【第20夜】
横須賀の最も長い夜

<PART−22>



悪夢の誕生



さて、光球に飲まれた翔真・アドノレ・司・鋼地は・・・
セピア色に変色した世界を、幽霊のように漂っていた。

鋼地 >……幽体離脱したときの感じですか(気分がわかる自分が嫌(笑))
翔真 >………結果的に男女で分かれたなぁ(汗)
GM >そう、世界・・・アドノレには記憶がある。おおよそ20年前の「横須賀」・・・
アドノレ >「(過去に縛られておるのは我らか彼女か…だが、もう少し様子を見るべきだな)」
鋼地 >「……」(目を瞑り……『蟻塚 鋼地』の記憶を辿る……そして……前へ。)
翔真 >「………『呼ばれた』のか、『追い払われた』のか解らんが……とにかく何か基点となる物を見つけよう。」
アドノレ >思わず空中を平泳ぎしてみる
鋼地 >「……このような状態では体で動くより心で動いたほうがうまく進めます……」>アドノレさん
GM >一同がいるのは・・・どうやら、あの地下施設の中のようだ。しかし・・・内装ははるかに真新しく、完成直後のようにも思える。
アドノレ >「意識しなければ意味の無い情報の奔流。ココは我らが意識した場所ではあるまい?(各自の顔を見渡す)…ならば、ココには見せたいと願ったモノがある筈」
翔真 >「………それを誰が願ったか、にもよるが…」
司 >「ある意味、俺はここに来る事を望んでいたのかもしれません」
翔真 >「…まだ何も解らん。状況を動かすしか有るまい。」

司 >「・・・行くべき場所は、やはり彼女のところかな・・・」彼女のいるところに行きたいけど…場所がわからぬ(^^;
鋼地 >PLの実体験・幽体での移動法 >とにかく「そこに進みたい!」と思い込むこと(笑)
翔真 >「現状なら確かに有り得そうだ、行ってみよう。」
鋼地 >「……皆さん、向こう(奥)から感じます……先導するので『着いて行きたい』と強くおもってください……自然と動けるはずです……」(奥へ向かう)
司 >「俺も強い力を感じます。行ってみましょう」
翔真 >「………主語が抜けているが、了解した(嘆息)」

巨大な力に導かれるまま、ウィザードたちは進んでいく…
その先にあったのは、『ディメンジョン=ガジェット』起動実験の瞬間だった。

具体的には、ここを参照。

鋼地 >「…………」
司 >「・・・」拳を力いっぱい握り締めて・・・そこから血がたれてる
翔真 >「………いっそこの世界ごと斬り裂いてやりたい気分だ………」
アドノレ >「…」
GM >科学者達のうちの1人は、薄ら笑いを浮かべて言った・・・『オリジナルもどうせ長くはない。今のうちに使える手段を確保しておかなければならんな』と・・・
司 >「この光景を見てると…俺も人間が嫌いになりそうだな」(ぼそ)
鋼地 >「……ここで怒りに駆られたら……俺達はマリキュレイターを救ってやれない…………」
翔真 >「怒りを覚えるのは正しくは無いかも知れんが、自然な感情の発露だ。ただそれに囚われてはいけないし、憎しみを募らせるのは以ての外だ(フン)」
司 >「大丈夫ですよ。人間がそれだけではない事を、俺は識ってますから」
鋼地 >「……出過ぎた真似したな。すまねぇ。」
アドノレ >(怒る為でなく、裁く為でなく、見届ける為に来たのだ)
翔真 >「……気にするな、お互い様だ(苦笑)」

彼らの見ている前で、時は流れ去り…件の科学者達は、
『オリジナル』から屈辱的な手段で強引に手に入れた細胞を用いて、
複製された存在…クローンを作り出す。

だが、科学者達はすぐに問題に行き当たる事になる。
それは『オリジナル』の、度を越した消耗であった…そして、彼らがとった手段とは…。

白衣の科学者A >「それで、どうなったのだ…『D=G』計画は成就寸前、だが今、その中核たる杉崎沙弥が『楠ヶ浦学園からいなくなったり』したら…」
白衣の科学者B >「そうですとも、それこそ学園側の不信感をあおる事になりかねません。まかり間違っても、われわれの責任に帰せしめてはならんのですよ?」

背広の科学者 >「だからこそ、完成させたのですよ…この素体には、杉崎沙弥からトレースした記憶と思考パターンを、可能な限り反映してあります。ぬかりはありません」

翔真 >「記憶と思考パターン?………クローン体は実験に使うだけではなく沙弥嬢の代わりに学園で生活もしていた事が有ると……?」
鋼地 >「……(……沙弥として活動させるクローン……) 」
弓 >フェイト・テスタロッサ(ぼそ
翔真 >ユグドラシルβはバルディッシュですか(笑)

背広の科学者が、少女を収容していたバイオチャンバーを開放すると…
少女は、ゆっくりと目を覚ます。

白衣の科学者A >「…成功だ…!」
背広の科学者 >「当然です。私を誰だとお考えです?」
白衣の科学者B >「…さすがはプロフェッサー=コス…これなら、消耗した『オリジナル』を回復させる間の時間を稼ぐなど造作もない…ですな
プロフェッサー=コス >「では、頼みましたよ。『S−07』…いえ、『杉崎 沙弥』」
S−07 >「……わかりました、プロフェッサー…」

かくして、もうひとりの沙弥「S−07」は…楠ヶ浦学園で、ウィザードとして働きはじめる事になる。
「従来どおり」に「杉崎沙弥」として。

鋼地 >「……俺がであったあいつは……自分をクローンって言ってたぜ……」>翔真さん
翔真 >「いや違う、そう言う意味ではない。『元々オリジナルの杉崎沙弥』も『サーシャ・クラスヴィンカヤ』のクローンだったのだから、その発言でも間違いじゃない。」
鋼地 >「……そうか……」
翔真 >「俺が言っているのは”『杉崎沙弥』のクローンが”、と言う意味だ………何か引っかかる、何か忘れているというか間違えていると言うか……(苦渋)」
鋼地 >「……このこと(映像?)がいつのことか。それが判ればある程度わかるかも知れねぇ。」
アドノレ >「20年前後だと思われるが確証の程は無い」

そして・・・春の夕日に照らされた教室で、少女は出会うのだ・・・運命の少年と。
その時、少女の目の前に立っていた少年は・・・一同のよく知る顔を持っていた。
すなわち・・・『間宮 満照』。

翔真 >ぐはぁっ!?(吐血)
鋼地 >「……今確証した……ここは……『大戦』直前の四月下旬だ。」……マリキュレイターって……彼女かよ……
翔真 >つーかビックリしましたよっ!あの時既に入れ替わっていたなんて〜(^^;
GM >えーと、補足すると・・・2回のオフセッションに出ていた沙弥は本物で、入れ替わったのはその後だ。だから、2人とも間宮を「おにいちゃん」と認知していたわけなのだよ(爆)
鋼地 >駄目ジャン間宮君!!まったくわからんかったし……復活後もオリジナルと間違えちゃったし……つーか気づけよ惚れてんなら!!OTL
司 >「・・・籠の中の鳥が、自由を知ってしまったということなのだろうか…」

だが、その間にも…科学者たちの会話は続いていた。

白衣の科学者A >「…なに、ミスプリントだと!?」
プロフェッサー=コス >「そう。S−07の意識をスキャニングした最新の結果によれば…彼女に転写された記憶は完全ではなかったのです」
白衣の科学者A >「完璧を謳っておきながら、いまさら何を言うか!
プロフェッサー=コス >「確かに、彼女には『杉崎沙弥』の記憶と行動パターンが『完璧に』移植されました・・・しかしそれは、S−07自身の行動をより強調する副次作用を内包していたのです」
白衣の科学者B >「…つまり…?」
プロフェッサー=コス >「…彼女の感情は、与えられたデータにしたがって、極端から極端へと推移するのです」
白衣の科学者A >「……なんてこった!!それでは『オリジナル』の代用にならないではないか!!」

その間にも、沙弥ことS−07は間宮少年と惹かれあい…そして、愛を語り合うまでになっていた…。

鋼地 >ちょっ! おまっ!!……愛を語り合うって…………
司 >「彼女は、彼女自身の望みを持った・・・」
翔真 >「………『沙弥の代わり』でなく、彼女だけの想い……彼女だけの……愛、か。」
鋼地 >こう、簡単に言うと……間宮君が好意を持ったのはオリジナルだがそれ以上の関係になろうとしたのはマリキュレイターってことになるわけで…………ねぇ、これなんて『牡丹と薔薇』?(待)

プロフェッサー=コス >「確かに…このまま放置しておけば、賢い者はいずれ遠からず『オリジナル』とS−07の差異に気づく事でしょう」
白衣の科学者B >「・・・こうなったら仕方がありません。オリジナルの回復を待ってS−07を拘束しましょう。プロフェッサー、次の代用クローンの作製にはどのくらいかかりますか?」
プロフェッサー=コス >「S−08以降の第二次生産分でしたら、あと1週間もあれば充分かと」
白衣の科学者B >「お願いします、プロフェッサー」

プロフェッサー=コスが、その場から去った。

白衣の科学者A >「…だが、今からすり替え直して間に合うものなのか…?」
白衣の科学者B >「間に合わせるんですよ、モルセール教授。なんとしてもね」
モルセール教授 >「…それで、S−07はどうするんだ」
白衣の科学者A >「今のままではいずれ役立たず、廃棄するしかありませんな…その時はこの私が直々に」
モルセール教授 >「君の事は科学者として尊敬しているが、その嗜好だけは改めないといずれ命取りになるぞ、ドクター=アルベール」
ドクター=アルベール >「なぁに、ばれないように事を進めますとも」

そして…『S−07』は科学者達の手によって身柄を拘束され、
どうにか回復した『オリジナル』杉崎沙弥が、再び学園に通うようになった。
だが、その身柄は完全に警護され…ほとんどの友人にすら会えなくなっていた。

鋼地 >「……あいつと会えなくなったのが……6月だ。」
翔真 >「『役目は終わった、入れ替われ』だの、『今度はお前が実験対象だ』等と仮に言われても、素直に引ける訳は無かった……か」
アドノレ >「人の編み出した呪詛がもっとも強い。改めて思い知らされる」

そして、目の前の事態は急展開していく…幽閉されたS−07へのアルベールの『蛮行』、
在日米軍による学園への内偵、そして科学者の1人による密告が導いた米軍の介入は、
『D=G』関連設備の、在日米軍への接収へと発展していった…。

翔真 >アレかっ!?あの時かっ……!(苦渋)
GM >時の在日米軍司令官は言う…「現在ヨコスカの『臥龍』を管理しているのは我々であり、世界の平和を守護しているのはまぎれもなく我らの軍だ。その我々に許可なき世界防衛計画など、認可する訳にはいかんのだよ。しかも、このような危険なものを」
鋼地 >「…………」

…だが、彼らは知らなかった。
彼らが『D=G』の中枢『無限の心臓』と共に接収した『選ばれた少女』杉崎沙弥が…
実は、既に拘束されていたクローン体『S−07』であった事を。

米軍兵士 >「…この、おとなしくしろっ…!」
沙弥(S−07) >「いやだっ……これ以上、好き勝手にされたくないっ!……おいで、そらちゃん!わたしを救って!!」

拘束された沙弥…S−07の、救いを呼ぶ叫びを聞いて、
【そら】…インフィナイト00が駆けつける。
そして、主を救わんとするインフィナイトと米軍の戦いの果てに…

沙弥(S−07) >「取り返したっ……【ディメンジョン=ガジェット】!…これさえあれば、もう何も恐れるものはないっ…なにもかも、この手で滅ぼしてやるんだぁぁっ!!」

そして、次の瞬間…彼女と、彼女達の戦場だった旧式空母「キティ=ホーク」は、
そのまま【世界最悪の恐怖】へと、姿を変じたのだった…。

鋼地 >「…………(ふぅっと大きく深呼吸)……俺か。あいつを苦しめた原因の一つは。」
翔真 >「誰も責めやしない。だが喜びを知ったから新たな苦しみを知った………それは悲しい事実だな。」

いまや【ザ=マリキュレイター】となった彼女は…キャンバスに画材を叩きつけるがごとく大破壊を行った。
それは、あらゆるものを無思慮に消し飛ばす…そう、かつて愛した者達でさえ、それと気づかぬままに。

…そして、愛するものを消し飛ばしてしまった事を知った彼女は…更なる絶望のままに、行動を続けた。
もうウィザードも、魔王も、守護者も、世界すらも関係なかった。
すべてを破壊し、蹂躙し、殺戮し、無に帰せしめる。ただそれだけのために。

鋼地 >「……『もしも』あいつの隣に居れたら……『もしも』あいつを手放さなかったら……『もしも』……『もしも』…………思い浮かぶのはこんなんばっかか……参ったな、さすがに。」(片手で顔を覆う)
アドノレ >「泣き言はそれでしまいか?人は過去に干渉する力を持たぬ」
鋼地 >「……ああ……わかってる…………俺が干渉できるのは……未来だ。」
アドノレ >「それでこそだ。人が紡ぐ最強の呪詛ならばそれを解く者もまた人以外に有り得ぬ」
司 >「行きましょう。彼女を止めてあげるために」
鋼地 >「……ふ……ふふふ……はははは……はははははははははははははははは!!」

「上等じゃねぇか! 『ホワイトデーは三倍返し』!!
時期ハズレだ? んなもん知るか!!
俺があいつに貰った物……その礼を今からまとめて持って行ってやる!!!
三つ指そろえて待ってろぉ!!!!」

かつての間宮少年…鋼地は叫んだ。
目の前の画像に向かって…そして、まっすぐに突き進む。
それは純粋な…あまりにも純粋すぎる感情の爆発だった…。

◆ ◆ ◆

一方、『第7艦隊』に接近した弓の視界に、ひとりの少女が入る…あの時と、同じに。

司 >ぐはぁ・・・そういえば沙弥にあい損ねてる(^^;
GM >弓が見つけたその少女・・・杉崎沙弥は、『第七艦隊』を十字架として磔にされているかのようだった。
00 >「・・・・・・・・・」いつでも戦闘開始できるよう構える
弓 >「……相変わらず、そこに括られてるのね、さや…。 どうして、樹が第七艦隊に…?」
GM >弓の目の前にいる沙弥に、生気は感じられず・・・胸に突き刺さったユグドラシルβのみが、静かに稼動し続けている。
弓 >こーぢPON〜。 ユグドラシルβに手をかけていい?(笑)
鋼地 >何故私に聞くのん(笑) 抜くとかしなければいいかと〜
弓 >抜こうかな〜(笑)
鋼地 >抜くんかい(笑) 気持ちはわかりますが(爆)
弓 >「…………さや……?…教えて、ここでいったい、何があったの?」 そっと右腕でユグβを握ってみりゅ(笑)
GM >どくんっ・・・その時、ユグドラシルから右腕に波動が伝わった。そして、弓の周囲の空間が変化する・・・

それは、セピア色に色あせた世界。
それは、何の変哲もない民家の、何の変哲もない四畳半。

そして、布団の上で・・・白い髪の少女が眠り続けている。

弓 >「……………………誰…?…ここは、どこなの?…」
GM >…その顔はまさに、杉崎沙弥その人だった。ただ、その表情には明らかに生気がない…。
弓 >そっと、ほっぺたに指を伸ばす(笑)
GM >弓の右手指が触れた時、わずかな光の反応と共に、少女はうっすらと目を覚ます。「・・・・・・・・・ん・・・・・・・・」
弓 >「触れる?……それとも、偶然?…」
沙弥 >「・・・おねえちゃん、だれ?・・・^^」
弓 >「…………あ…え?…(きょろきょろきょろ)」(笑)
沙弥 >「ごめんねぇ・・・ちょっと眠っちゃったみたい・・・それとも、夢・・・かなぁ?」
弓 >「…(そっと、撫でるように触れたまま)…そうね、これは泡沫の夢… 世界樹の葉に一夜浮かんだ夜露の一滴……かしら?……」
沙弥 >「むずかしくって、よくわからないや(てへ)・・・まってて、すぐに起きるから・・・」
弓 >「いいのよ。無理しないで…? ………貴女は…ここで、何しているの?…」
沙弥 >「・・・・・・がんばってるの・・・みんなに笑って欲しくて^^」
弓 >「そっか…そう、だよね。…いつだって、貴女は頑張りすぎちゃうから……」
沙弥 >「・・・・・・なんだか、ふしぎだな(えへっ)」
弓 >「どうして?」
沙弥 >「会ったのは初めてなのに・・・ずっと前から知ってるような、そんな気がするの^^」
弓 >「………それはきっと、これが夢だから。…そして、いつかきっと、私達が出会うから、かな?」
沙弥 >「・・・そうなんだ・・・じゃあ、そうなれるように、わたしもっと頑張っちゃうよ^^」
弓 >「(ずきんっ)………ねぇ…もし、私が……貴女に……もう、頑張らないで…ってお願いしたら…貴方は休んでくれるかしら?…」 すがるような瞳で
沙弥 >「・・・ごめんなさい、それは出来ないの・・・みんなが、わたしを待ってるから。がんばれーって、応援してくれるから・・・」

「この体と・・・この命は、いつだって、みんなのためにあるんだもの」

弓 >「…違うっ…!……貴女の命は…貴女のためにあるんだよ!…それを、どう使うかは…貴女の自由だけどっ……でもっ…!」
沙弥 >「ありがとう・・・おねえちゃんは、優しいね^^」
弓 >「(ふるふる)………あなたが、優しすぎるのよ。………」
沙弥 >「わたしは、できる事をやってるだけだから・・・そのくらいしか、できなくって(てへへ)」
弓 >「…だからって…こんなに…ボロボロになってる、のに………(何を言っても無駄なのだ、と。これは過去の夢だと、わかっていても、言葉は止まらずに)」
沙弥 >「・・・それでも、やりたいって願った事だから。おねえちゃんは、どうなの?」
弓 >「………………やる、と思う…わ。…それが私の望みだから。」
沙弥 >「それなら、おねえちゃんもおんなじだね・・・わたしと。なんだか、元気がわいてきたよ^^」

病床の少女は、弓の目の前で・・・急激にその体を再生させていく。
ちなみに、ルール的には「プラーナによるHP回復」である。

弓 >「…………………ほんとに、バカ、なんだ……から…」
沙弥 >「・・・よく、みんなに言われるよ(てへへ)」
弓 >「これだけは言っとくけどねっ…自分が犠牲になっても回りが助かればいいや、なんてのは傍迷惑なのよ!寝覚めが悪いったらありゃしないんだから!」
沙弥 >「・・・・・・みんなが呼んでる・・・助けを待ってる・・・ごめんね、これから行かなくちゃ」

ほぼ完全に再生をすませた彼女は、凝固した血の色をしたパジャマを脱ぎ…
手に取った真新しい制服の袖に、手を通す。
…彼女がどこへ出かけるのか…弓は、瞬時に理解した。

弓 >「………………………行かせない…行かせたく……ないっ…」

そう、これはまぎれもなく「杉崎沙弥最後の戦い」その始まりの時なのだ。
だから、彼女の回答は…。

沙弥 >「それでも、やるんだ…わたしのこの手で、世界を救えるなら…わたしが…やらなくっちゃ」
弓 >「だったら…私は必ず、貴方を助けるよ。 …貴女が私の言う事聞いてくれないんだから…こっちも勝手にやるからね!」だだっこ理論(笑)
沙弥 >「この体が動く限り・・・この命が燃える限り。わたしには、それしかできないの・・・ごめんね、おねえちゃん^^」

少女の手に、箒・・・ユグドラシルβ・・・が現れる。

沙弥 >「・・・・・・・行こう・・・みんなを助けに。明日を開きに!」
弓 >
「……………………………………………………………ばか…」

そして、少女は…数多くの生命を、可能な限り救いながら翔ぶ。
彼女が目指す、最後の目的地は…【第七艦隊】…。


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