【外伝・第4章】
ホロボスベキモノ

<PART−03>


杉崎邸、再び


おやっさん:「では、この話はここまでとして・・・アメリカに行くなら、旅費はこっちで持つぞ(笑)」
尽:「ははっ、助かります(笑)」
ジョニー:「すみません・・・ありがたく受け取ります(苦笑)」
怜:「ありがとうございます……もちろん、行きますよ」決意込めた声で
智律:「…ありがとうございますです…。」
尽:・・・けど、その前に日本でやることはないか?
ジョニー:あ、華恋ちゃんに会って杉崎博士のファイル受け取らないと
怜:弓に連絡……メール打っておく。
ジョニー:華恋ちゃんに会って杉崎博士のファイル受け取らないといけないかも・・・
怜:ジョニー個人の依頼なんだよね?てーか聞かされてないんだけどさ(苦笑)
ジョニー:すんまへん。ではかくかくしかじかと
怜:聞きました。資料貰いに行くなら一緒に行きますよ。ちょっと華恋に聞きたいことがあるから・・・

かくして、一同は横浜・山手の杉崎邸へ足を運んだ。
博士亡き後、この洋館には華恋ひとりが住んでいる…。

ジョニー:呼び鈴鳴らします〜「HELLO?」
華恋:すぐに出ます。「あら、いらっしゃいませ・・・(にっこり)」
智律:「こんにちわです…。」
怜:「……ご無沙汰しています」一礼
尽:「こんにちわ・・・元気そうだね(ははっ)」
華恋:「・・・いつまでも、泣いてはいられませんからね(くす)」
怜:「……先に線香だけ……あ、仏式じゃなかったか…………これ、お花供えてあげてください」持って来てた花を渡して>華恋
華恋:「わざわざすみません・・・(ぺこり)」
怜:「……礼儀だから」
華恋:「博士も、喜ぶと思います。・・・あ、よろしかったらお茶でも・・・」
ジョニー:「前に、博士のファイルを転送してもらったけど・・・それの実物を見せてもらいたいんだけど・・・いいかな?」>華恋
華恋:「ええ、構いません・・・運ぶのを手伝っていただけるなら(^^)」筋力の問題(笑)
ジョニー:「HAHAHA・・・それなら大丈夫だよ(笑)」14と16がいるし(笑)
尽:「あ、資料運びは手伝うよ(笑)」
華恋:「すみません、助かります・・・そうそう。今、そらさんがメンテナンスに来てるんですよ・・・」実は月1回程度の頻度でやる事にしたらしい(笑)
智律:「……え?(ああいった直後でこうなると、ちょっと戸惑う)」
尽:「そらちゃん・・・が?」 ちょっと間が悪いなぁ、と思いつつ。
華恋:「ええ。例の部屋で眠ってますよ(^^)」
尽:「眠ってるんなら、そっとしておくか。」
智律:「…えっと…、僕、そらさんに会ってきてもいいですか?」
怜:「……会ってきな、こっちは何とかなるから」>智律
尽:「ああ、こっちは手が足りてるからな。」
智律:「…ありがとうございますです。」>ALL

智律をその場に残して、一同は書斎へ…。

怜:「……で、具体的にどんな資料さ」>ジョニー
ジョニー:「そらちゃんのボディや人造人間の関節部などの資料だな・・・それのおかげで、オカジマは大躍進を遂げているんだ」
華恋:「博士は、書斎に膨大な資料を残しておいででした・・・」
怜:「……それは目を通しておきたい」
ジョニー:ちなみに・・・ほとんど紙なのかな?
GM:まあ、杉崎博士が研究していた当時は記録媒体が限られていたしね・・・言うなれば、やっとフロッピーディスクの時代だし(笑)
尽:膨大な紙は重い・・・家が傾くほどに(笑)
GM:では・・・杉崎博士の書斎。部屋の隅には、ガラスケースに入ったフレームむき出しの人型機械が保管されている。
ジョニー:「むむむ?」見てみましょう>人型機械
GM:ガラスケースのプレートには「試製壱号機 昭和43年5月18日作」とある・・・
ジョニー:「今から30年近くも前のものか・・・」
尽:尽作製のん年前か・・・
怜:「……」見てみましょう
GM:ああ、既に電源は落とされていて、動くようなことはまずなさそうだね・・・
怜:「……お疲れ様」ガラスケースの中身に声かけて

調査を開始した一同は・・・杉崎博士が、
OGフレームの伝達機構のほとんどを理解するに至っていた事を突き止める。
更に尽は、とあるあやしげなレポートファイルを発見していた…

尽:「ん・・・? これは・・・」手に取ってみてみます。
怜:「……どうしたの?」>尽
ジョニー:「?? どうした?」
尽:「いや、妙に気になるのがあってさー。」ぱらぱらと中身を確認。
怜:「……どういう題名?」覗き込もう(笑)
GM:それは・・・「インフィナイト=オーヴァーリンク関係資料/娘・沙弥の変異に関して」と題された書物だ。
尽:「インフィナイト・・・オーヴァーリンクッ!?」表紙を見て
怜:「オーヴァーリンクって…………ちょっとよく見せろ」表情変化
ジョニー:「・・・タイトルからして・・・何かとんでもない事が書かれているような・・・(汗)」
尽:「ああ・・・とんでも無いものだなこりゃ・・・」
GM:それは、レントゲン写真も同封されたものであり・・・興味深い事実が判明する。
怜:今オーヴァーリンク使える人物のことは聞いているだろうから……
ジョニー:男三人、一冊の本を覗き見る(暑苦しい)
怜:しかもでかいのが3人(笑)
尽:しかも内容は二人の女の子に関するもの(少なくとも外見(笑)
GM:杉崎博士は・・・沙弥が「合成された人間」である事を知っていた・・・だがレポートでは、その「沙弥」の体に、ありえざる変容がみられた事が記録されている。
尽:「・・・変容・・・」読み進める
怜:どのような変容でしょう?
GM:まず・・・オーヴァーリンクの間、沙弥の体が急激に成長していること・・・本来13歳前後の体が、17〜8歳くらいに変化している。
尽:「・・・オーヴァーリンク時に変化、か・・・」
ジョニー:「・・・力の解放に耐え切るようにするためか?」
GM:そして・・・サーキンスに造られた際には封じられていた人間的機能が、オーヴァーリンクを重ねるたびに開花していった事・・・。
尽:開花? ということは、普通の人間と同じになっていったと言うことですか?
GM:さて、ここであまりにも簡単な問題・・・【そら】が、ウィザード達に見せてきた特質とは・・・?
怜:「…………進化、じゃないのか」
GM:怜、正解・・・単なる合成人間に過ぎなかった沙弥が、【そら】と触れ合う事で・・・文字通り《進化》していったのだ。尽が言うように・・・《人間》として。
ジョニー:「・・・EVOLUTION・・・」
尽:要するに・・・《超人間》に進化していったって事になるのかな?
怜:「……あのさ……進化し続けていった果てには……どうなるかって、考えたんだけど…………」
ジョニー:「普通の場合・・・進化の果てにあるのは「自滅」と言われてはいるが・・・」>怜
怜:「……それが……”マリキュレイター”ってのは………………考えすぎか」
GM:実際のマリキュレイターは、沙弥のクローンの1人だった・・・しかし、それは彼女を知った者でなければ知り得なかった事。
尽:「この資料は・・・華恋ちゃんに見せて、了解が取れれば・・・何人か見せたい人がいるな。」
怜:「……そうだな」
ジョニー:「だな・・・」
怜:「まず…………リカさんと、神代だな……翔真もか」
華恋:「どうしました・・・・?」人数分のお茶持参(笑)
尽:「ああ、大層なものを見つけちゃってね・・・ 華恋ちゃんにも見て欲しい。」沙弥ちゃんに関することだし。
ジョニー:「興味深いものがね・・・」>華恋ちゃん
華恋:「私に・・・姉様のことで? はい、見ます・・・」
怜:「……ここの資料は持ち出しOK?」>華恋
華恋:「構いませんけど、故人のものですから・・・大事に扱ってくださいね」
怜:「……不安ならコピーをとらせて欲しい、スキャンでも構わない」
ジョニー:ていうか・・・後でこの膨大な書類をデジタル化する作業があるんだろうなあ・・・
華恋:「はい・・・」>怜さん
尽:「無論。 大事にするけど・・・ あ、これだよ。」レポート見せます。>華恋ちゃん

そして、同じ頃・・・地下室のチャンバーには、緑色の液体の中に浮かぶ【そら】の姿。
そして、その前に智律は佇んでいた。

智律:「……僕は…。そらさんのことがとても大切です。…でも……。この気持ちは……。…………『スキ』…じゃあ…、ないんでしょうか…。」
GM:智律は思い出す・・・【そら】に「息子」と言われた時の事を・・・
智律:「……そういえば…、そらさんに僕は…、息子って言われて…、でも、僕はそらさんのことがスキだって言って…。」
GM:【そら】は眠ったまま、答えない・・・ただ、話を聞いてくれているように、智律には感じられた。
智律:「『スキ』って…、なんなんでしょうか…。…………こういう事を…、僕自身が疑問に思うのは……。きっと、そらさんのことを…、好きって言うわけじゃあ…、ないんですね…。」

「………わから、ないです…。………でも、そらさんが大切だという事は…。変わらないことです。」

「………そらさんにとって…、今の僕は守るべき存在…、で、しかないんですよね…。」

GM:そう、智律は知っている・・・【そら】は、好き嫌いにも関わらず人を守ろうとすること。そもそも「好き嫌いという感情」を理解しているかどうかも、怪しいという事・・・
智律:「……そらさんは…。 ……………ううん、今は自分の事です。」

「僕は、スキって言う事が判らないです。 ……でも、そらさんを、大切に…、絶対に護るって言う思いは間違いないです。」

智律:「…だから、僕はそらさんを護ります。」
GM:だが・・・それは果たして「愛」なのか? 【そら】は眠ったまま答えない・・・タイマーによれば、あと6時間はこのままだろう・・・。
智律:「……そして、僕自身が『スキ』っていうのはどういうことなのかを知って…、それで、そらさんに誰かを『スキ』になるっていう事を伝えられたら………………きっと、そうなる事が…。 そらさんが、誰かを『スキ』になってくれる事が…、僕にとっての幸いになると…、思うです。」

「………きっと、とても、とても悲しい事になるです。」

「でも…。何時かは、それを笑える日が来て…、それはとっても良い事になると…、僕は今、感じています…。」

GM:それは、答えを出すことが出来たというべきか・・・眠り続ける少女の前で、智律は語り続ける。
智律:「…さ、そろそろ戻るです。もしかしたら皆、待ってるかもしれないです。」

智律は、それだけ言うと【そら】の前から離れた。とりあえずの迷いは…断ち切れたのだろうか。
それは誰にも、もしかしたら智律自身にもわからない事…だが、その耳にはたしかに、声が聞こえた。

『あなたの希望を・・・つかんでね。私の分まで・・・』

智律:「………。必ず。」ただ一言。 誰にともなく呟きます

そして、その向かう先の書斎では。

華恋:「・・・・・・・(読み進め)・・・・そう・・・姉様はいつも言ってました・・・《おとなになりたい》って・・・《おおきくなって、もっとみんなをしあわせにしたい》って・・・」
怜:「……そう、か」
華恋:「その《願い》が・・・姉様自身を、変えていったんですね。」
尽:「願いを叶える機能・・・か。」 諸刃の剣だよな、とか思いつつ。
ジョニー:「一度それが負の方向に働いたときは・・・」
華恋:「・・・・・・・・・・・・・・・・そうかもしれませんね・・・」
怜:「……だから、か……マリキュレイターのことも……」
ジョニー:「??」
怜:「……そうか、わかった……マリキュレイターは沙弥の中の……表に出てこなかった、実験台として虐待され続けてきた怨念……それが集まったのが、マリキュレイターになったクローンだった……」
華恋:「きっと、辛くて・・・悲しくて・・・そして、その想いが怒りへと結びついたのでしょうね・・・。」
尽:「そう、恐らく怜の想像が正しいと俺も思う。」
怜:「……そして……それが切り刻まれたOGの中の怨念と合わさった……それがリンクして加速して成長したものがマリキュレイター」
華恋:「・・・・・・・・・・・・・・・・だから、最初に楠ヶ浦学園を破壊した・・・?」
ジョニー:「・・・・皮肉だな・・・世界を守ろうとして続けた事が、結果的に世界を消滅させる存在を産むことになるとは・・・」
尽:「そんなことは・・・・・・現場でエミュレイターと戦っていればすぐにわかることだろうに。 人の闇に、奴等は容易に浸食する。」
怜:「……守ろうとしたのとは違う……人の思い通りに物事をいじることが出来るようになると願って提起されたのが恐らくD=G……起動したその日にマリキュレイターが誕生したのは……沙弥の中の怨念が叶った形になったもの」
ジョニー:「・・・」怜の言葉を重く受け止めながら聞きます
怜:「……根拠もない。想像に過ぎん……戯言と思って流してくれ」
ジョニー:「だが・・・本質を語っているさ・・・」
華恋:「・・・・・・でも、私は・・・姉様は、最後の戦いで・・・きちんと決着をつけたんだと思います。マリキュレイターと、そして自分自身に・・・」
尽:「そうだね・・・」
怜:「……事の起こりは沙弥、事を終わらせたのも沙弥自身ってことか」
尽:「それが・・・人だよ。」
怜:「……人……ね」何処か冷たい笑みを浮かべた……アレと思ってよし
華恋:「そして、そらさん・・・・・・今もなお、贖罪を続けているのかも知れませんね・・・残されたものとして。」
怜:「……今でもそらの中に、沙弥はいる」
華恋:「それなら、なおさらです・・・私が知っている《杉崎沙弥》は、そういう娘でしたから・・・」
怜:「……君には一応話しておくべきだな……”沙弥”と俺の因果を」
華恋:「ええ・・・当時を知る1人として、お願いします」

怜が華恋に事の次第を話している間に…智律が戻ってきた。

智律:「今、戻ったです〜。」
ジョニー:手をふりふり>智くん
尽:「ん。おかえり。」>智律
華恋:「あら、智律さん・・・お茶を入れましたから、ご一緒にどうぞ(^^)」
智律:「有り難うございますです。お兄ちゃんたちのお仕事は終わったですか?」
尽:あ、ともくんにもレポート見せておきますよ〜 知らなきゃならんことだ。
智律:む、では見せていただきます
ジョニー:あ、出来る限りで資料をデジタル化する作業をしておきます。←ドリーにスキャンしてもらえばいいのをあえて拒否して自分でタイプ・・・しんどい(爆)
怜:言えよ〜手伝うから(笑)

かくして、杉崎邸での探索に一定の成果を上げた一同は、とりあえず横須賀へと帰還する…
その直前、怜は眠り続ける【そら】の前にいた。

怜:「……そら……いや沙弥…………いや、サーシャ姉さんというべき、か…………会った事もない……けど……」

「…………俺は、何があっても……あがいてあがいて生き延びる……から」

「……そして隕石の少女の君へ」

「……許してくれるか……人の欲望に巻き込んだ事を」

「……俺が言うべきではない言葉だった……既に人ではないからな(自嘲気味に)」

「……だけど、この件については……何とか決着つけてくる…………貴女たちを守れなかったことへの、俺自身への贖罪として」(

答えは、ない・・・だが、もし彼女であったなら・・・おのずと、明らかなはずではあった・・・
彼女が「何」であれ、様々な形で。そして沈黙の地下室に、ただ怜の声だけが響く・・・

怜:「…………行ってくる、よ……それじゃ……眠れない夜のおやすみで……"Hush a by"」


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