【第6夜】
魔術師みちのくぶらり旅

〜葛葉 凛篇〜

<PART−07>



凍て付く風の激闘


さぁ、戦いだ。・・・敵は前衛にフロストゴーレム3体、後衛はなし・・・
ウィザード側は、
前衛翔真・凛・弓、後衛アドノレのグループと、
それとは別に前衛【そら】、後衛可憐のチーム。

ただし、【そら】と可憐の2人は、番外編から合流してきたばかりなので、
まだウィザード達はおろか、敵にも察知されていない状況だ。
ちなみに、ここから新収録なのだが、響PLさんが現われない…
(これは、のちにやむなき事情と判明)
そこで、ピョートルともども、今回は後方で待機となっている。

可憐 >私とそらさんはいない<状況
GM >可憐とそらりんは−5されているのに注意〜。仲間達と完全に合流すれば、ペナは消えます。
>「退いてって言っても聞いてくれそうにないから、速攻で倒すよ!!(ビシッ)」
翔真 >「時間に余裕が有る訳でもないからな。」
>「…硬そうだけど…ね」
>「大丈夫だよ〜翔君との特訓の成果を見せてあげる!!(自信の微笑み)」>弓
アドノレ >「名乗りをあげたいなら聞いてやるぞ」>凛
>「アドっちに聞いてもらっても、仕方ないもん!」(笑)>アドノレ

敵はまったく同じタイミングで、縦一列で統制の取れた動きをとってくる…
このあたり、原始的人造生物ならではというところだが、前進してくる一番前の1体に、
アドノレがまとう炎が、斥力場で凝縮され投げかけられる…『メルトアームズ』!

「少しくらい溶かしておいてやろう」
フロストゴーレムの身体から、凄まじいまでの湯気が立ち上り…周囲に、氷の粒となって散る。
そして、それを皮切りに…翔真と、弓が動いた!!

>どうやら翔真くんは凛でなく弓を選んだらしい(爆)
翔真 >あっはっは^^;では今回は弓ちゃんとコンビネーションアタックを(笑)<凛ではなく弓を〜
>浮気者〜!!(>_<)!!(笑)
翔真 >特訓の成果を見せて貰うつもりなのでしょう(笑)<浮気者
>見てろ〜!!(笑)
>では、敵のJSAを潰そう(笑)
>踏み台にしないと(笑)>JSA

「確実に数を減らして行く……。」「………………そのつもり…。…………」
翔真と弓が目指したのは、同じ相手…アドノレの炎を浴びたゴーレムを踏み台にして、2人は次のゴーレムへと斬り掛かる。
『鋼』と『破壊の右腕』の一撃が、ゴーレムの氷のボディに巨大な傷を穿って行く…。

「まだ浅いか…」だが、その翔真に…ゴーレム3体が同時に殺到した!!

>ひょえ〜!!翔君モテモテ(^^;
アドノレ >JSA発動(笑)
>好かれてるねぇ(^^;
翔真 >大盤振る舞いだ(苦笑)
可憐 >痛い痛い喰らったら死にそうになります。しかも全部ダメージが一緒ですか(苦笑)
アドノレ >必殺技だ(^^;
>げふ、もっかいくらったら死ぬ…攻撃力ベース37かよっ><
>凛の防御力との差・・・・27!(くらぁ〜)Fしたら飛びますね(笑)

そう、このゴーレムどもの、このときの動きたるや…
命中値がまったく同一、ダメージ値も殆ど同一だったのだ!
(最初の1体だけ、アドノレのおかげでダメージが減らされてはいたが)
たこ殴りにされた翔真、なんとか『鋼』で守ろうとはするものの…
その防御を超えて襲い来るダメージが、身体と『鋼』とをきしませた。

なにしろ、このゴーレムどもは全員5mにも迫る巨体…
マイナス40度の極寒で鍛えられたその拳は、鋼鉄にも迫る硬度を備えていたのだ!!

「しょ、翔君〜!!!」「ぐぅっ……直撃されていたら死んでいた…。」
悲鳴を上げた凛に、思わず本音を漏らしてしまう翔真。
それほどまでに、ゴーレムの攻撃は強烈なものだったのだ。

「………………動きは速くない………避けようと思えば、避けれる…」「……五分五分、か。」
傍らに着地した弓と、翔真が言葉を交わすその間に。

「こっの〜!!よくも翔君を!!」
凛が、仲間を傷付けられた怒りと共に獣化。斬りかかるその刹那…
翔真と弓によって穿たれた破口を、凛は瞬時に見切った!
「『視』えた!!」
凄まじい抵抗力に阻まれつつも、凛の爪が鋭い唸りを上げて、
傷ついたゴーレムを破口から寸断、止めを刺す。

「あと2体!」「特訓の成果はあったようだな」…だが、その時!!

GM >そして・・・これは翔真に教えた通りだけど、ゴーレムなので・・・爆発(笑)
>ひょえ〜!!(TT)
>煤i ̄□ ̄;やはりかぁー
>絶対命中でしたっけ?
翔真 >そう言えば絶対命中か、まともに食らったら死ぬな^^;

その時、ゴーレムが砕けた氷の塊が、刃となって荒れ狂う。
「防御です、翔真さん!!」可憐が思わず叫ぶが、その声が届いたかどうか、
それは可憐自身にも自信は持てなかった。

「やばっ!」「(凌げるか…!?)」
この氷刃の嵐を、翔真も、弓も、そして凛もなんとか耐え抜いた。

「つぅ〜…翔君!?」凛は、思わず全身を苛む痛みに顔をしかめ…
次の瞬間には、今回踏まれたり蹴られたりの翔真を気遣って叫ぶ。

「……まだ、生きている…。」「かすり傷…」返したのは翔真と、服が破れただけで済んだ弓。
「よかった〜!! でも・・・・これって、すっごく厄介だね」「あぁ…」
しかし…3人は予想を遥かに上回る破壊力に、心中穏やかではなかった。

「(プラーナを使い切っても、恐らく今のままだと耐えられん…どうする…?)」
敵の数を減らしたとはいえ、圧倒的な威圧感のもと、前進を続けるゴーレム。
そして…さすがは氷のボディ、同じ氷の力ではまるで傷つかない様子だ。

「うむ、確かにこいつは厄介だ・・・では、俺様も新必殺技を見せてやろう」
アドノレが、爆発音と共に高く跳躍する…傍らの氷柱を蹴って、更に跳躍!

「ふぉっふぉっふぉ、微妙に香ばしい俺様のキックを喰らうがいい」
足の裏が灼熱の色に発光し、最後尾のゴーレムを直撃。
氷壁の防御を突き抜けて、足の裏の形をした穴を穿つ!!

そして…吹雪の向こうから、緑色の輝きを帯びて鋭く叫ぶ声ひとつ。
「…Evolution!!」
それと共に、凛の両手が光に包まれ…エヴォリューション=ナックルとなる!
そして、傍らに降り立つ影…【そら】と、そして可憐。

「ありがと〜そらちゃん!!」まるで、その出現を信じていたと言わんばかりの凛。

GM >しかし・・・ここで思うのだな。はて、何故ここに彼女がいるのか?と(笑)>凛
>それは・・・・・・そらちゃんだからさ!(笑)
GM >それで納得したのかぁ(笑)
>うむ(笑)>それで納得
可憐 > そして役に立たなかった謎の助言も
翔真 >微妙に聞こえなかったのかもしれない(苦笑)
>欲しかった〜(>_<)

「…次は3体目…!」「……はぁっ!」来援に力を得たか、弓と翔真は再び、
今度はアドノレに蹴られたゴーレムに同時斬撃を仕掛けた。

だが、敵もさるもの…全身に氷の防壁を張り、2人の攻撃を受け流そうとしていた。
それは完全に効果を発揮はしなかったものの…おかげで、いまだ致命傷は得ていない。
「真正面か…」
悪態をつく翔真の眼前で、ゴーレムどもが動く。
氷の拳が凛へ、そして【そら】へ…

「そんなへっぽこ攻撃、当たるもんか!」舌を出して悠々と回避する凛、
放出したプラーナに制服が反応、出現した数多の紋章により…
「・・・!」氷拳を片手で受け止め、ねじり返す【そら】。

「……デッド・オア・アライブ…」ニヤリ、と笑い…
凛を襲ったゴーレムへと、翔真はその目標を変える。

そして、続く弓は…それまでの相手に攻撃を続行。
相手そのものは沈めたものの…結果、再び襲う氷の嵐!!

「やばい〜…きゃうっ!!」「渇!」「・・・・・!」
殺到するマイナス40度の恐怖を、何とかしのぎ切るウィザード達…
そして翔真は…
「翔真さん、防御を!」…可憐の的確な助言で、今回も事なきを得ていた。

「……ッ……大丈夫か!?」翔真は、仲間達を見やる…
凛、弓、アドノレ、そして【そら】…いずれも傷付けられてはいたが、

「・・・・大丈夫!」「…………………まだ、いける………」「・・・わたし、頑丈です・・・から」
戦士達の闘志は、いまだ衰えてはいない。それを確かめ…
「……もう一撃、何とか耐えるぞ…。」「任せてよ!」
翔真の言葉に、凛は頷き返した。

「アドノレさん、前衛に回復を」唯一、後衛にあって無傷だった可憐が、アドノレに指示する。
この状況で、使うといえば「レインコール」だったが…
無論、ゴーレムもまた回復してしまうリスクを持っていた。

「巻き込むが奴はまだ手付かずだったな」「翔君が攻撃してるよう!」
アドノレと凛が、その事実を指摘するが…

「手傷にしかなって無い……前衛の大半が倒れる可能性を考えたら、
回復させた方が危険が少ないだろう…。」

翔真の言葉に納得し、ポージングするアドノレ。
「ふぅ〜んっ」
極寒の世界にも関わらず、だらだらとにじむ汗が、
ウィザード達に活力を与える「恵みの雪」を形成していく。

「済まん、助かる…」「アドっち、サンキュー!」「・・・・・・・・」
降りしきる雪の中、苦笑しながら、ウィンクしながら、そして穏やかに微笑みながら。
そんな彼らを見ながら…
「(皆この技に慣れてしまったな)」

ぼそり、と呟くアドノレである。

「可憐さん…次で、決めます…」「分かりましたわ。シャドーブレード!」
意図を察した可憐の支援を受け、【そら】の右足に黒い光が宿る。
そして…エヴォリューション=ナックルを振るわせた凛と共に、【そら】もまた駆け出した!

「いっくぞ〜!!ボクとそらちゃんの友情シャイニングクロー!!」
「おぉおお・・・・・・・・ッ・・・!!」
凛の光の爪が、さながらバターを斬るナイフのように氷の胸甲を切り裂き、
「手応えバッチリ!!」
そのポイントに、跳び上がった【そら】が、黒い光を纏って脚撃…貫通!
ゴーレムは直撃点から破砕され…大爆発を起こした!

「(!?)」「…くっ…また…!」「もう、いやだよう〜!!」
「しまった…退避するのを忘れておったわ!」

そして、この大爆発と共に…戦いは終わった。


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