【第8夜】
戦士達、西へ
〜アドノレ篇〜
<PART−14>
アンゼロット、『真相』を語る
かくて、アンゼロットたちと一行が自己紹介を続ける間にも、次々と料理が運ばれてくる・・・。
凛 >「で、お話って?(小首傾げ)」
翔真 >「凛の言う通り……聞かせて貰える話とやらを、伺わせてもらいたい。俺の事は後でも良いだろう…。」
アンゼロット >「さて・・・皆さんには今まで、エミュレイターの侵攻を防いでいただいた訳ですが、敵の侵攻の多くに、大きな共通点があったはずです。」
凛 >「ふむふむ(もぐもぐ)」
アンゼロット >「思えば、彼らが真っ直ぐに・・・どこを狙ってきたか。皆さんが最初に戦った『メタル=スレイブ』以来、今回の一件に至るまで。」
可憐 >「横須賀という土地と、そらさんですか」
翔真 >「可憐ちゃん、とりあえず向こうの話を一通り聞こう…(苦笑)」>可憐
響 >「そして・・・その地に眠る。謎のD兵器」
翔真 >「(視線を移して)お前もな。」>響
響 >「・・・・・」
アンゼロット >「D兵器の件は後といたしましょう・・・さて、先の答えですが…可憐さんが言うように、彼らは真っ直ぐ“横須賀”という場所を狙ってきたはずです。」
可憐 >「横須賀の守護の為に私はイギリスから戻ってきたのですから」>ALL
アドノレ >(俺様が横須賀に流れ着いた理由を知っておるのか)
アンゼロット >「そして、横須賀で15年前に起きた“大戦”・・・それは実際のところ・・・世界の“破滅”だったのです」
凛 >「あっ、それは前にフィルムで見たことあるかも!(ワインこくっ)」>大戦
響 >「もしかして・・・ボク達がここに集うようになったのは・・・必然??)」
凛 >「確か、アメリカの艦隊がエミュレータ-に乗っ取られたんだよね?(パンをぱくっ)」
アンゼロット >「そう・・・15年前のあの日、世界は炎に包まれた横須賀を除いて滅んでいたのです」
響 >「滅んで・・・・いた??なぜ、過去形なのですか??」
弓 >「…………………………」
翔真 >「…………………(小さく嘆息)」
アンゼロット >「・・・その原因となったのは、横須賀に現れた“進化したエミュレイター”・・・“マリキュレイター”だったのです。“それ”はウィザード達の力をもたやすく凌駕し、その結果引き起こされた大破壊は・・・この私ですら、止める事が出来ませんでした」
凛 >「進化って、どう進化したの?(身を乗り出し)」
アンゼロット
>「エミュレイターは、それまでも“月衣”を体得するなど、進化はしていましたが・・・マリキュレイターの進化とは、与えられた力を際限なく取り込み、己のものとしていく力だったのです」
凛 >「え〜と、つまり・・・あっという間にどんどん強くなっていっちゃうのかな?(恐)」
アンゼロット
>「そう・・・(凛に頷き)・・・そして、それは世界結界の干渉すら問題としない程に進化してしまったのです。それも、短い間に」
弓 >「…………………でも、いま、現実に世界はこうしてここにある……つまり、何かが起きた……と……」
アンゼロット
>「そう・・・私をさえ半ば瀕死に追い込んだあのマリキュレイターを、誰かが止めた・・・それは間違いありません。そして・・・その直後、マリキュレイターの消滅とともに・・・・・・世界が“再構成”された事も・・・」
弓 >「…………異変の原因が取り除かれたから、結界がすべてを「なかったこと」にした……大小の差はあるけど、いままで幾度も繰り返されてきたことね………。……」
可憐 >「世界結界ですか」
響 >「・・・・・」
アンゼロット >「・・・・・・ともあれ。世界はその後概ね旧に服しましたが、因果律には決定的な狂いが生じ・・・ありえざる事件が起きたり、起こるはずだった事件が起こらなかったりするようになってしまったのです。すなわち・・・世界結界そのものが、何らかの改変を受けてしまった事になります」
弓 >「…………世界結界はこの世界を包む月衣…巨大な月匣とも言えるわけだから…………同程度の強さを持つエミュレイターなら………可能、ね……」
翔真 >「…………………………」(瞑目したまま)
可憐 >「(無言)」
凛 >「ん〜と、それで・・・・一番重要なそらちゃんとの関係は?(心配顔)」
アンゼロット
>「世界結界を一度は破壊する程の力を見せた“マリキュレイター”は・・・確かにその時、姿を消しました。しかし・・・それはおそらく、その完全なる消滅を意味するものではないでしょう。」
GM
>ここでドクトル=エルツフェルズが話を引き継ぎ「そして、大戦の後…そうした存在に対抗しえる手段として計画されたのが、プロジェクト=デミウルゴス…そしてディー=アームズというわけなのです」
弓 >「……………ルシファーの名を騙るデミウルゴス……魔王に対抗するプロジェクトの名前らしい……(くすくす)……………それで、私が最後の1人、なのね…」
エルツフェルズ >「そうです・・・しかし、元より派生技術とはいえ、そのアーティファクトが生み出す力と・・・反作用は、我々の想像を遥かに上回っていました」
凛 >「む〜・・・」
エルツフェルズ >「ディー=アームズの被験者の殆どは狂気に冒され・・・自ら滅んでいったのです。ただ一人・・・リリス、あなたを除いて」
弓 >「………………私は元々狂っているから………(くすくす)」
アンゼロット >「本来はディメンジョン=ガジェットこそが、“マリキュレイター”に対抗し得る手段だったのですが・・・それも、15年前に失われたままなのです」
アドノレ >(既に狂いがあるなら狂気に染まらぬ。それは正しい。だが、初めから狂気すらも正常とみなす混沌を持ちえるならそれは狂気に染まる事は無い)チラリと弓を一瞥
弓 >具体的に言うと、すでにSAN値が0だから、これ以上減らない(爆)
エルツフェルズ >「そして、リリス自身の疲弊も限界に達しつつあった時、我々の想定外の事態が浮上したのです」
アンゼロット >「その事態こそ、あなた方が“そら”と呼ぶ少女・・・」
凛 >「あっ、そらちゃんの名前、出てきた!」
エルツフェルズ >「2度にわたる改造でも、リリスと“右腕”には誤差が見られたのですが…その少女が何らかの力を及ぼした時、両者のデータは・・・設計外の、最高の数値を弾き出していたのです」
アンゼロット >「その力を、その少女は・・・どう呼んでいましたか?」
弓 >「……………………………EVOLUTION…………進化、ね…」
エルツフェルズ >「なるほど・・・それですべてが繋がりました(改まって)EVOLUTION・・・それは本来、ディメンジョン=ガジェットによって稼動する従属ユニット・・・インフィナイトが所有している力であるはずです」
弓 >「……………………失われたはずの……」
エルツフェルズ >「そう、15年前に楠ヶ浦学園で・・・そして、その力を持つ少女の存在は、現在においては有効なマリキュレイター対策になり得ますし、ひいては・・・(言いよどむ)・・・いえ、これは個人としては不謹慎でしたね。よしておきます」
凛 >「つまり、そらちゃんは・・・その『ディメンジョン=ガジェット』の部品て言うこと!?(ちょっと怒った)」>ドク
ドク「わかりません・・・(首を横に振りつつ)・・・彼女の構成は、あまりに異常なのです。人造人間で言う“賢者の石”・・・これが異常な、半ば生体的な変容を遂げているのです。リリスの“右腕”のように、箒の中枢のようにも見えなくはないのですが…」
弓 >「……………(うつむいて)…………それと……いまそらがこの状態なことに、何の関係があるの?……(静かな声で)」
エルツフェルズ >「本来・・・彼女を、横須賀で検査をした上で解放する予定でした。しかし、重大な問題が生じまして・・・それで、本社の施設を使う事になったのです」
弓 >「……………拘束して、箱詰めにしてまでつれてくる必要があった?………ちゃんと、理由を聞かせて………」
エルツフェルズ >「他に方法がなかったのですよ・・・両手足がひどく劣化していて、崩壊が全身に広がる恐れがあったのです。体内に保存料を流して、冷却保存する事で崩壊を食い止める・・・限られた設備では、それしかありませんでした」
弓 >「………ん………(こくり)………ちゃんと……教えて欲しかった……。……それだけ………」
可憐 >「(無言)」
エルツフェルズ >「デミウルゴスの時の二の舞を演じたくはなかったのです…ただ、今回も情報がどこかで漏れていたようですが」
弓 >「………そう、ね………(こくり)……それが当然…ね……」
アドノレ >「前回の襲撃に関してのみなら、中身不明の新製品として狙われてたらしいな。もっとも雲の上で何処まで掴んでるかの保証は無いが」<情報漏れ
可憐 >「社内に裏切り者がいるか」
凛 >「う〜でも、あのトランクはあんまりだと思う〜(上目使いに睨み)」
エルツフェルズ >「今までの話で、少しでも理解できた事があるなら・・・最善を尽くしたと考えていただきたいのですが・・・(苦笑)」>凛
凛 >「むぅ〜・・・は〜い(しぶしぶ頷き)」
アンゼロット >「ともかく・・・エミュレイター達が横須賀を狙う理由については、おおむね見当がついたとは思いますが・・・」
弓 >「……………………(こくり)」>アンゼロット
翔真 >「…全然、だ。」
アンゼロット >「周知の通り、エミュレイターの横須賀への侵攻はなおも続いています・・・そして、もしそれがマリキュレイターの復活を誘発した場合、どうなるか・・・」>翔真
翔真 >「……話すと言った以上言葉で表して欲しかったのさ。そうで無ければ随分都合の良い話しだと思ったのでな(フン)……続けてくれ。」>アンゼロット
アドノレ >(すると、意識・無意識に関わらず望んでスラムに集う連中の何割かは…。)
アンゼロット >「実のところ、横須賀が荒廃したまま残されたのは・・・大戦の折に、唯一存在していた“世界”であったからなのです。そして、次にマリキュレイターが現れた場合・・・今度こそ、世界は滅ぶでしょう。その前に・・・私たちは、何らかの手を打たなければなりません」
凛 >「具体的な方法の目安はついているの?」>アンゼ
アンゼロット >「一番の方法はエミュレイターの一掃ですが、これが無理となればディメンジョン=ガジェットの再発見、もしくは弓さんのディー=アームズの成功・・・そして“そら”と呼ばれる少女に選ばれる形となった戦士達。私が見るに、あなた方こそ世界の“最後の希望”です」
アドノレ >ふんと鼻で笑うような表情を見せる<最後の希望
凛 >「・・・・・むぅ〜(弓の右手見る)」
エルツフェルズ >「そのために、リリス・・・あなたには生きていただかなければいけないのです」
弓 >「……………………………………………………………」
エルツフェルズ >「そして、本来は・・・皆さんだけでなく“そら”と呼ばれるこの少女にも協力して欲しかったのですが・・・」
弓 >「……………………そらと話したりは、していないの?……」
エルツフェルズ >「彼女は最後まで、一言も話しませんでした・・・そして彼女がこうなってしまった以上、私も次善の策をとらざるを得なくなりました。」
可憐 >「そらさんを復活できれば宜しいのですが」
弓 >「……………………………………………………」
エルツフェルズ >「この後・・・私は連邦遺伝子工学研究所に向かいます。その少女の力をあてに出来ない以上・・・“右腕”の本格的改良が急務と見ましたので」
弓 >「………………………たぶん……私は……怒りを感じている………。………私に関わる資格がなかったのだし……情報機密の上、仕方ないのは……理解してる…………。………でも………私に……ちゃんと……………話して欲しかった…………(ぽつり)」
エルツフェルズ >「もしあなたに話したなら・・・あなたは全力でこの少女を自由にしようとしたでしょうね・・・」
翔真 >「……………」
弓 >「……………それは………否定しない…………」
エルツフェルズ >「私は、リリス・・・どうあっても、あなたを失いたくなかったのです。」
弓 >「…………(す、と顔を上げてドクの目を見て)…………ありが……とう…。……でも…たぶん………同じくらい………私は……そらを……失いたくない……………」
ドク「やはり・・・そうですか。しかし・・・なぜでしょうか。彼女が事実上、世界最後のインフィナイトだからですか・・・それとも・・・」
弓 >「………………わからない………………(ぽつり)……」
翔真 >「…………………(片眉をピクッと)」
凛 >「・・・・(もぐもぐぱくぱく)」
アンゼロット >「おかわりはいくらでもありますから、ご遠慮なく(にっこり)」>凛
凛 >「あっ・・・べつにボクはもう、お腹いっぱいだから(///&慌て)」>アンゼ
アンゼロット >「アンブラ社内の問題は社内で片付けていただくとして・・・いずれにせよ、横須賀のエミュレイターの動静には注意をお願いします。」
翔真 >「『世界の為に』なんてのは御免だ、そんな物の為に振るう剣など生憎だが俺は持ち合わせていない。」
アンゼロット >「では・・・・・・あなたは、何のために剣を・・・?」>翔真
翔真 >「俺はあくまでも『俺の守りたいもの』の為にだけ剣を振るう、それだけだ。」
アンゼロット >「そうではないかと思っていました・・・(微笑)」>翔真
弓 >「…………………私が聞きたいのは1つだけ……。……世界の運命も、私が何者なのかも、興味はない。私は命令に従うだけだから。………………私が聞きたいのは1つ………そらは…治るの?」
翔真 >「………買い被るな、それに俺も聞きたい事は………今弓が言った事と同じだ。」>アンゼロット
エルツフェルズ >「・・・物理的には治せるでしょうが、すべてを元に戻せるかどうかは・・・微妙なところですね。幸い、動力はまだ・・・辛うじて、ですが・・・生きていますので、まったくの0%という訳でもなさそうですが」
弓 >「………………可能な限り、元通りにして欲しい……ドク……。………」
エルツフェルズ >「手足は欠けてますし、作り直さないといけないでしょうね・・・“黄金の蛇”にもかけあってみましょう」
弓 >「…………ありがとう……(かすかに、微笑、すぐに表情を消して)……それなら……私は……いままでどおり、人形であり続ける………」
凛 >「ボク、そらちゃんが治る為に出来ることがあるなら、なんでもするよ!」
エルツフェルズ >「最善は尽くしましょう・・・ただ、インフィナイトの元設計者に協力を断られてますので、かなり独自の考証が入ると思われますが・・・。」
アンゼロット >「(弓を見ながら)もし、彼女がほんとうにインフィナイトであるならば・・・あるいはもしかしたら、皆さんの力が彼女を救う事になるかもしれませんね・・・。」
翔真 >「………………」
可憐 >「とりあえず現在の問題は、エミュレイター側もトリニティを通じて動き出している事ですね」>ALL
アドノレ >「商売上の都合だけでもトリニティーは動く。全てがエミュレイターのせいと決め付けるのは少々都合の良い話しではないか?」>可憐
可憐 >「かの会社はエミュレーターに内通していると噂がありますから」>アドノレさん
アドノレ >「確たる証拠が挙がってから話しを聞くとしよう」<内通
エルツフェルズ >「そう・・・何はともあれ、この少女をトリニティに渡すわけにはいきませんね」>可憐
アドノレ >「今回の件に関して、確認される事実によってはアンブラとの敵対も考えた。手段の是非は問わぬ事にする。そらが報復の意思を見せぬ限り中立は約束しよう。味方になるかまでは保証しないがな」
アンゼロット >「事の是非はともかく、話は纏まりそうですね・・・これはまだ未確認ですが、強力なエミュレイターが動き出しているという情報もあります・・・どうか気をつけて」
翔真 >「……言っている事が本当ならな……。」(腕組み&瞑目)
アドノレ >「我は世界を保護する存在にあらず。かき消されてゆく小さき声を聞くもの。ただ、己の耳に届く願いを集め、そして具象化するに過ぎぬ」
アンゼロット >「私はそもそもその少女の件とは別件でしたし、少なくとも嘘は申しておりません・・・」
翔真 >「………アンタはそうでもそこのヤツはどうか解らんのでな(肩を竦める)」
弓 >散々、情報漏れの話が出た後だしね(笑)
翔真 >「………この期に及んで舐めた真似をしたら、俺の剣がモノを言うだけだ……(フッ)」
エルツフェルズ >「場合が場合です。嘘をついても仕方がないでしょう・・・?(肩をすくめる)」>翔真
翔真 >「………そらの治療の為に俺達に出来る事、聞かせてくれ……」>ドク
エルツフェルズ >「まずは必要な部品の調達・・・そして、おそらくは生きているであろう“彼女”への働きかけでしょうね。私にはうまくいきませんでしたが・・・」
翔真 >「………解った、出来得る限りは協力する……世話を掛けるが宜しく頼む。」
弓 >「…………私は……「これ」(と、右手をにぎにぎ(笑))がなんだろうと、関係ない……。……敵を殺す………だけだから……」
エルツフェルズ >「それでよいのですよ、リリス・・・・・・」
そうこうするうちに…時間は過ぎ去り、会食も終わりに近づいていた。
アンゼロット >「さて・・・そろそろお開き、でしょうか・・・?」
弓 >「………………(こく、とうなずいて)……では、今後の命令を………」>ドク
エルツフェルズ >「私の警護をお願いしたいのです・・・今の話のこともあり、心中穏やかではない事は察しますが」
弓 >「………(ふるふる)………問題ありません。」
エルツフェルズ >「“彼女”にも同行していただきましょう・・・その方が良いのでしょう、リリス?」
弓 >「………………………(こくり)………」
可憐 >「では会食は終わりですね。」>ALL
凛 >「ご馳走様でした〜(ぺこり)」
アンゼロット >「皆さん、今回はありがとうございました・・・そして、これからもお願いしますね」
可憐 >「こちらこそ」>アンゼロット様
翔真 >「………美人の頼みは、なるべく断らない事にしている…(フッ)」>アンゼロット
アドノレ >「警告しておこう、無意識に滅びを望む人のあり方などは我が行いに関与する事適わず。だが、我が庇護下にあるもの達が人の滅びを望み消え去っていく事があらば、我は再び奇跡の導き手から災厄の先触れへと変容するであろう」>アンゼロット
弓 >さすがアドっ、かっこえええ!!!
アンゼロット >「確かに受け取りました・・・最悪の事態に至らない事を願いたいところですね」>アドノレ
アドノレ >そしていつものアドノレに(笑)
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