【外伝・第1章】
惨劇が残したもの

<PART−18>


謎と真実の深淵


現れた地下への入り口に、少ない明かりだけを頼りに足を踏み入れていくウィザード達。
下り階段の途中にあるプレートには・・・「非常口」と示されている。
どうやら、一同が入ったのは非常口だった、らしい。

真琴:「・・・なるほど、内部で何かあったときの非常口、ということですか・・・」
尽:「うむ、どこかからの脱出口のようだな。恐らく。」
GM:長い階段を降りきると・・・真っ暗な廊下へと続いている。雰囲気的には、どこかの研究所のようだ・・・。
智律:「・・・・・一体、この施設は・・・・・?」
怜:「……」警戒モード。周囲とあと、匂いに気を配ります
真琴:何か仕掛けでもないかと警戒・・・
智律:「・・・・・・先に進めば、わかるです・・・・・。」
尽:部屋の古さも観察・・・で、どこなのだろうか。

壁の古さと床の埃からして、施設的には・・・20〜30年くらいは前だろうか?
そして・・・智律以外の面々は気付く。壁の一角に、地図のようなものが掛かっている事に・・・。

真琴:「あれは・・・・」地図らしき物を観察〜
怜:「これの事か?」地図に蝋燭を掲げましょう
智律:「・・・・・・なにか見つけたですか?」
GM:その地図は・・・見たところ、この施設の全体をカバーしているようだ。そして、その名前は・・・

「私立楠ヶ浦学園極秘施設 D開発研究所」とある!!

尽:「・・・!!」
智律:「これは・・・・・・!」
真琴:「・・・・・・D・・・・・大当たりですね(ポツリ)」静かに
怜:「ここでも、”D”か……!?」0−PHONEのカメラ機能で撮影して、ピグマリオンに送ります。
GM:地図によると…「C−AREA」「M−AREA」「L−AREA」「P−AREA」のほか、会議室と物置、簡易寝室があるようだ。
智律:C・M・L・P・・・・・・・?
真琴:「・・・・全部回れば一番手っ取り早いですが・・・・内部の警備システムが生きていると厄介ですね・・・・」
智律:一つずつ見てまわるのがダンジョンアタックの基本ですか。
GM:内部は沈黙したまま・・・動くものは一同のほか、何もなさそうだ。少なくとも、今のところは。
怜:「何で、アルファベット順じゃないんだ?」データ送りつつ「それとも、頭文字に意味があるとか?」
智律:「・・・多分、そうだと思います。」
尽:「まあ、普通に考えれば、何かの頭文字だろうな。」
真琴:「そうでしょうね・・・例えば・・・CはCoreとか・・・・」
GM:一番奥にあるのが「P−AREA」。一番大規模なのは「M−AREA」のようだね。
怜:それと、現在地点入ってきた場所から推測できますか?
GM:可能だね・・・そこは間違いなく、楠ヶ浦学園・高等部校舎の地下だ。
真琴:「さて、何処から行きますか?」
尽:「各エリアを調べる前に、共通エリア(会議室等)を調べてみないか? この施設のことがわかるかもしれない。」>ALL
智律:「・・・・・・・僕は皆さんにお任せしますです・・・。」
怜:「それなら、まず倉庫かな?」
真琴:「ふむ・・・ではどんどん調べましょう・・・時間が惜しいですから(くす)」
尽:「じゃ、怜の言う、倉庫あたりから手をつけるか(ははっ)」
真琴:「そうと決まれば、早速参りましょうか(くす)」

かくて、一同は倉庫に到着・・・いろいろな消耗品や備品が、それなりに整然と並べられている。

怜:注意して探しますが…資料とか、機具とかの類はあります?
真琴:えーと、一般的なものばかり?
GM:消耗品とは・・・プリントアウトのためのコピー用紙やインクリボン、備品といえば机やイスなどだ・・・
智律:どんな系統の機材があるかな・・・って、一般品だけか。一応調べます。
尽:ごそごそ調べてる・・・

それは、本当に単なる偶然だったのか…他の面々が普通の備品しか発見できない中、
智律だけが、明らかに異常な物体を部屋の隅で発見する。

智律:「はぅ・・・・?これは・・・?」
真琴:「何か見つけましたか?」>智律君
智律:「何か見つけたです・・・・。」

彼が見つけたものとは…細長くて、優美なブレードと砲身が付いた、それにしては何かが足りないもの。
そう。それは「パワーユニットのない、箒に似た物体」であった。

智律:「・・・・・・・・これ・・・・・。『箒』じゃないですか!?」
GM:パワーユニットは・・・明らかに、元あった場所からこそぎ取られている様な感じだ。なので、このままでは武器としての使用も、箒としての使用も不可能だね(^−^;
尽:「・・・何?箒?」自分の箒を出して比較してみます。
真琴:「『箒』ですか?」よくよく見てみる
怜:「どれ?」どの形状の箒でしょう?
智律:あえて言うならば、ストロングホールドではなくエンジェルシード、ですか。
真琴:エンジェルシードの類かな?それとも・・・
GM:タイプとしては<白・射>・・・ストロングホールドかエンジェルシードに似てなくもないけど、市販されている箒のいずれとも異なる・・・非常に、信じられないくらい流麗なフォルムを持っているね。それだけに、パワーユニットを抜かれた穴が不自然に見える。
怜:智律〜やよいさんから見せられた箒のこと思い出して〜^^;
智律:「あ・・・・・・。そうだ!『ユグドラシル』!?」
真琴:「・・・確かに・・・・やよいさんが言っていましたね・・・『ユグドラシルユニット』と・・・・」智律の声を聞いて・・・
尽:「・・・前にやよいさんの言ってた・・・」
GM:智律が見るや、なるほどフレームには「ユグドラシル=ベータ」を現す文様が刻まれている・・・!!
智律:「βシンボル・・・・!? じゃあ、これは・・・・・・・・・、沙弥さんのじゃあ!?」
真琴:「もしくは・・・途中で廃棄になったものかもしれません・・・・」
智律:「…やよいお義母さんがもっていた、『箒』です…。沙弥さんや、尼崎さんと三つおそろいだったはずの箒です・・・・・。」
尽:「しかし・・・パワーユニットの行方が気になるが・・・」
真琴:「まさかパワーユニットが一人歩きするわけも無い・・・・誰かに外されたと考えるのが自然ですね・・・・」
怜:「……まさか……いや……」
智律:「・・・・・・・・・・・・・・・。」
怜:「何かの実験のために抜かれた……しかも、順番どおりなら、これは沙弥さんのもの?」
智律:「・・・・・・やよいお義母さんがもっていた箒にはアルファ、とあったですから・・・・・・・・。」
真琴:「そうですね・・・とりあえずこれでフレームだけならやよいさんのを含めて2本目、となりますね・・・」
怜:「そうか……なら、ガンマもあるはずだろうな……」
尽:一応回収しておこう・・・残った部分だけでも。
GM:パワーユニットを装備すれば、箒としては使えるだろうけど・・・当然、当初の性能の足元にも及ばないだろうね・・・。
尽:自分の箒出して、結わえ付けておこう・・・長いし(笑)それとも智律君持つ?
真琴:月衣に放り込んでおくのが一番かと(笑)
智律:「・・・・・・これは、もっていくです。 ・・・・いいですか?」
怜:回収は問題ない……智律持っててね(笑)
智律:もちろん。・・・・・・重くてつかえませんが、しまってはおきます(笑)
尽:じゃあ、智律君にβは渡して・・・箒は出したままにしておこう。

続いて、ウィザード達が足を踏み入れたのは「会議室」・・・
そこにはいくつものテーブルと、その倍以上の数のイスが配置されている。
壁面の黒板には、チョークで15年前の夏の日付・時間と
「臨界実験決行日」という文字が大書されていた。

智律:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これ、は・・・・・・・・・・・・。」
怜:えっと……表向き震災の日、大戦開始の日って思い出せますか?
GM:それは問題なし〜。何故ならその「臨界実験決行日」こそ、大戦が始まった日だからね。
真琴:「第七艦隊が・・・現れた日・・・・・・ですね・・・・」
怜:「大戦の、開始の日……」
尽:「・・・あの日のまま・・・・・・」
GM:黒板にはそのほか、「沙弥」という単語と、Sが頭に付く数字が2〜3記されているね。それらの上には、チョークで叩かれた跡が見える。
智律:「ここで一体何が・・・・・・!」
GM:ちなみに机の上には、吸殻で埋め尽くされた灰皿と飲みかけたまま蒸発しきったコーヒー、そしてわら半紙の印刷物。周囲の埃を度外視すれば、つい昨日まで使用していたかのように。
尽:「・・・会議した日、そのままだな。」
怜:「……何らかの実験をしようとして、予想外の出来事が起こった……ってことか?」椅子の様子を見つつ
真琴:「・・・・・・・・・・そして制御できずに・・・・・(くす)」幾分皮肉った笑みで
尽:「まあ、考えつくところは恐らくみんな同じさ・・・実験のその日、何が起きたか考えればな。」
怜:「……これ、写真に残しておいても、良いね?」
尽:「無論だよ。・・・おやっさんにも見せたいしな、任せる。」<写真
智律:「・・・・・・・・・お願いしますです・・・・・。」
真琴:「・・・・(こくん)」頷きます<写真
尽:注意して印刷物を調べます。
智律:じゃあ、こちらは黒板を調べましょう
真琴:「さて、何が書いてありますか?」尽さんの手元の印刷物を覗き込む

尽が手に取ったそれは・・・「D計画」の日程管理と、臨界実験に立ち会う担当者の名を連ねた書類であった。
その中には・・・「マスター=ジェスター」を除く4人の科学者と、その助手達・・・30人ほどに加え、
「プロフェッサー=コス」という、いまひとりの科学者の名も記されていた。
そして無論、沙弥と黒板にあったS数字も全部書いてある…。

GM:ちなみに、「プロフェッサー=コス」と「ドクトル=エルツフェルズ」の名前には、鉛筆で斜線が入れられている。
尽:「これも残しておいた方がいいな…」持ち運べそうなら、印刷物を月衣に入れます。崩れそうならそのままに。
GM:あ、大丈夫・・・15年程度では崩れません(笑)
尽:「・・・」資料を良く読み返す・・・Sナンバーの意味はわかるだろうか。
真琴:「・・・・・他になさそうですし・・・次に行きますか?」ちなみに・・・余裕ありそうで内心ちょっと煮えてます・・・・
智律:「・・・・・・・・・・・・・・・・・そう、ですね・・・・・。」(ぎゅっと拳を握って)
GM:ちなみに、わら半紙の書類に、それぞれのエリアの意味は書いてあった・・・Lは「Library」、Cは「Cloning」らしい。
尽:M,Pは?
GM:Mは「Mechanic」、Pは「Primal」らしいね・・・>尽
真琴:「LエリアかCエリアか・・・・ライブラリーとク・・・・・」途中で読むのをやめる・・・
智律:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。Cから、いってもいいですか?」>ALL
真琴:「・・・ええ(こく)」頷く>智律
尽:「行こう。」

かくして一同は、智律に引っ張られるように「C−AREA」へ足を踏み入れる。
ここは、特にすえた臭いが漂っている…なにやら化学実験室のような設備がいくつも立ち並び、
全身タイツのようなものを纏ったいくつかの白骨死体が、床に散らばっている。

尽:尽(人造人間)が、見たことがあるような施設ですか?
GM:ちょっと似ているかもしれない…といったところかな。むしろ、別のものを作るための施設だろうね。
智律:・・・・・・・・あ〜、もしかして、デス=マゴークの戦闘員?(笑)<全身タイツ
GM:そんなものではないぞ(笑)むしろ、体躯はずっと小柄で・・・そう、子供・・・とでも言うべきかな?
智律:「・・・・・まさ、か・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
真琴:「・・・・・これは・・・・つまり・・・・(ぎりっ)」歯を噛み締める・・・・
尽:「落ち着け・・・」智律と真琴君の肩に手をやる。
真琴:「・・・・・(はぁぁ・・・)・・・すみません」大きく息を吐いて落ちつく・・・>尽さん
智律:「・・・僕は、大丈夫ですよ・・・。」>尽さん
尽:死体から見て取れる、外傷はありますか? タイツが破けてるとか。
智律:どんなタイツですか…?
GM:いくつかのプラグのようなものが付いているそのタイツには・・・どれにも大きく、焼け焦げたような形跡があるね・・・そして、胸には一様に【S】をデザインした文様がある。
智律:「・・・・・・・・・・・・これは・・・・。『S』?」
真琴:「S・・・・SAMPLE・・・・SAYA・・・」思いつく単語を上げていく・・・
GM:タイツの胸の部分には、一様に2桁の、様々な数字が記されている・・・
真琴:二桁・・・シリアルかな?
GM:おそらくは、そうだろうね・・・<シリアル>真琴
尽:焼けこげを見てみます。 これは攻撃されたもの? それとも、何かプラグの暴走とかで燃えたもの?
GM:見たところ・・・何らかの攻撃を受けたものと推察できるね。>尽
尽:「・・・」跡を確認。<攻撃を受けたもの
GM:おそらくは火属性の射撃攻撃、もしくは魔法攻撃によるもののようだね。>尽
真琴:「・・・これは・・・襲撃された・・・という事でしょうか?」>尽さん
尽:「攻撃を受けたことは、間違いないみたいだな。」>真琴君
智律:・・・・・・では、こちらは設備の確認をしましょうか。

派手に散らばされた実験用機材・・・しかし、智律はその機材のひとつに、違和感を感じた。
その機材は楠ヶ浦学園のものではなく・・・いや、スペリングを見るに、
イシマール大学のものだろうか!?

智律:「・・・・・・これ・・・・・。イシマール大学の!?」だぁぁぁぁぁぁ、とっととコネを取得しておくべきだった(笑)
真琴:「イシマール大学?・・・つまり何か提携でも・・・・いや、そういえばイシマールの教授がいましたね・・・」
怜:「いたよ……イシマール大学の教授……」
GM:英語に堪能な面子が見れば・・・その機材は「イシマール大学遺伝子工学部」からのものであると解るね。
真琴:「『イシマール大学遺伝子工学部』・・・ですか・・・世界を又にかけての企みのようですね(くす)」目が笑ってないけど
怜:「遺伝子工学部?」覚えておこう。
智律:「・・・・・・・・・・・・・・・。」
尽:もう少し調べたいが・・・その前に、智律の様子を見てみる。
真琴:もう少し調査したいです。一体何をする器具が揃っているかくらいは調査したい。


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