【第21夜】
深淵の門

<PART−19>



ひとまずの収拾…?



6人の少女たちはすぐに完全看護下におかれた。あとは運を天に任せるだけだろう。
一方、レオン博士と弓を載せたブロンズスターは、見事横須賀沖に着水していた。

弓 >「…………っぁ……!……ろ、肋骨折れるかと思ったわ…」
翔真 >弓ちゃんはともかく、博士は生きているのか疑いたくなるスピードですな(笑)
アドノレ >夜ならばお星様といってあげるところだ
GM >博士?ああ、こんな事もあろうかと開発しておいた超科学エアバッグで無事じゃ(笑)
アドノレ >ちょー(叫び)科学
レオン博士 >「むぅ。なんとか到着したようじゃが・・・推進機構は当分つかえんのぅ。まぁ、仕方ないかぁ」
弓 >では、博士抱えて病院までひとっとびー

そして、翔真たちもまた…

翔真 >「着いたっ、死なない様しっかり治療してもらえ。沙弥みたいな美人が死ぬのは世界にとって大きな損失なのだからなっ!」中に入ります
アドノレ >ストレッチャーにのせて担ぎ込まれてく時点で素に戻る
翔真 >「反論したけりゃ生きて帰って来い、以上だ。」
GM >そら(沙弥)にはもう、反論するだけの力も残っていないようだ…で、当然司達も合流となる。
華恋 >「さて、私も呼び出されて来た訳ですが・・・まずは具体的に何をすればいいか、という事でしょうね」
アドノレ >「専門家の見立てを聞いてからだな」
レオン博士 >「いま着いたぞい!クランケはどこぢゃっ!」
翔真 >安直魔法も使って事態を説明、かな(^^;
弓 >「………………あと、まか…………せた………(ぽてん)………………くー………すかー…」
司 >「お疲れさま」ソファー等に運んで寝かせてあげよう
アドノレ >カリスマ使って毛布の一枚でも借りてくる

事の次第を聞いたレオン博士は…

レオン博士 >「ふぅむ・・・やはりな。そもそも消滅寸前の自我を無理にとどめておいた状態じゃったから、その効果が切れてタイムアップ寸前。って事じゃな」
翔真 >「何か思いつく手は?」
レオン博士 >「まあ、おおかた無理に連れ回したんじゃろうが、本当なら安静にしとくべきじゃったな・・・今更言うのもあれじゃが。しかし、手は残ってなくもない」
翔真 >「伺わせて頂きたい。」
レオン博士 >「お前さんらに言われた事もあっての、例のスペアはきっちし作っておいたんじゃ。じゃから、我輩らが乗ってきたブロンズスターの施設を使えば何とかならんでもない」
アドノレ >「器は在る。やっぱり懸念は本人の気力の問題か」
レオン博士 >「その通り。元の崩壊がかなり進んでおるようじゃからな、前回以上に強力な介入がなければ失敗に終わる可能性が高いちゅう訳じゃよ」
華恋 >「姉様が自ら『心臓』の力を使う事を決められないのは・・・それで、一度世界を破壊する結果になったからでしょうね」
翔真 >「なるほど……」
アドノレ >「強力な介入が必要と言ったが、具体的に何かする必要があるか?」
レオン博士 >「そうじゃなぁ・・・一番の媒体はそこに出とる(そらの胸部)から、そこに願いを注ぎいれるだけじゃな」
アドノレ >誘拐されてた面々に問題が無ければ自分の奇跡も消費するところだけど、搬送してすぐだから結果が見えないしなぁ
GM >うむ、6人の少女たちはまだ集中治療室の中だね・・・
弓 >あかりんか、誰かについててもらおう(笑)
GM >それは無論のこと。少女たちがエミュった場合の対処も、あかりんの仕事だからね(爆)…ところで、アヤカは?(笑)
司 >流石にこの場には連れてこないなぁ……。
アドノレ >外で放置だった気が(笑)
司 >一応、自分がついてるつもりです(^^;。博士と華恋にそらりんの処置は任せる(^^;
翔真 >「……聞いての通りです、やよいさんにも連絡を取ります。前にユグドラシルを使って何かする案が有った様なので。」>華恋嬢
華恋 >「ええ、それは一向に構いませんが・・・ユグドラシルの件は、厳密にはマキちゃん・・・ですか?彼女の事についてだったはずですけど」
翔真 >「……済みません、気ばかり焦っている様です(嘆息)」
華恋 >「いいえ。気持ちは分かります・・・私も、姉様には生きて欲しいですから(複雑な微笑み)・・・それでは博士、始めましょうか」
レオン博士 >「そうじゃな。ときにお前さん、人造人間の技術についての心得はあるのかね」
華恋 >「杉崎博士・・・父様のインフィナイトについてなら、ひととおりは」
レオン博士 >「それなら上々じゃ、では善は急げじゃの!」
華恋 >「では、姉様をお預かりしますね・・・」
翔真 >「済みません、お願いします(礼)」ブロンズスターで警護に張り付いています。
弓 >「……………任せた……わよ………(すかー)」
アドノレ >処置に時間が掛かる事見越しでちょっと遠出してよいかな?
GM >お、どこに?
アドノレ >おやっさんとこに飛び込んで、そらに縁のあった者ですぐに呼び出せるものを呼び出す。おまもり・・・っぽいものは無いからR1魔石に思い思いに念を込めて貰ったら持ち帰って博士に使ってもらおうかと
GM >了解〜。では、限られた時間の間に集められるだけ集められるって事で・・・会えなければメールを使用してとか(笑)
アドノレ >三途の川を渡る前に後ろから呼び声を沢山集めてみました
翔真 >お見事です(^^ゝ

そして、1時間後・・・レオン博士が、華恋と一緒に出てくる。

弓 >「……………………おわった?………(もぞもぞ)…」
レオン博士 >「一時はどうなるかと思ったが・・・どーにかなったぞい」
翔真 >「お疲れ様です、本等に有難う御座いました……(礼)」
司 >「おつかれさまです」
アドノレ >「世話になったな」
華恋 >「いえいえ。むしろ問題はこれから、ですよ(くす)」
翔真 >「………(問題?)」
レオン博士 >「うむ。伝えるべき事はないでもないが、まずは一見のことじゃな」
翔真 >期待と不安が半分ずつですが、視線を促された方へ移してみましょう(笑)
弓 >おき出して、ついてくー
GM >仮設研究室のふたつのカプセルには、2人の女性が眠っていた・・・ひとりは、緑色の髪の小さなそら。そしてもうひとりは・・・20歳くらいの、茶色い髪のたおやかな雰囲気の女性だった。
翔真 >「って………えぇ!?」煤i ̄□ ̄;
GM >栗色の髪は長く腰の辺りまで伸びてるし・・・何よりも、おっきな胸がある(ぉぃ)
弓 >Σ( ̄□ ̄;
司 >「……どなた?」
アドノレ >「一粒で二度美味しい」(謎)
レオン博士 >「なかなか見た目もいい塩梅に仕上がったぞい・・・まだ本人は寝とるようじゃが、紹介しよう。この娘が・・・正真正銘、杉崎沙弥じゃ。」
翔真 >「あー……ひょっとして実年齢で再現された……とか?」
華恋 >「ええ・・・姉様が生まれた年から、今年で21年・・・いろいろな願いを込めて、ここまで成長していただきました」(
翔真 >「そうか……二十歳なんだな……(フッ)」
司 >「自分の体の感覚に慣れるまで大変そうですね(^^;」
弓 >「……………………………なんか胸がむかつく…けど……(ぼそ)………………とりあえず、おめでとう、かな?」
アドノレ >「ふむ。弓はチチにコンプレックスっと」(。。)φ
翔真 >ア、アドノレッ、そんな瑠那の時みたいに地雷を踏みに行かなくても(笑)
弓 >別にコンプレックスではないよー(笑)
レオン博士 >「・・・問題は、この新しい体をもってしても、縮みきった寿命を延ばすのにあまり役立たなかったことじゃ・・・それでも、力を使わずにいられるなら、少なくとも1年は生きることが出来るじゃろう」
翔真 >「……1年……」
司 >「1年か……」
弓 >「……それが寿命なら………仕方のないこと…なのかしら…」
アドノレ >「ウィザードは廃業しろという事か?」
レオン博士 >「・・・新しく猶予された命をどう使うかは当人次第じゃが・・・ワシとしては、1日でも長く生きてくれることを望むばかりじゃ」
華恋 >「おそらく、一度は・・・あの子(マキ)のために力を使わなければならないでしょうけど・・・ね(寂しげに微笑)」
翔真 >「……もう1年、彼女に『自分の為にも生きろ』と説得する機会が増えた。第一歩としては十分さ……(苦笑)」
弓 >「……………………………………そうね。…あと1年だというなら…平和に生きて欲しいわ…」
翔真 >「そう言う事だ、よくよく考えてみればこの世界は彼女に15年以上の借金が有るんだ。せめてそれくらいは彼女にこの世界で生きていて貰わないと割に合わん(フッ)」
レオン博士 >「当人はまだ目覚めておらんから、寿命の事はあずかり知らん。教えるかどうかは各人にお任せするとしよう」
弓 >「……………やれやれ……」
アドノレ >「宿題が先送りされたな。だが執行猶予が出来ただけでも大変な成果だとおもうぞ」
翔真 >「……御二人とも、本当にありがとう御座いました……(礼)」
レオン博士 >「いやいや。ワシもいろいろ勉強になったぞい」
華恋 >「・・・おそまつさまです(にっこり)」

ともあれ、最大の懸案を解決したウィザードたちは…
その後に控えた厄介事の処理に忙殺される事になるのだが、
ここで、しばし舞台を移動してみよう…

◆ ◆ ◆

世界の、どこかの海の上。
その洋上、紅月浮かぶ下を航行する「敦煌211」と呼ばれる船の最深部…
この船を訪れた魔王カミーユ=カイムンは、信奉者たちによる出迎えを受けていた。

「此度は災難でしたね、カミーユ様」
信奉者たちのリーダーと思しき少年…若返ったプロフェッサー=コスが、カミーユに声を掛ける。

「なぁに。ベール=ゼファーが梃子摺った横須賀のウィザード…それに伝説のインフィナイトを相手にして、
生きて帰れた、というだけでも上出来さ」

カミーユの背後には、ぐるぐると全身に包帯を巻いたヴェレン=トースにヴォリン=テースの双子魔王。
さすがに何か言葉を口に出来るほどには回復していないものの、
どうやら彼女たちも「完全な消滅」は免れたようであった。

「…それで、だ。手筈どおりにしてあるな?」
「ええ。カミーユ様からいただきましたモノについては、増産態勢もすっかり整いました」

この船「敦煌211」は、船内に巨大なプラントを持つ。
それは、かつてマイアミに存在し、天緒真白に破壊されたクローニングプラントそのものであった。
…この船が「闇プラント船」と呼ばれる所以である。

そしてクローニングプラントに並んだ無数のカプセルの中には…クローンたちが浮かんでいる。
その数は6種…いずれも、ウィザード達が救出した少女たちと同じ姿をしていた。
カミーユ一行は今、その一番奥へと向かって歩いている。

「これだけあれば、目の色を変えて食らいつく者どもも多かろうな…」
「オリジナルとほぼ同等の戦闘能力を付与したモデルも、実用化可能の段階にございます。
それに…こいつの解析も終了しました。まもなく、使えるようになります」

コスは、羽織った白衣のポケットから、時計のようなものを取り出した。
興味なさげにそれを見たカミーユだったが…直後、薄く微笑む。

「ふ…わざわざ自ら出向いて、労力を注いでやった甲斐があったよ…
当然、言うからには…仕上げは完璧なんだろうね?」

「無論ですとも…さる筋にも協力を得られましたからね」
若返った遺伝子工学の権威は、最も奥のカプセルの前で足を止める…
そこにはひとりの少女が、生まれたままの姿で浮かんでいた。
その身体は無数のコードにつながれ…今なお眠り続けている。


「…まあ、4ヶ月もあったんだから十分という事か。
ならば、きたるべき第2ラウンドには…こいつを使わせていただこうかな」

◆ ◆ ◆

どこか、薄暗いところ。かしずく者達の先に、彼はいた。
黒服の男…『ディー』。そのサングラスの奥で、橙色の光が灯った。


『ヤツが帰ってきた…ならば、俺も動かねばならんな』

その両の腕と両の脚がともに輝き…次の瞬間、そこにいたのは碧き異形。
『修道士』を従えて歩くその姿に、人々は礼拝を捧げた。

『………【天意虚空】は、俺ひとりだけでいい』

◆ ◆ ◆

世界の、また別の場所…いずこにか存在する洋館の一室。
そこにいたのは、紅衣の男…サン=ジェルマン伯爵である。

彼もまた、『翠碧の機械女神』の人界への帰還を感じ取ったひとりである。
そして、彼は…古き盟友・ドクトル=エルツフェルズから、
たった今その追認を受け取ったばかりである。
もっとも、それはドクの作品のひとつ…『蒼魔 弓』の帰還の知らせとしてだが。

その事自体は、この男にとってさしたる問題ではない。
問題は…それに付随して、『世界最大の危険』がまたしても戻ってきた事。それだけである。

道化師を自認する彼は、かの存在を最初から信頼していない。
先日、直接それを見てはいるものの、その所感にさしたる変化はなかった。
物事をひとつの方向から見る危険性を、彼は誰よりも熟知している…
今でこそ、『杉崎そら』として機能している『それ』が、いつまた『世界の敵』に転じないとも限らないのだ。
まして、今…かの力の大半は、決して正しいとは考えられない存在…
『神の力を欲する夢想家』の手元にある。

その部屋には、何者かが入ったカプセルがひとつ。
その前には箒が1本。それは、先に彼が話していた相手…
ドクトル=エルツフェルズが作り出した、最新の1本。

『神の道に抗う人』のための、無頼の刃。


「こいつが、本当にそうであるかどうか…確かめるべき時は近いな、古き友よ」

箒のフレームには…『DESPERADO/A−SEED ausf.D』と刻まれていた。


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