【第14夜】
深海に詠う声
<YUMI’S CHAPTER/PART−2>
進化する少女の魂
・・・ふと、少女は意識を取り戻す・・・
今まで見ていたのは、夢・・・一番大切な人のひとりと、最後に話した記憶。
そして今、目の前にあるのは・・・血塗られた荒野、鋼鉄の棺、母胎・・・そのようなもの。
ただ、生暖かい脈動だけが、周囲からは感じられる・・・
弓 >じゃあ、方向感覚も無いだろうし、その中を、膝を抱えてたゆたう 「………………………そう…死んだのかな…私。」
GM >生きているという実感は、皮肉なことに激痛ではなく・・・全身の倦怠感。
弓 >「…………死んでまで…なんて退屈で……不快……、……それとも……私はまだ……滅びれてはいないの……?」
GM >そして、周囲の脈動は・・・自分自身と、まったく同じ間隔、同じ時間、それでいてもっと大きなもの・・・
弓 >ゆっくりと身体を起こして…大の字に寝るよーにのたーっと 「…………………そう…生きてるのね、まだ。………それなら………ここは、どこなの…?」
GM >周囲には・・・かつては何かであったらしい、それでいて今は全く意味をもたなさげな「何か」が散らばっている・・・
弓 >「………このまま、このどことも知れない空間で、滅びを待つかしら…私…」
声は鈍く、暗闇の中を反響する。ほのかに漂っているのは錆の香りか、それとも血の臭いか。
空の色までも、ここでは赤く、そして黒い・・・
GM >生きていることは知覚した・・・ここが普通の場所ではないことも理解できる・・・無意識に、どことなく、懐かしいものを感じながら。
弓 >「……………まだ…生きてる…。……てことは…………私はまだ………戦える…?………」
GM >右腕に・・・なにか熱いものを感じる。あるいは、右腕がそう・・・教えてくれたのかもしれない。夢の中の、ドクの言葉・・・そして、今目の前のこの光景。これは・・・何を暗示するのだろうか。
弓 >じ、と見る
GM >右腕全体が・・・翠色に、おぼろげな光を放っている。これが、周囲の空間との同調の原因かもしれない・・・
弓 >「…………………そう……また、助けられたのね……貴女(そら)に………」
GM >周囲の空間が、それに応えるように・・・おぼろげに、光る。同じ色で。
弓 >「……………結局……助けたつもりが……いつのまにか助けられてばかりね…………。…」
GM >その光が・・・この空間の中心にある、何かを浮かび上がらせた。
弓 >「………生きてるのか、死んでるのか…ここがどこかさえも判らない場所なのに………この空気の匂い…血と鉄錆びと硝煙の匂い…この瓦礫と屍山血河の大地……」
地上に突き立てられた、巨大な何か・・・
今までは暗闇と血煙で見えなかったそれは、おぼろげに輪郭だけを見せている。
弓 >歩く?浮かぶ?とにかく、ゆっくりと、それに近づいていく……
GM >足に踏みしめる感触は、廃墟のものか・・・それとも死体の山か。それが、いつも自分自身が築き上げてきたものと、同じものであろうというこの皮肉・・・
弓 >「…………なるほど……確かに、私がこれからどうなるにしても…。…ここは…確かに………………私に、相応しいわね…」
GM >永遠にも似た時間の末に、そこに到着する・・・足元を流れ続ける血の源流。最も巨大な瓦礫の山・・・巨大な墓標のように佇む、何かの前に。
弓 >「…………………………………」ざ、と前に立って、そっと手を伸ばす。
GM >「それ」の表面には、おびただしい量の血が流れた形跡があり・・・それは、今もなお流れ続けている。生暖かい感触・・・この血を流している「主」は、まだ生きているのだろうか・・・?
弓 >「……………………………………………」そっと、撫でる…
GM >べっとりと掌に、赤黒い血がこびり付く・・・
弓 >その手を、ぺろっと(笑)
GM >伝わってくるのは、濃厚な血の味・・・「それ」は、大木のごとくなおも上へと聳え立っている・・・おぼろげな、翠色の光を蛍火のように漂わせながら。
弓 >「……ああ…そうか…私はまだ、こんなにも……血の味に…匂いに……戦いに、飢えているのね。」(確かめるように、もう一度なめて、上を見上げる)
GM >すると・・・「それ」の上の方に、何かが見える。張り付いているのかぶら下がっているのか、それとも・・・縫いとめられているのか。
弓 >「………まだ…使える、かな?……」可能なら翼を広げて、確かめにいきます
GM >翼、翼・・・まだ開く。いつもより、緩慢とした飛行速度だが・・・あるいは、この『墓標』が巨大に過ぎるのか?
弓 >ばさばさ
GM >突き出していたのは・・・何か、木の枝のようなもの。それは、何かを縫いとめている・・・人型の何かを。
弓 >おおう(^^; 予想はしてるけど……誰かな(笑)
GM >半分ミイラ化したその人影は、しかし・・・その瞳に、穏やかな光を宿していた。その視線が、弓を捉える・・・
「・・・・・・・・・・・・やっぱり、ここに来たね・・・」
弓 >「…………………………………あなたは…………だれ…?」
??? >「・・・・・・・・・・・・私に、見覚え・・・ないか。でも、しょうがないよね・・・・・・・ずっと前の、ことだから・・・」
GM >木の枝のようなものに縫いとめられたその人影・・・変わり果ててはいたが、弓の記憶の片隅に、確かに彼女は存在した・・・
弓 >「………………さ……や…?」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・・・・・覚えてて、くれてたんだ・・・嬉しいな・・・」
弓 >「…………そらに……教えてもらった…から…。」
沙弥 >「そらちゃんが・・・・・・そっか、じゃないとあなたがここに来るはずないものね・・・」
弓 >「………ここに…貴女がいるってことは………私も、もうすぐ………壊れるのかしら…?」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・・どうして、そう思うの?」
弓 >「……この場所は……死の匂いがするもの。………前後の記憶が曖昧で、気づいたらこんな場所にいて……死んだと思ってた貴女が目の前にいる…。……他に考え付かないわよ……(苦笑)」
沙弥 >「・・・・・・・・・私は今、生きても死んでもいない・・・これからもずっと、永遠にここにいるだけ・・・」
弓 >「…………貴女は……どうして、こんなところに…?」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・・償い、かな」
弓 >「……………貴女は…償わなきゃいけないことなんて…ないわ…。」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・あの戦いの真実は・・・もう、誰にも解らないから・・・私は、証人なの」
弓 >「…………貴女が…貴女だけが……こうして償い続ける理由なんてないのに……(そっと枝に触れて)……。」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・・・・・・あの時代、人々が犯した過ちの・・・世界を永遠に破壊してしまった、償い・・・」
弓 >「……………戦い続けてるのね…」
沙弥 >「・・・・・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・・大きく、なったね・・・それに、とっても・・・強く・・・」
弓 >「………………(ちいさく、頷いて)…………そう……やっと言えるわね…。………たすけてくれて、ありがとう…(ちょっと幼い口調で)…」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・ん・・・・・・気にしないで。イノセントを守るのは、ウィザードの仕事だもん・・・でも、こんな目に遭うのは私ひとりで充分・・・・・・ぜったい、ぜったい助けてあげるから」
弓 >「…………ありがとう…………………でも……私はもう………イノセントじゃ…ない…。…ウィザードだから…………だから…私は、自分で…自分を助けれるよ」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・その『右腕』じゃ、無理なの・・・」
弓 >「…………(悲しそうな顔して)…さやも…そう言うのね。」
沙弥 >「・・・・・・・・・この中の事は、誰よりもよく知ってるもの・・・じゃあ、教えるね。ここは、私たちの友達・・・【そら】ちゃんの心臓。そして・・・あなたが一番恐れているモノを、封印している場所でもあるの」
弓 >「………私が…いちばん…怖いモノ…?」
沙弥 >「・・・・・・・わかってるでしょ・・・あの日、あの時。あの場所で・・・死にかけていた小さなあなたと、寿命の尽きかけた私・・・」
弓 >「…………………(こく、と)」
沙弥 >「あの時・・・あなたに、あげた物があるの。」
GM >その言葉と共に・・・弓の心臓の辺りで、何かが【欠片】と共鳴し始める。
弓 >「………………ぁッ…!」
沙弥 >「私が、命を削って作った【欠片】・・・・・・そらちゃんからも貰ってるから、ふたつあるって事・・・かな?」
弓 >「………………そう、だったんだ…」
沙弥 >「・・・だから、今・・・私たちは共鳴してるんだと思う・・・」
弓 >「(こくっと)……」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・そういえば・・・あなたといっしょに、ひとつ・・・ここに落ちたものがあるよ」
弓 >「……………え?…………あ、もう1つの…断片…!」
沙弥 >「ぶぶーっ、はずれ(くす)・・・あいつは、弾き飛ばしたから大丈夫だよ・・・正解は、これ・・・」
眼下の瓦礫の中から、何かが浮かび上がる…光に包まれたそれは、小さなケース…
弓が、確かに海に投げ捨てたはずのそれが、今…目の前にはあった。
弓 >「……………………(そっと、それに手を伸ばしながら)……さや…」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・なぁに・・・・?」
弓 >「……私は……目が覚めたら…ウィザードになってた。………その前の記憶は無くて…あったのは、恐怖と、痛みと、憎しみだけ。……………でも………私は…ちっともさやを恨んでなんかいない。…それは…ホントウ……」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・・・じゃあ、きっと答えは・・・『これ』が知っているのかな・・・」
弓 >「…でも………私は…選んでない。………だから………今度は……私…選ぶよ、自分で。…………私は…ウィザードであり続ける。…戦い続ける……永遠に。」
「………さやがここで償いを続けるなら…それが終わるまで…私は、戦い続ける…。
…(す、と箱を取り、中をあけて…チップを右手で握り締めて)……Access!」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう・・・」
GM >沙弥の言葉と共に、記憶のロックが解き放たれていく・・・よみがえったのは、最悪の記憶の中の救い。
弓 >「………………(今日は……よくよくこの手のキオクに縁があるわね…)」
瞬時にして幸せな家庭を失い、全身を寸断され、死にかけた弓に・・・沙弥が与えたのは、
あの時・・・黒鋼の作り出した世界の中で見つけたものと同じ・・・『欠片』。
「あなたは・・・命は、生きてこそ・・・だから、今は・・・」
その時、彼女はそう言っていた・・・おびただしい量の血を吐きながら。
弓の心臓と融合した『欠片』は、彼女の生命を救った。だが・・・その影響ははかりしれなかった。
『欠片』は、イノセントであった弓を内部から・・・ウィザードの身体へと造り替えていたのだ。
そう・・・「進化」
そしてその時間が・・・そのまま、弓が眠り続けていた時間・・・約10年以上もの時間・・・。
弓 >Σ( ̄□ ̄;
GM >ずっと、ずっと・・・永遠にも似た眠りの末、目覚めた時・・・ドクと出会ったのは、その時。
弓 >「……………そ…う……10年……ずっと………ずっとずっと…………繰り返して……見てきた…悪夢……。………」
目が覚めたとき、弓は既に絶滅社に保護されていて、『右腕』も取り付けられていた・・・
しかし、皮肉なことに『右腕』を取り付けるために施された調整が、
本来沙弥によって覚醒した「能力」を阻んでいたのだ・・・。
GM >だから、ドクは・・・「能力」を抑制する方を選んだ訳だ。自分の夢というべき「ディー=アームズ」のために・・・
弓 >ルール的に言うと、「強化人間」にしちゃったから、他のクラスを同時には持てなかった、と(笑)
GM >うむうむ(笑)だからこそ、サイズの合わない靴を無理矢理履いた時のように、右腕との不整合がどうしても止められなかったとそういう事になる(笑)
沙弥 >「『封印』である私が、あなたにしてあげられるのは・・・あなたの命にあわせた、新しい『右腕』を作ること・・・」
弓 >「……………その腕なら、魔王の障壁もブチ抜ける?」
沙弥 >「うん・・・・・・・箒ではなくなるけれど・・・これから生まれ変わるあなたに、一番ぴったりになるはずだよ・・・」
GM >で、ここが本当に運命の岐路(笑)
弓 >「…………是非もないわ……。…………」
GM >ライダーマソじゃないもーん、とおやくそくのボケを(爆)
弓 >あんなんはいやじゃー><
沙弥 >「今、私の【欠片】に働きかけるね・・・共鳴するけど、そのまま受け入れて・・・」
沙弥の身体が、ついで弓の身体が、翠色の優しい光に包まれる。
全身を優しく愛撫されるような感触が、弓の中枢神経を満たし、
ついで、すべてを脱ぎ捨てていくような開放感と共に、弓の『右腕』が基部から切り離される…
そして、切り離された基部からのぞく『欠片』が光を放つ。
凄まじい熱量と、それ以上の充足感と共に…新たな『右腕』が構成を開始する。
材質は【そら】のものであり、それでいて弓の遺伝子に適合したそれは、
飴細工のように展開し、硬化…構成を完了した。
GM >役目を終えた『旧い右腕』は、沙弥を縫いとめていた「柱」へと融合していく。
弓 >「…………………いままでありがと……」
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・うまく、できたかな・・・?」
弓 >「…………(みぎてにぎにぎ)………………………うん。…これで、2度目だね。…………ありがとう」
沙弥 >「お礼なんていいよ。私たちは・・・友達。そうでしょ?」ミイラ化したその表情が、ほころんでいるように見える・・・
弓 >「………そうだね……。…(微笑して、その頬にキスして)…………わかってる。……」
沙弥 >「それと・・・・・・・・そらちゃんを護ってあげてね・・・わたしの、かわりに」
弓 >「………約束…ううん…契約…。…私は戦い続ける……貴女の贖罪が終わる日まで。…」
沙弥 >「ん・・・確かに聞いたからね。ベルザンディ=オブ=ノルン、杉崎沙弥の名において・・・でも、ごめんね。大変なことばっかりお願いして・・・」
弓 >「…いいの。……さやのお願いだけど……それは、私の望みでもあるから。」
沙弥 >「うん・・・その腕、あなたと私の命で出来てるから・・・大事にしてね・・・」
弓 >「…うん。……………よろしく…私の新しい右腕…………」
GM >新しい右腕は、弓の意思に応えて翠色の光を放った・・・
沙弥 >「・・・・・・・・・・・・・・さてっと・・・それじゃあ、あなたを外に送り出さないとね・・・」
弓 >「…………うん。」
沙弥 >「・・・・・・・右腕に、力を集中して・・・βの力とあわせて、一気に送り出すから」
弓 >「…わかった…。……………(すっと目を閉じて、少しずつ、慣らし運転をするかのように、力を右腕に集める)」
沙弥 >「そらちゃん・・・力、貸してね・・・」
赤黒かった世界が、まばゆいばかりの光を帯びていく・・・すべてを赦す希望の門のごとく。
光に満ちた世界の中を、弓は一直線に突き進んだ。
・・・そして、輝きが最高潮に達した瞬間。
「がんばってね・・・」
弓 >「……(最後に、その声にしっかりと頷いて)」
GM >そして、弓が現れたのは・・・ナン=マドール。理由は不明だが、とりあえず【そら】は近辺には見当たらない・・・。
弓 >とりあえず、そらりんを探す(笑)そして気づく………!…しまった、ねこみみも融合してる!はずせない!(爆)
GM >体が作り変わった!?・・・面白いので許可したくなってきた外道GM(笑)
弓 >これもドクの作品だしねぇ(笑)ありそうで思わず(笑)
GM >いや、もしも・・・そのねこみみが、最初から「弓専用」だったとしたら・・・?(笑)
弓 >うぁぁぁぁ…(ガクガクブルブル
【そら】は、遺跡の浅瀬に沈んでいた・・・・・・眠ったまま。
弓 >「…………………あそこにいる……………。…………今、助けにいくね…」
GM >では到着〜。その髪は緑色のまま・・・だから発見できたのかもしれないが、助け上げた彼女に意識はないようだ・・・
弓 >「…………とりあえず……他のみんなと合流して…休ませないと…。」
GM >うむ。そして、皆が向かっていたのは・・・ビキニ環礁だったね。
弓 >「………(静かにまた目を閉じて…翼を広げるイメージを脳裏に描いて)…………ウィング…展開………」
すると・・・空中から粒子が集まってきて、翼を形成する。
今までよりも鋭利で有機的、機械的に融合した、新しい翼…それもまた、沙弥からの贈り物。
弓 >「………………(そらをお姫様抱っこで抱えなおして)…あっちの方かな…?……」ぐ…っと一瞬力を貯めるように静止して…爆発的な加速で(笑)
かくして、弓は仲間たちと合流すべく、南太平洋の空を駆け抜ける…
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