【第17夜】
蒼き門 ふたたび

<PART−25>



エピローグ(3)
〜そして、数々の人知れぬ想い〜



かくして、遺跡都市カルタゴを舞台にした死闘は、様々なドラマと共に終わりを告げた。
取り戻したもの、見失ったもの…すべては、流れる時の中に優しく包まれていく。

ただ、消し去る事の出来ないものもまた、確かに存在する…事件から4ヵ月後、8月。
小笠原沖の空中に、翠碧色に輝くものがあった。


「・・・・・・・・・・・・・・」

一直線に海中へと侵入した『彼女』は…ほどなく海底へと至る。
…そこには、破損した大型箒、ブラック=ノアが横たわっていた。

「・・・・・・・・・ダメージチェック・・・装甲損壊、カーゴスペース全損・・・フレームに軽微な損傷。
制御系、出力系・・・問題なし。利用価値・・・発生」

それは、一条家の系列企業・武藤製薬が、トリニティの協力で行おうとした作戦の産物。
作戦そのものは、ウィザード達の手により失敗に終わった訳だが…

「DGパワーコントロール・・・再製開始。目的・・・マリキュレイター強化体の駆逐」

その髪から、無数の光の雨がブラック=ノアの残骸に降り注ぐ。
巨大箒は、見る間にその傷を再生され…その主機関に出力が蘇る。

「オートリンク、コンプリート。コードネーム【ニーズホッグ】…起動」
あらたな使命のもと変異を終えた戦船は、少女を乗せて…浮上した。

さてその頃、逢守神社の境内では…

そら >「・・・・・・・・・・・・・・・・」ほけーと晴れた空を見て。
司 >「そらさん、何か見えますか?」隣に行って一緒に空を見上げる
そら >「・・・・・・・・・・・・太陽・・・(にこにこ)」
司 >「そうですか。でもあまり見すぎると、目によくないですよ(くすくす)」
そら >「・・・・・・・わたしの目は、ふつうじゃないからだいじょうぶ^^」
司 >「少し話をしたい事があったんです。今、いいですか?」
そら >「・・・・・・何か問題が発生しましたか?」
司 >「問題とはちょっと違うかな?そらさんに聞きたい事があるんです」
そら >「・・・・・・・何でしょうか・・・」
司 >「そらさんとインフィナイト00の関係について以前聞きましたが・・・それは間違いないんですよね?」
そら >「・・・・・・・・・はい」
司 >「その上で聞きます。そらさん、貴方はなぜ、何のために戦ってるんですか?」
そら >「・・・・・・・・・・・・話さないと、いけませんか?」
司 >「大戦に命を失いかけた自分には・・・聞く権利はないですか?」
そら >「・・・・・・・・・・わたしの存在目的は、エミュレイターの排除もしくは破壊。そのためのウィザードに対する支援活動です」
司 >「この間の微さんと力を合わせた戦い方を見ると…それだけとは思えないんですけどね(苦笑)」
そら >「・・・オーヴァーリンク・・・?」

今回の事件に先立つ事1ヶ月前の、第2外伝最終回…
マンモン側に属していた絶滅社特殊部隊「PERSONA」との一戦で、
微と【そら】は、司の目前でオーヴァーリンクを見せていた。

司 >「それも、ですね」
そら >「・・・これらの能力・機能のすべては存在目的に合致したものです・・・」
司 >「まあ、俺としては存在目的とは別として、何かあるんじゃないのかな?と思ったんですよ・・・そらさん、微さんや弓さんのこと好きでしょう?」
そら >「・・・・・・・・・・・好き?」
司 >「大切に思ってる、ということですよ」
そら >「わたしに『思う』ことは出来ませんが・・・・・・・・トモダチを守るのは、当然のことです^^」
司 >「ん♪」その答えを聞いて満足そう「すいません、こんな貴方を試すような質問をしてしまいまして(ペコリ)」
そら >「・・・・・・・・・それが、何か問題が・・・ありましたか?」
司 >「俺は…まだ大戦の時の恐怖を忘れきることができないんですよ。情けないことにね」自嘲気味にいいながら腰を下ろす
そら >「・・・・・・こわかった、のですか・・・?」
司 >「まだ1歳程度だったので、詳しくは覚えてません。ですが…自分が消えていきそうな感覚だけは覚えてるんです」
そら >「・・・・・・・・それは、とてもよくないこと・・・」
司 >「まあ、以前に比べれば、大分ましにはなったんですけどね(苦笑)」
そら >「・・・・・・・・そう、あなたは見たことがあります」
司 >「え?」予想外(笑)
そら >「・・・18年前、あの戦場で」
司 >「18年もたってるのに、分かるんですか・・・(感心)」
そら >「わたしは・・・そういう意味では、普通じゃないですから^^」
司 >「俺も夢の中で、見はしました。18年前の自分を・・・」
そら >「・・・わたしには夢ではなく、実際に見た事実・・・」
司 >「教えていただけますか?」真っ直ぐに見つめる
そら >「あなたは、女の子と一緒でした」
司 >「・・・・・・(あの子かな?)」夢の中の光景を思い返し中
そら >「・・・そう。あの子は・・・弓さんでした」
司 >「・・・・・・・・・え?」PC的には一瞬耳を疑うなぁ(笑)
そら >「何故一緒にいたのかは、知りません。でも、沙弥は彼女に『欠片』を与えたから、間違いありません」
司 >「弓さんが・・・まさか・・・(考え中)」
そら >「あなたは、その傍で・・・ちぎれた人の手を握って、泣いていました」
司 >「!!」その言葉を聞き、胸を押さえて・・・「その腕の持ち主は・・・弓さんだったんですか?」
そら >「・・・・・・わかりません・・・もっと大きかったかもしれません」
司 >「父か母の物だったのかもしれないんですね…」息をゆっくりと吐いて自分を落ち着けつつ
そら >「・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい」
司 >「いいえ、貴方が謝る必要はありません。俺が聞かせてくれと頼んだんですから」
そら >「・・・・・・・・・あなたは頭に怪我をしていて、沙弥は回復をしたけど・・・沙弥もまた、ひどく衰えていました・・・」
司 >「・・・無茶をする人だ・・・そんなになってまで他人のことを心配するなんて」
そら >「傷跡は、残っていますか?」
司 >「(フルフル)ほんのわずかだけ。ただ、髪の色はこうなってしまいましたが」銀髪を引っ張って
そら >「・・・・・・・・・ごめんなさい」
司 >「この髪のこともあって色々ありましたが、おかげで学んだことも多かったですよ」
そら >「・・・・・・・・・・・(聞いてます)」
司 >「今の謝罪は…大戦に関してのことですか?」
そら >「・・・・・・・・・・髪の色のこと」
司 >「それなら、気にしなくていいですよ。他人と違うからこそ気がつけたこともあるんですから」
そら >「・・・・・・・・そうなのですか・・・」
司 >「それに、たいていの人が一発で俺のことを覚えてくれるので便利といえば便利ですから(クスッ)」
そら >「・・・・・・・・・・・・・・わかりました・・・」
司 >「自分でそう思うようにしてますから(クスッ)」
そら >「・・・・・・・・・・・・・・・・(なでなで)」
司 >「・・・される側になると恥ずかしいですね(顔赤い)」
そら >「・・・・・・・・・・・・・いやでしたか?」
司 >「・・・嫌じゃないです」
そら >「・・・・・・・・・よかった^^」
司 >「ではお返し^^」なでなで
そら >しばらくなでなでされて(笑)「・・・・・・・・・・・それで、他にはなにか・・・?」
司 >「そうですね。ではひとつだけ」
そら >「・・・・・・・・・?」
司 >「大戦でいろいろなことがありました…」言葉を選ぶようにゆっくりと「ですが、それをしてしまった相手でも変わろうとしているのなら…許したいと思います」
そら >「・・・・・・・・・・・(聞いてます)」
司 >「恐怖や・・・ましてや憎しみのためではなく、ただ純粋に護るために戦うために…俺の命を守ってくれた沙弥さんや両親のようになるためにね」言ってしまって、ほっと息を吐く
そら >「・・・・・・・・・・・・・けれど・・・あの戦いは、沙弥に始まって・・・沙弥に、終わったから」
司 >「ここに来る前は、そんな事知りませんでしたし(苦笑)」
そら >「・・・・・・・・・あなたを救えて、よかった」
司 >「(クスッ)そういえば、言うのが遅れましたね。ありがとう、助けてくれて(ニッコリ)」
そら >「・・・・・・・・・・・・わたしでは、ありませんけれどね^^」
司 >「まずは貴方の中の沙弥に。できれば00にも伝えたいんですけどね」
そら >「・・・わかりました・・・・・・00には、約束できませんが・・・」
司 >「俺自身でも探してみるつもりですよ。幸い一段落して時間はありますから」
そら >「・・・・・・・・・00とのことは、わたしの問題・・・気にしては、いけません」
司 >「お礼を言いたいというのは俺の我侭ですし、微さんの友人を放って置けるほど俺は薄情ではありませんよ」
そら >「18年前の、解決は・・・まだしていないのです。たしかに、臥龍は護られましたが・・・わたしの戦いは、おわっていないのです」
司 >「俺もできるなら、手を貸したいです。それに・・・ここで戦いがというあるのなら、何かしたいと思いますから」町を見渡して
そら >「・・・・・・・・その時は、近いかもしれません」
司 >頷いて「そのときは、己が為すべきことを確実に為して見せます」
そら >「・・・・・・・・わかりました」
司 >「今日は長々とお話に付き合っていただき、ありがとうございました^^」
そら >「・・・・・・・・・・・いいえ・・・あ。そろそろ、行かなくては・・・」
司 >「あ、そうなんだ。行ってらっしゃい^^」
そら >「・・・・・はい^^」

2人は、それぞれの道へと去っていく。そして、同じ頃…
鋼地は今、カナタの住んでいた教会の前に佇んでいた。

鋼地 >…まだ出番あったの!?(笑)
GM >うけけ、重要なシーンだからね(笑)主のいない教会は殺風景で…ちょうど先日、カルタゴで見た黒い教会を思い出してしまう…。
鋼地 >「……………………(無言で教会を見上げる)」もう終わったかと想ってめっさのへーっとしてた(爆)
GM >「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」そして、佇む脇にもうひとつの気配。守薙 経一朗だ。
鋼地 >「……………………」お前かーーーーーーーーーーーーーーーー!!(笑)
守薙 >「・・・・・・・・カナタ・・・俺にもっと、力があったなら・・・俺は・・・・・・」鋼地の存在など知覚していないのか、主のいない教会を見上げつつ。
鋼地 >「……ならあなたは……その『力』で僕を倒しますか……?……ある意味カナタ姉さんを見殺しにした……この僕を。」
守薙 >「・・・・・・お前なんか、どうでもいい・・・問題は、ヤツがその場にいたという事だ」
遥 >ヤツ?(’’
鋼地 >「……ヤツとは……?」
アドノレ >通りすがりの悪の使徒(笑)
守薙 >「お前もよく知っているだろう・・・マリキュレイター・・・・・・ヤツはその場に居たくせに、カナタを助けもしなかった」
翔真 >おーのーれー(−−;
弓 >なんと都合のいいやつ(笑)殺そうとしてた相手にそーゆー台詞でるか(笑)
遥 >とゆか、こいつカナタさんの事好きだったのか(笑)

実は、守薙は月アタ226でカナタと共闘して以来、彼女に深い想いを寄せていたのであった…。

鋼地 >「…………視野狭窄もここまで来ると天下取れそうですね…………(溜息)」
守薙 >「・・・ヤツに騙されてるお前には分からんだろうが、これで真実は明らかになった・・・本当にヤツが人類の味方なら、カナタはああならずに済んだはずだ」
鋼地 >「なら……一つ教えてあげます…………」

鋼地は、守薙の胸倉を掴んだ。

鋼地 >「彼女はマリキュレイターを『卒業』した。もう彼女は『杉崎 そら』なんだ。それに……貴方にとってカナタ姉さんが『とても大切な人』であるように、僕にとって彼女が『とても大切な人』なんだ……これ以上、彼女を傷つけるようなことを言ったら……許さない(鋼地君モードのまま)」
守薙 >「(鋼地を振り払って)・・・だから何だ?それでカナタは無傷で帰ってくるのか?夢を見るのも大概にしろ・・・どんなに染め上げたところで、黒は黒だ」
鋼地 >「ああ! 帰ってこないよ!! カナタ姉さんはもう完全には帰ってこない!! だからって彼女を傷つけていいなんて間違ってる!! 彼女はカナタ姉さんを助けてくれようと必死に戦ってくれたんだ!!」
守薙 >「だが、結果はどうだ?・・・・・・カナタひとり守れないで、何が『人間を守る』だ・・・・・・俺は絶対に、ヤツを許さない」
鋼地 >「……彼女は世界の危機でもなんでもない……たった一つの……儚い『生命』でしかないんだ……」
守薙 >「・・・俺は、力を手に入れる・・・必ずヤツの正体を世界に暴き出し、そして裁いてやる。それが、俺の使命だ・・・!」
鋼地 >「……僕は使命なんて持たない……ただ、彼女を守っていくだけ。自分のエゴと欲望……彼女を『愛している』という感情だけで(静かに宣言するように)」
守薙 >「その言葉。後悔するぞ、蟻塚…」
アドノレ >くぉのおおたわけが〜…と叫ぶ事になるから聞いてないし見てないでよかったのだな
弓 >こーぢPON、歌いなさい…思いっきり(笑)
鋼地 >「……(守薙先輩……これはもう……使命とか正義とか……そんなの関係ないんだ…………おたがいの、独善的な男の意地の張り合いでしかないんだよ……)」

決意を新たに去っていく守薙。それを見送る鋼地。
同じくアンゼロットに忠誠を誓う2人の男の間に流れる風は、互いの心の距離の証か。
…そして…更に時は流れ、秋。
住む者もない教会の屋根に、ふわりと着地した者がいた…。

GM >という訳で、カナタ…どうぞ!(笑)
カナタ >い…いいのかなぁ…ごめんなさいごめんなさいTT
GM >それとも・・・ずどんと墜落して屋根に穴を開けるのがいいのかな?(笑)
カナタ >あ…それがいいかも(笑)
鋼地 >一気に空気が変わった!?(笑)
カナタ >「……前髪…邪魔だなぁ…」屋根に着地して風に揺れる前髪をピンでとめて。…どすっ!っと重い荷物(本)を下ろしたら……メキメキッ(笑)
GM >では・・・ふわりと着地するはずだったのが、現実には見事、教会の天井に穴を開ける結果に・・・そして、巻き起こる埃の山にけほけほしたところで、左右の本の山が・・・

大 雪 崩

カナタ >「…うぐぅ…な、何ごとですかぁ…ぇふ」潰れた^^;
GM >とどめに2階の床が抜けました(爆)
弓 >たった1枚の(ry
カナタ >「…ひ、酷いボロ屋ですの……けほけほ…アンゼ様もう少しマシな場所に左遷してくださいよぅ…って言うほうが無駄ですか…とほほ」半泣き
GM >そして、背後の壁が崩れ・・・ようとしたところで、それがぴたっと止まる。
カナタ >「はぅっ!?」
GM >とっぷりと闇に包まれた教会の一室。ただひとつその場を照らすのは・・・純白の燐光。
カナタ >「…?」ほけーっと見つめます(笑)
GM >それは、確かに・・・カナタに向かって、語りかけた。


「…おかえりなさい、カナタさん^^」

カナタ >「え?…(ちょっと考えて)…あ…はい…ただいま…です」にこり^^
GM >天井が抜け、屋根が抜け、そして周囲に瓦礫と本が散乱するその場(笑)
アドノレ >そういえば境界の周辺は被害を免れてたのか?
GM >ああ、それは内部への崩壊だから(笑)
カナタ >き…記憶戻ってるのかなぁ^^;
GM >今までの記憶は・・・夢の中のように、どこかおぼろげで。でも・・・まるで誰かに支えられているかのように、今の存在は・・・確かなものだ。そして、これだけははっきり確信できる・・・決して、ひとりきりではないと。
カナタ >「…えっと…す、すみません。あ…えっと…それじゃ。あっちの片づけお願いしていいですか^^…早く片づけないといつものごとく来ちゃいますから…ってあれ?…いつもって…誰が来るんだっけ?」記憶曖昧(笑)
華恋 >「ええ、構いませんよ^^」
カナタ >こっちもドタバタ…途中で本よみつつ…お掃除お掃除^^
遥 >ところで、遥の記憶の方はどうなったんだろうと今更ながらにちょっと疑問に思ってみた(笑)
GM >遥の記憶の方は元のままでーす。カナタは意識を失ってた扱いなので、記憶の共有まで進まなかったらしい(笑)
遥 >なるほどなるほど_〆(、、
GM >まあ、カナタに関しては個人名の記憶がほとんどふっとんでるんだけど、なぜか遥に対しては鮮烈な記憶が残ってるって事で(笑)
カナタ >まぁ…そりゃそうだ(笑)

かくして…数多くのものを失いはしたものの、最後の1人も現世への帰還を果たした。
だが、その空白の間に…物語はあらたな局面を迎える事になるのだ…!


「吸血魔王」ヴォルファーとの戦いは終わった。
勝利を収めたウィザード達は、それぞれの道をまた歩んでいく。

「真祖殺しの真祖」エターナとしての力を知った遥。
数多くの記憶を失いつつも、現世に帰還を果たしたカナタ。
両者の運命は、この後何を示すというのだろうか…

カナタを「失った」守薙と、【そら】を護らんとする鋼地。
アンゼロットに忠誠を尽くしながら、相反する道を辿る2人の運命は…

フレースヴェルグとの合体をはじめ、様々な未知の力を見せてくるようになった【そら】…
だが、それは果たして「成長」なのだろうか。それとも…
そして、彼女を追い続けるインフィナイト00は、この後何をしようというのだろうか。

…戦いは、なおも続く!!


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