【外伝・第1章】
惨劇が残したもの
<PART−08>
あらたな進展
金沢八景での出来事から、数週間後。一同のもとに…ひとつの訃報が舞い込んできた。
亡くなったのは「柳沢 セツ」という名の老婦人。
彼女は自宅の縁側で、大往生を遂げていたという。
・・・懐に、『娘』として愛した少女の写真を抱きながら、あたたかな陽の光の下で。
智律:・・・・・・・・・・・・・・・・・ゑ・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
真琴:・・・・・・・
尽:・・・・ やっぱり。
智律:「そ、そんな・・。だ、だって、だって、ちょっと前にあったときはあんなにお元気で・・・!?」
GM:これは後で聞いた話なんだけど、セツは既に末期がんに冒されていて、そう長くは生きられなかったという・・・まさしく、気力で生きていたといっても過言ではない、といえるだろう・・・。
尽:「・・・」尽にはなんとなくわかっていた・・・けど、ね。
GM:そして・・・遺言書にはこうあった。「すべての財産を、愛する娘・・・沙弥に譲渡する」と。
尽:弔問に・・・行けますか?
GM:もちろん、弔問には行けるけど・・・訪れる者は、そう多くはなかった。少なくとも、ウィザード達のような若者は。
尽:もちろん皆も行くだろう。4人で行こう。手土産を持って。<弔問
智律:「僕は・・・僕は・・・・。」混乱しつつも、弔問におとずれます。
真琴:「・・・・・・・・・・」
尽:「・・・真琴君・・・ 君は間違ってない。思いは、俺達が伝えればいい。」
真琴:「・・・・・そう・・・思いたいです(にこり)」普段より・・・やわらかい笑顔で
尽:「俺は、そう思ってる。はは…君が、悔やんでいたとしてもね。」約束するように言う。
真琴:「悔やんでなんて・・・いませんよ・・・・・。そんなことしたら・・・・・・あの『二人』に失礼ですから(にこり)」
尽:「そうか・・・・そうだね・・・」
GM:ともあれ、「沙弥」がもはや存在しない以上、セツの遺品がどうなるかは不明なのだけども・・・。
尽:彼女が逝ったあとの気がかりは・・・あの着物だけど・・・沙弥の戸籍上の扱いはどうなっているのかわかります?それと、セツさんの遺族の意向はどうか?と言う事も知りたいのですが。
GM:沙弥は・・・「死亡」という事になっているね。遺族は・・・まあ、これもほとんど地元を離れているが故に、やむなくすべてを処分するようだ・・・。
尽:行方不明は7年でしたっけ・・・でも、家族が届け出ない限り、死亡扱いにはならなかったはず。
GM:いや、15年前の大戦、こと楠ヶ浦学園での行方不明者は「死亡」としてカウントされているのです・・・慰霊碑があるから、それは間違いないのだけれどね。
尽:処分するなら・・・なんとか引き取れないですか? 着物だけでも。
GM:まぁ、着物を引き取る事は可能ですね・・・あと、沙弥のアルバムもついてきます。
尽:おお、アルバムを失念していた。不覚。
真琴:では・・・引き取りたいです・・・<着物、アルバム
尽:というか、是非引き取りましょう。
GM:了解、では着物とアルバムは真琴が引き取るって事で・・・。
尽:預けましょう。真琴君に。それはもしかしたら残酷な事かも知れないけれど・・・
真琴:いいえ、一度は袖を通したものの使命でしょう・・・
智律:お願いします。
真琴:ありがと・・・あとは、杉崎博士探すだけですね
尽:無論・・・ここまで来て、捜さない訳には行かない。
決意を新たに、金沢八景を後にしたウィザード達は…
情報をまとめるため、「MonAmi」へと集まった。
怜:あ、質問……Monami、喫煙席あります?(爆)
おやっさん:奥のコーナー席になるよ(笑)
怜:あいや(笑)<コーナー席 必要な時に吸いに行きゃ良いか(笑)
尽:さて、、、と。
真琴:では、早速
尽:まず、セツさんに黙祷を捧げたい・・・けど、異論あるかな?
智律:無論ありません・・・・。>黙祷
真琴:異論は、もちろん有りませんよ
怜:全く問題なし
尽:あの人には世話になったし・・・彼女の思いを忘れない為にも。 黙祷。
真琴:「セツさん・・・安らかに・・・・Amen」
智律:「どうか・・・・・・、どうか、安らかに・・・・・・・・。」
怜:「……彼女に安らかな眠りよあれ……」ぽつりと
尽:「・・・」黙祷。
怜:「……Amen」
黙祷が終わるや、怜は崩れ落ちるようにカウンター席へ座り込んだ。
怜:「おやっさん〜何時ものやつといいたいところだけど……特盛りで」(爆)
おやっさん:「おぅ。何かあったのか・・・?」
尽:「最近腹減るんだそうですよ(苦笑)」
怜:「腹減るし苛々は収まらないしって状態がずっと続いてて……最近特に酷いんです(苦笑)」
おやっさん:「そうか…じゃあ、今作らせようか」
やよい:「それでは、少々お待ちくださいね♪」
怜:「すみません(苦笑)」
尽:「でさ、何から整理しようか・・・」
真琴:「まず、私達のところからが良いのでは?あまりD=G自体とは関係有りませんし・・・」
尽:「・・・ん、そうなんだけど・・・」
智律:「あの・・、その前に僕、お義母さんに聞きたいことがあるです・・・。」
尽:「あ、智律…何かあるの?」
怜:「ん?どうしたさ?」
真琴:「あ、先にどうぞ」>智律君
やよい:「・・・? 何ですの?(^^)」>智律くん
智律:「あの・・・。その・・・。もし、よかったら、お義母さんの、もう一人の妹さんのことも教えてもらえませんか…?」
怜:「……」大人しく話聞くことにした。
やよい:「あら・・・その事でしたのね。沙弥ちゃんではなく・・・?」
智律:「・・・・はい、です・・・・。」
尽:「やよいさんの妹さん・・・?」
真琴:「沙弥ちゃんで無く・・・と言う事は沙弥ちゃんも?しかし・・・」<妹
怜:「……?」内心:妹?
尽:「しかも、沙弥ちゃんって・・・ え!?」
怜:「……ここは、黙って話聞こう……」>尽
やよい:「その前に・・・あなたに教えた話を、あなた自身でお話ししてみてはいかがかしら・・・?」悪戯っぽく笑って、智律くんに視線を移す(笑)
智律:「・・・・・はい・・・、です・・・。ええと・・・・・・・、お義母さんの、・・・・二つ名は皆さん知ってるですか・・・?」
真琴:「やよいさんの二つ名ですか・・・」首を振る
怜:「知らない……というか聞いたことはない」
尽:「いや、聞いたことないけど・・・」おやっさんのは知ってるだろうけど(笑)
おやっさん:(私の二つ名は、尽君には話しているが・・・若い衆には話してないな:笑)
やよい:「・・・ええ。話してませんしねぇ(平然)」
智律:「『ウルズ・ザ・ノルン』……。 時を司る三姉妹の長女…、これがお義母さんの二つ名です…。」
怜:「何!」
真琴:「運命の三姉妹・・・その長女ですか・・・」
怜:呟き「そっか……三女神はこっちだったのか……」
やよい:「できれば忘れておきたかったですわね(苦笑)」
智律:「あ、あぅ・・・。やめた方がいいですか・・・?」
やよい:「いいえ? なにぶん、過ぎた話ですし(^^)」
尽:「とすると・・・やよいさんは、楠ヶ浦学園の・・・」
怜:「楠ヶ浦の……守り、三女神の一人……」
真琴:「臥龍の守りの一柱、ということですか・・・」
やよい:「そう・・・もっとも、既に終わった話ですけどね。ずっと、昔に・・・。」
尽:「あ、・・・」
真琴:「すみません・・・・・」
怜:「……傷をえぐってしまったようですね……申し訳ない」
智律:「あぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。そんなに悲しい顔をしないで下さいです・・・・。」
やよい:「いいえ。遅かれ早かれ、明らかになると予測は出来てましたからね・・・(苦笑)」
尽:一言多い怜の足を踏んでおこう(笑)
怜:「……」少し顔をしかめるけど、ごめんという表情で返す>尽
尽:「・・・」その顔を見て、すっとお足を放す(笑)
真琴:二人の様子は気づいてるけど何も言わない・・・
怜:「……すまん、続けてくれ」>智律
智律:「・・・ええと、・・・・・はいです・・・・。」
怜:呟き「なら、ベルザンディとスクルドは?」
智律:「それで…。沙弥さんは、お義母さんの『妹』さんで…。あの『日』に…、トモダチを守る為に戦って…。行方不明になったそう、です・・・・。」
尽:「・・・・・・そうだったのか。」
怜:「そういうことだったのか……なら、納得が行くな……」
真琴:「それじゃあ沙弥さんも・・・ノルン?」
やよい:「そう、沙弥ちゃんはヴェルダンディ・・・ユグドラシルの、ふたりめの守り手。」
智律:「沙弥さんは・・・・・・、『現在』の・・・。」
尽:「それで、あと一人の事が気になるって訳か・・・」>智律君
真琴:「では・・・『未来』のノルンは・・・・」
やよい:「そして最後の1人、スクルドは・・・カレン=尼崎。沙弥ちゃんよりも、もっと小さかったですわ。」
怜:「カレン……?」
智律:「……カレン=尼崎………? あ、あれ…?」
真琴:「カレン・・・尼崎・・・・・?」違和感を・・・
尽:「カレン・・・・」思うことは皆同じ(笑)
怜:ふと、華恋を思い出す。
やよい:「彼女は、日本人と北欧人のハーフでしたの・・・とても明るい子でしたわ。」
怜:「ハーフ、ですか……」華恋の髪の色は黒だなと思い出しつつ、内心:そういやもう一人のカレンもいたな……あの子、霧澤可憐。
智律:むしろ、尼崎が引っかかるけど・・・。なんだったっけ・・・?
尽:尽は、実はどちらのカレンとも面識薄いので、いたなあ・・・という位の感想ですが(笑)
やよい:「わたくし達が携えていたのは・・・(ここで、透明な翼の付いた箒を取り出す)・・・この『ユグドラシル』。3本揃う事で、世界結界を強化する力を持っていましたの。」
怜:「……」やよいの言葉聞いて沈黙&考え込み
尽:「他の二本は・・・やはり、あの時に?」おそるおそる尋ねる。<ユグドラシル>やよいさん
やよい:「そう・・・永遠に失われてしまいましたわ。カレンちゃんも、沙弥ちゃんも・・・そして、わたくしとこの『ユグドラシル=アルファ』のみが残りましたの。」
尽:「そうですか・・・」慰めても何にもならないのはよくわかっているから、極めて簡潔に。
怜:「……そう……だったんですか」
真琴:「・・・・そういう、事だったんですか・・・・」少しだけ、対応が違うの・・・
やよい:「けれども、わたくしはかつて、こうも教えられてますの・・・三人の女神は時を越え、必ず新生すると。」
尽:「・・・・・・」それが真実であって欲しいけど・・・失ったものは帰らないから・・・何も言わない。
智律:「・・・・・・・。かの神話は…、たとい全てが失われようとも、新たに芽生え、あるいは消えずに残るものから新たな世界が生まれる・・・・。そんな話だったと思うです・・。」
真琴:「それって・・・・いつかまた・・・・・・でも・・・」<時を超え、必ず
怜:「……」それでも、過去には戻れないのが現実……流れた時間だけは絶対に取り戻せない……
やよい:「・・・・・・ただし、それがいつになるのかまでは、わたくしにも分かりませんわ」
おやっさん:「おそらく、本郷学長が危惧したのは・・・3女神が新生するまでの間の空白だろう。それ故に、新たな守りを置いたのだと私は思うがね」
怜:「より強力な守りとして選ばれたのが”八方守護陣”……」
尽:「守りは多いほど良いですしね。」
おやっさん:「そうだな・・・そして、おそらくはその守りが完全になるまでにも時間が掛かると見て、各勢力はウィザードをこの地に集めたのだろうな。」
智律:「………運命の輪は巡り廻り…。新たな姿を得…。なれど、『時』は、それが現れた瞬間から、生まれ出もの……。」 ふ、と、怜お兄ちゃんと、尽お兄さんを見ます
尽:「ん? どうした?」ふと気付いて、優しく笑う。>智律君
智律:「あ、……ちょ、ちょっとぼぅっとしただけです…。」>尽お兄さん
尽:「それで、智律は他に何か聞いたのか?」
怜:「智律……覚えている限りでいい……話して欲しい」
智律:「(ふるふる…。)僕が聞いたのは、後は沙弥さんと僕が性格もよく似ている…。ただ、それだけです…。 もう、僕が知っていることは何もないです…。」
尽:「そうか。ありがとう(ははっ)」
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