【外伝・第4章】
ホロボスベキモノ

<PART−07>


D=ARMS,ONE AND ONLY


かくして、弓のピグマリオンに調査結果が表示された。

怜:最終結果は……覗き込みます
弓:「…はぁ…こんなの貴方たちに見せたなんて知れたら、私も分解されるわね(溜息)」
怜:「……機密は守る……当然の義務だろ」
ジョニー:「口は堅い…安心してくれ」
智律:「そうです!僕はそんなに軽い口じゃないですよ〜。…」
尽:「此処出たら忘れるよ(ははっ…)」
怜:「……考えうる最悪の事態になったら責任は取る」
尽:「・・・一人で背負うなよ? 一応いっとくけどな。」
GM:では・・・・『ディー=アームズ』計画に供与された強化人間の一覧が出てくる。中には弓、アズラエルも含んでいるね。

その調整記録を改めて閲覧した結果、面白い事実が判明する・・・
弓以外のどの強化人間にも、弓と同じ工程で調整された者はいない。
つまり、弓1人を除いてみんな同じ調整が施されているという訳である。

弓:「…確かに…私の事例が特殊なのは解るけど…………………私と同じのが、1つもない…?」
ジョニー:「・・・最初から”君だけに”取り付けるつもりだったのか…??」
怜:「そうなると……”何故弓だけが特殊なのか”気になるな……」小声で
尽:「何か理由があるのか・・・偶然なのか・・・」
智律:「偶然…っていうのは考えにくいと思います。 …だからこその、『偶然』でしょうが…。」
怜:「……弓以外の結果はどうなっている?(汗)」

ジョニー:!? そうだ…弓以外の被験者の性別って解かります? 一応確認
GM:ああ、性別は男女共に不定人数だね。特に共通項もなさげだ・・・
弓:「……私のが、オリジナル…だったから?」
怜:「いや……オリジナルなら……オリジナルだけ特殊、他は均一となる方が……ありえない。これが研究なら、計画なら……もっとパターン変えて調整するのが常……だからな」
弓:「……適合率が一番高かった…からかしら…あと……可能性だけど………私は…あの時………………あの場所に、いた。」
智律:「……?」
怜:「……横須賀の、『大戦』か?」>弓
ジョニー:「・・・まさか・・・いや・・・」(小声)
弓:「(こく、と頷いて)…救出されたとき、私は…少なくとも右腕全部…左の太もも…わき腹…ようするに、死ぬ寸前の状態だった。…あいまいだけど…その時、沙弥に助けられたんだと思う。…その時に、沙弥に守られたから……適合率が高かった?」
尽:それだけ欠損してたら、普通即死だな〜・・・
怜:「……そう……か」>弓
智律:「……。」
ジョニー:(瀕死の重傷を負った…その箇所が”右半身”…そして…今その部分にはあの”彼女”の右腕が…)
怜:「沙弥と、沙弥とオーバーリンクしてたそらの記憶と考えれば……納得できるけどね」
尽:「仮説だな・・・だが、納得できる理由じゃある。 しかし、どうやってそれを知ったのかって問題は残るな。」
弓:「……次に眼が覚めたときは、無数のチューブと機械に繋がれて、人口羊水の中だったわ。」
尽:「・・・・・・」
ジョニー:「・・・その時、怪我を負っていた右半身はどうだった?」
弓:「…………(じぃ、とやよいさんをみる)……私が知ってるのは、これくらいよ。」
やよい:「・・・・・・・もしかしたら、そこにも検証すべき余地があるのかもしれませんわ・・・弓さんの記憶では、右腕を失ったのはあの大戦の時・・・ディー=アームズ計画はつい最近のこと・・・。」
弓:とゆうか、倒れてから眼が覚めるまで、どのくらいだったかも私は知らないし(笑)
怜:「……弓……『右腕』が生命維持機構になっているって……言ってたよな?なら、『右腕』が移植される前は……」
弓:「……よく覚えてない…けど……。…」
GM:そう・・・それでも疑問は残る・・・『右腕』によって生命を維持していたなら、何故その『右腕』が移植される前の状態でいられたのか・・・そもそもどのくらい眠っていたのか・・・
ジョニー:←・・・仮説だけど言っていいものかすんごい悩んでいる
怜:「いや……何故右腕移植対象が弓でなければならなかったのか…………これが今の疑問」
ジョニー:「…さっき、『適合率が高かったからかも?』と言った事と…その大戦の時の話で…仮説が一つ浮かんだ……臓器移植等の手術で、一番重要視されるのは何かわかるか?」
尽:「なんだろう・・・?」
智律:「…相性…。 お互いの肉体の相性ですか?」
怜:「適合性、それと遺伝子の型の一致」
ジョニー:「その通りだ。別人のモノをを移植するわけだから、当然拒否反応が出るのが普通だ。だが…もし…」
弓:「………………………………」
ジョニー:「……何らかの方法でその拒否反応が”起こらない”事が解かったとしたら?」
智律:「…どういう、事ですか?」
怜:「遺伝子の型の一致と拒否反応が出なければ移植は可能……だったような」
ジョニー:「…あくまで仮説だ…。あの日…弓は死ぬ運命にあった…だが、何らかの方法で一命を取りとめ、その後”破壊の右腕”を移植される身となった」
怜:「何らかの検査で適合性があることが判明したから?」
ジョニー:「で、思い出して欲しい…。ツングースカの少女の一部である左腕が・・・」

「今でも生きている、という事を」

怜:「生きていたな……」
智律:「……あの状態でも…、生きていたです、ね…。」
おやっさん:「うむ。報告ではそのようになっていたな・・・」
ジョニー:「その適合性が現れる理由…答えの幅は狭い…”彼女”の生命力は人間どころかエミュレイターすら凌駕しているのかもしれない…。もし、”その一部”が瀕死の人間と融合または共生した場合…どういう結果になるだろうか?」
弓:「………あの時、沙弥に守ってもらった時点で…腕そのものではないにしても、欠片のようなもので、命を繋ぎとめてた?」
ジョニー:「…あくまで仮説だが…おそらく、そうだろう…」
やよい:「多分、彼女は・・・自分の命を削ってでも、そうしたでしょう・・・」
尽:「十分有りうる話か・・・」
怜:「……だろうな……彼女も……夜の王の一族の一人だから」
智律:「……はぅ。」
怜:「……不死者の”何か”で生命を維持するということなら、十分可能だろ」やや自嘲気味に
ジョニー:「弓の身体に欠片があったとして…元々同じ身体であった右腕と馴染むのは…自明の理だ…」
おやっさん:「すべては未来に生きるものを護る為、明日への希望をつなぐ為、か・・・」
弓:「……………………………………………………………………………………(珍しく、気弱そう?な雰囲気で、自分の体を抱いてる)」
怜:「…………」弓の肩を抱こう
尽:「・・・そろそろ、本来の話題に戻ろうか?」 二人の様子見て >ALL
弓:「……そうね…(っすう、と深呼吸して)…重要なのは、私じゃない。…その理由を推測する意味もない。」
ジョニー:「…仮説とはいえ…大胆すぎたか…」気弱そうになった弓を見て
弓:「……それに…やっぱり、ドクがカーオス公爵だっていう根拠には、ならない。」
怜:「……根拠どころか……全然別の調査してたな(苦笑して)」
ジョニー:「OK…。俺のたわごと聞いてくれて有難う…」
怜:「……カーオス公爵の所まで戻ろう」
智律:「はいです…。」
おやっさん:「では、率直に・・・カーオス公爵の一連の行動についての検証に取り掛かろう。その存在が確認された、最初のケースである白家の事件・・・ついで冬将軍の事件、そしてアズラエルの事件・・・どこかに共通項があるはずだ」
怜:「……アンブラが原因だ、プロジェクト=デミウルゴスが云々とはあの映像で言っていましたけどね」
おやっさん「そうだな。そこで、これまでの一連の行動を考えるに・・・彼の関わった事件で誰が一番得をするか?という事を考えてみようか。」
尽:「得・・・ですか・・・」
怜:「……結果として、アンブラの評判落とすことになるわけだから……得するのはアンブラの対抗企業になりますね」
ジョニー:「オカジマ・・・トリニティ・・・オクタヘドロン…」(企業名羅列中)
怜:「そして、エルツフェルズ博士の評判も下げることとなる。何故なら……今、箒関連の開発主任はエルツフェルズ博士だから……そして箒関連でもアンブラとトリニティは争っている」
弓:「…………………………………………(黙ってる)」
怜:「弓……企業同士のいがみ合いで考えるなら……ドクは嵌められた……と俺は思う」
弓:「…(くす、と微笑んで)…別に、沈んでないわ。…ドクは…違う。…その考えは変わらないわ。」実際、ドク=カーオスとすると、不自然な点だってあるしね
ジョニー:事件の前後で性格や行動が豹変している事?
怜:「……俺はドクじゃないって……ある程度確信持った。理由はさっき言ったことそのままだ」
GM:すると、尽・・・0−Phoneに着信だ。相手は・・・フォイエルバッハ枢機卿。
尽:「失礼・・・」ちょっと離れて受けます。「フォイエルバッハ卿ですか? 先程はどうも。 で、何かわかりましたか?」
フォイエルバッハ枢機卿:「カーオス公爵の件、気になってダンガルドのマーリン師に問い合わせてみた・・・聞いたところによれば、アンブラの技術者がその正体らしいという話らしい。」
ジョニー:ぐは
弓:うわーん、ひろまってるよー><
怜:広めないでくれ枢機卿〜Σ( ̄□ ̄lll)
尽:「・・・私も直接会った事のある人物です・・・」まあ、ダンガルドまでは仕方ない範囲だけど。出所だし。
GM:そう尽に聞かされたから、枢機卿はマーリンに問い合わせたのだ(笑)
フォイエルバッハ枢機卿:「その人物はドイツ系の名前だったようなので、少し書庫で調べてみた・・・」
尽:「ありがとうございます。それで、何か見つかったのでしょうか?」
フォイエルバッハ枢機卿:「するとその名前は、確かに国内で見られたものだったよ・・・ただし、今から700年ほど前にね」
智律:むは!?
怜:700年前Σ( ̄□ ̄lll)
尽:「・・・700年・・・!?」
ジョニー:・・・メタルギアソリッド2の「愛国者達」を思い出す
フォイエルバッハ枢機卿:「ああ、名前としてはドイツのとある領国の領主として・・・だが、今は断絶しているという事だ・・・最後の城主は、戦火の中で行方不明となり、死体も発見されなかったらしい」
尽:「断絶ですか・・・。」
フォイエルバッハ枢機卿:「もちろん、直接の関連は不明だが・・・こちらで見つかった資料はこんなものだったよ」
ジョニー:当時の肖像画とか残っていないだろうか…?
智律:…んー、全て焼け落ちてるでしょうな…。
ジョニー:ぬうう(苦笑)
弓:700年前からいて、肖像画で、公爵で、ドイツで・・・・・・・・・声優、速水奨さんに決定だ(笑)
尽:「つまり、700年前に実在した名前って事だけ、わかったんですね? それだけでも参考になります。感謝します。」
フォイエルバッハ枢機卿:「いや、この程度しか役に立てず、申し訳ない・・・」
尽:「いえ、十分です。、それと、こちらからも一つ・・・」
フォイエルバッハ枢機卿:「ふむ、何かな・・・?」
尽:「この件には企業間の利害が大きく絡んでいる可能性が高くなりました・・・。 エミュレイターの関与は今のところ不明です。」 若干誤魔化してるけど(笑)
フォイエルバッハ枢機卿:「そうか・・・正直、そのあたりは専門外なのでね・・・」
尽:「また、その争いで犠牲も少なからず出ています。 枢機卿にも、慎重に行動する事をお願いします。」
フォイエルバッハ枢機卿:「解った。忠告感謝する・・・」
尽:「エミュレイターとの関連がわかりましたら、改めて報告します。」
フォイエルバッハ枢機卿:「ああ。それは頼んだよ・・・では、主の加護があらんことを」
尽:「・・・神の加護があらん事を。」 とか締めて切ります。 んで、皆の元に移動〜

◆ ◆ ◆

尽:「若干だけど、情報が入ったよ・・・。」
怜:「……何か情報が?」
尽:「カーオス公爵とは、700年ほど前のドイツに実在した名前だそうだ。・・・」以下かくしかで

怜:「700年前……って……」
ジョニー:「・・・700年前のドイツにか…」
智律:「…はや…? そ、それって…。」
ジョニー:「…名前を騙っているのかあるいは…本人か…」
怜:「……仕方ない……伯父上に聞いてみるかこれは……(苦笑して)」
尽:「まあ、価値のある情報かどうかはわかんねーけどさ(笑) 一応、こういう事も考慮しねーとな。」
怜:「……裏取ってみるよ……ちと時間かかるかもしれないけど」

怜は、レオンハルトに連絡を取ろうとする…コネクションを持たない以上、
門前払いもやむなしと決断した上での行動であった。だが・・・

レオンハルト:「カーオス、ね・・・という事は、ドイツ系かな? ふむ・・・」
怜:「そうです、ドイツで……1300年代に実在した領主ですけど」
レオンハルト:「・・・へぇ、中世西欧史に興味でも出たのかい・・・?」
怜:「ええ、多少」頷いて「その時に家系は断絶しているということですが……少々気になることが起こっていましてね」
尽:お貴族様な会話だ(笑)
レオンハルト:「ほほぅ。よかったら聞かせて欲しいものだけど・・・」
怜:「……少々、お待ち下さい」

怜は全員の許可をとった後、改めて・・・カーオス公爵の事を話し始めた。

怜:「(かくしか)……という事情で、調査していたら700年前のドイツという話がぼろっと出てきたわけです」
レオンハルト「・・・・・・なるほどね。それで、その一族なり個人について、僕に聞いてくる理由がいまひとつ読めないのだけどね?」
怜:「夜の貴族の関係者だとしたら……と考えたからですよ。そうしたら貴方に確認するのが最も確実なので」
レオンハルト:「なるほどね・・・ときに君は、僕ら『夜の貴族』の存在意義について理解しているかね?」
怜:「……殆ど理解してないですね(苦笑)」だって〜そういう話も教育も全然されてないし(苦笑)
レオンハルト:「なるほど。まあそれも詮無い事・・・としておこうか・・・僕たちの存在意義を理解できれば、答えもおのずと見えてくると思うよ。」
怜:「そのうち伺いに行きますよ……とそれはさておきカーオス公爵なる人物の件ですが……中世西欧史、といいましたね?」
レオンハルト「1300年代でドイツ系の名前とくれば、そう考えるのが普通と思うけどね・・・」
怜:「……ドイツの付近は神聖ローマ帝国の領土だった時代ですね」
レオンハルト:「ああ、その通り・・・それで?」
怜:「……つまり……夜の王の関係者ではない、後は自力で調べなさいねということですか?」
レオンハルト:「・・・少なくとも、君に話せるのはそのくらいだな・・・今はね」
怜:「……今は、ですか(苦笑して)……お手数おかけしました、また連絡するかもしれませんから。その時はよろしく……伯父上様」
レオンハルト:「では、最後に質問だ・・・君は人類か、我らの同胞・・・どちらかという事だ。それをはっきりさせたら、また連絡をしてくれたまえ。気長に待っているよ」
怜:「現時点では、どっちでもあって、どっちでもないと思っていますね……肉体は不死者のものになりつつありますけど」
レオンハルト:「・・・・・・・・・・・・・・・・では、いつまでもそのままでいられはしない、という事だけ覚えておきたまえ。君にその意思があるなら、僕らは歓迎するよ。」
怜:「……最終的にその意思はあるとだけ、今は言っておきますよ」
レオンハルト:「・・・・・・・・どうかな(フッ)」


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