治せ)

そんな響の行動を見届け、アドノレが今一度動く。
周囲を飛び回る肉片をいくつか受け止め、あっさりと握りつぶす…そこには、消し炭が残るのみ。
そして、その間に可憐の「ヘッシュ」が発動。これで可憐自身と響の防備も調った。
そして、ダメ押しとばかりに弓が、向かってくる死体軍団の中へ飛び込んでいく。
いくつかの閃光の後、吹き飛ばされる骸どもの断片…その数、40ほど。
無論、弓には傷ひとつないが、返り血でその身は赤黒く染め上げられていた。

「止めだよ!」大幅に数を減じた肉片に、凛が挑みかかり・・・そして、すべてを撃墜する。
だが、まだまだ再生は続いている…やはり真の勝負は・・・翔真次第なのか!?

その翔真は…『大鋼』を振りかぶる。すると…ジェットブーツの力を受け、
その身が高く舞い上がる。どこまでも、高く。
同じく、『黒鋼』の翔真も空中に舞い上がり、まったく同じタイミングで、
互いの刃を振り下ろし…そして、互いに剣を構えた姿勢のまま、離れた大地に降り立つ。

数瞬の時…振り向く2人。
翔真の方から鮮血が噴き出し…『黒鋼』の翔真が、ニヤリと微笑む…

…その瞬、『黒鋼』の翔真が口を開いた。
「どうやら、お前の勝ちの・・・ようだ・・・」
その身体は、翔真が受けた傷と同じ場所…いや、もっと深い場所から、徐々に崩壊を始める。
互いに斬り結んだ刹那、僅かに早かった翔真の一撃が、
『黒鋼』の翔真の死点を、見事なまでに撃ち据えていたのである。

そして、完全に砕け散った『黒鋼』の翔真の声が、翔真の周囲の空間に響き渡る。
「だが・・・このままでは済まさん。この世に邪念がある限り・・・俺は必ず蘇る・・・!」
それを最後に、周囲の空間が砕け散っていく…そのさなか、翔真は呟いた。
「……何度でも、倒してやる。何度蘇ろうともな…。」

GM >そして…殺界にいる皆の目の前で、天地を貫いていた「亡魔の大剣」が、ガラスのように音を立てて・・・「割れた」!!
>「どうやら無事に終わったみたいかな??」
可憐 >「終わりみたいですね」
GM >周囲の死体どもも・・・大剣が砕けるとともに形を失い・・・塵へと還っていく。
アドノレ >「灰は灰に、塵は塵に」
GM >そして・・・大剣の砕け散った場所には、1人の人影が・・・!
>「…………………………………………(構えてる)」
可憐 >「翔真さんですか?」こちらも、構えます。
GM >そして翔真・・・背後に、皆の声が聞こえるね。
翔真 >振りかえります。
GM >振り返れば、そこには仲間達・・・弓、響、アドノレ、可憐、そして・・・凛の姿。
翔真 >「・……………………」皆の姿を見て、周囲の死者の群れも消えたのを確認。
>「翔君おかえ・・・・・り?」>翔君<「翔君・・・だよ、ね?(ちょっと不安顔)」
>自然体で立っています。
アドノレ >のーがーど
GM >・・・・・・永遠にも等しいような、沈黙の時間。その末に・・・
翔真 >「……ただいま。」(微笑)
GM >その瞬間・・・月匣の壁が砕け散り、そして・・・元の世界に戻る。
翔真 >「介錯の手間は掛けずに済んだ様だ(唇の端を上げる)」>アドノレ&弓
可憐 >「どうやら、本物の翔真さんみたいですね」
>「……………………………………………(腕を戻して翼をしまう)」
>「翔君!!!(駆け寄り)」
アドノレ >「事後報告は帰ってからか?」
>「おかえりなさ〜い!(嬉&完全獣化解いて首に抱きつき)」(笑)
翔真 > 待て!服は!?(滝汗)
>おお!忘れてた(笑)
翔真 >「そうした方が良さそうだが……っ!」(凛ちゃん直撃:笑)>アドノレ
GM >しらんわーっ(笑)
翔真 >「まままま待てっ!凛っ、落ち付け!自分の状況を把握しろっ!(滝汗)」>凛
>「あれ?・・・・・・・うきゃ〜!!見ちゃダメ〜!!(///&部屋の隅に猛ダッシュして着替え)」
GM >まずは落ち着くんだ、第一ここは部屋じゃないぞ凛ちゃん!!(笑)
>とにかく隅で戦装束を月衣から出して着てます(笑)
>「……………………………………………馬鹿?…」
翔真 >「(//)…………全く。」(嘆息)
>「お帰りなさい。」>翔真さん
>「……………………………こっちも、終わったわ………………」
翔真 >「あぁ、世話を掛けた……(苦笑)」>弓
アドノレ >「閉じられた世界は崩壊し、束縛されし魂は解放された。俺様の出番もここまでだな」月光の元レインコールで血のりを洗い流す
可憐 >(ポツリと)「翔真さんの件は終わりましたが、これから本格的にエミュレーターが攻めて来ますわね。」
翔真 >(周囲を見まわして)「……アズラエルは?」>ALL
GM >アズラエル、黒鋼、ともに・・・そこには「存在していない」。あるのは横転したトレーラー、クリーチャーどもも片がつき、静かな月夜・・・。
翔真 >「(縦、一文字切り……出来たぜ、師匠……。)」
>まっこーからたけわりぃ〜(なつかしい

実はこの時、翔真の『大鋼』に、とある変化がおきているのだが…
彼が、この事に気づく事はなかった。

翔真 >凛ちゃんの一件で意識がそっちに(苦笑)…とにかく大鋼しまいますね、帰ったら師匠に報告がてら教えてもらおう(苦笑)
>「(着替え終わって)えぐえぐ・・・乙女の裸、見られちゃった(///&涙目でとことこ)」(笑)
翔真 >「あー…………済まん(汗)」>凛
>「それにしても・・・。ボクたちの力を見極めようとされているような気がするのは気のせいかなぁ・・・」
可憐 >「多分それは的を得てますわ。ともあれ、これからさらに忙しくなりますわね」
>「やっぱり・・・。何とか敵の情報を探れないかな??少なくとも、こちらの世界に出てる部分ぐらいは・・・」
可憐 >「敵の目的は判っていますわ。ですがあとの事は解かりませんわね…アンゼロットさまなら解かるかもしれませんが」
>「ちょっと手を回してみてもらえるかな??。ボクも手がかり探ってみるから。」
可憐 >「構いませんよ」
>「お願いします」
>「……ふふふ…………なかなか、今回は…………楽しめたわ………。……すこし、中途半端だけど……(上気した頬で艶然と微笑)」
翔真 >「……これでこっちはそちらの出した条件を満たせたのか?」>弓
>「……………………………ええ…概ね」>翔真
GM >と、そこに・・・クリーチャーたちの掃討を終えたエージェントたちが集まってくるね。いずれも手傷を受けているようだけど、欠員はとりあえず出ていないようだ。
>「………………これで契約は終了……………帰るわ……………。……なにかあれば、社に………(ばさっ)」
翔真 >「あぁ……有り難う、助かった。」(フッ)>弓
アドノレ >「ではさらばだな」>弓
>「あうぅ〜ばいばい、弓ちゃん(えぐえぐ&手をふりふり)」>弓
>「………………………………足りない、な………。……コレを提出したら…………花音とでも遊ぼうかな………(くす、くすくすくす)…」そのまま宵闇にまぎれるように消えていくあるよ〜(笑)

そして、現場では…

エージェント >「とりあえず、こちらも終わりました・・・トレーラーが使えなくなりましたが、代車は既に頼んであります・・・(困惑気味に凛の逃亡した方角を見つつ)」
アドノレ >「とりあえず玉大人にクレーンなりレッカーなりの手配を頼むとするぞ」突如気配が入れ替わるアドノレであった
エージェント >「いちおう、外部には事故という事で処理しておきました」>アドノレ
アドノレ >「まぁその辺は本職に任せる。襲撃さえなければ後はたんなる肉体労働だ」
エージェント >「了解しました・・・」
アドノレ >「(どうも記憶が途切れるたびに、妙な力が湧きあがるのだが…)」
翔真 >(ポンと頭の上に手を置いて)「………飯奢ってやるから…泣き止め。」(苦笑)>凛
>「うぅ〜翔君、ありがとう〜ボク、フランス料理食べたい(涙ごしごし&///見詰め)」(笑)>翔君
GM >今の時間では、フランス料理の店は閉まってるだろうね(笑)まぁ、「エトワール」なら開いているだろうけど(笑)>翔真&凛
翔真 >「…………善処しよう……(嘆息)」後日料理の本買って自作で挑戦しますか(笑)>凛
アドノレ >「W」に席を予約してやろうか(笑)>翔真&凛
>素直に後日、フランス料理のレストランにいけば?(笑)ホテルのレストランに予約を入れて、ついでにお泊りしておいで( ̄ー ̄)

アドノレ >『いらっしゃいませ(バイトちうアドノレ)』<ホテルのレストラン
翔真 >金が無い(笑)
>「わ〜い!(嬉)」>翔君<「・・・・・・・・・ボクの裸、見た?(///&上目使いに)」
翔真 >「………見てないと言っても信用しないだろう?(苦笑)」
>「・・・・・・・・うん(頷き)・・・・・うきゅ〜(///)」(笑)
翔真 >「……………今度昔話を一つ聞かせてやる、それで勘弁してくれ。」
>「昔話?・・・ん〜じゃあ、ご馳走してくれるときがいいな♪(顔上げて)」
翔真 >「……………解った。」頭撫で×2
>「えへへへ〜楽しみ楽しみ♪(機嫌直った)」(笑)
翔真 >「(ボソ)余り面白い話では無いだろうがな…。」

そこに、ブラックマーケットに手配された代車と、クレーン車が到着する。
どうやらクレーンで倒れたトレーラーを起こした後、
トレーラー部分だけ代車に繋ぎ変えて、輸送を続行するようだ…。

アドノレ >ねじりはちまきどかちんもーど
GM >おぉ、アドノレ・・・手伝ってくれるのか(笑)
アドノレ >バイトの帝王はアフターサービスもばっちりなのだ。魔石Cを齧りながらどかちん(笑)
GM >では、アドノレには通常の手当に加え、更に1万v.を進呈しよう(笑)
可憐 >「終末が近づきつつあるようですわね・・・今回もやはり、標的は横須賀と我々ですか…気をつけて行動した方がいいですわ
翔真 >「(……何所の誰が何をしようが、イノセントや俺達に危害が及ぶ事が有る限り、誰であろうと、何であろうと、叩き潰すだけだ。)」
アドノレ >(澱みし念を我が物とする代償に復讐を…今の世は俺様に無限の力をもたらしかねんな)
>「そういえば・・・そらさん、今回は姿見えなかったなぁ・・・はじめ以外は・・・。彼女はいったい何者なんだろう・・・。僕たちを導いているのか・・・??」


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