【第23夜】
白と黒と翠と紅

<PART−03>



愛美の秘密
〜そして、中央アジアでの一幕〜



さて。弓が向かっていた、その中央アジアの平原では…今、ひとりの少年がさまよっていた。
あちこち煤けたぼろぼろの燕尾服、肩から提げた大きな鞄、そしてぴこぴこと動く獣耳。


「よわったです…どぉしましょう…」
少年・エヴィ=アンは携帯電話らしきものを取り出し、尻尾を垂らして溜息をつく…
少年の手にある「それ」は液晶画面も割れ、既に機能を喪失していた。
おそらく、南太平洋でのあの爆発のあおりで、壊れてしまったのだろう。

「ボク、今度こそあの子のパインサラダを食べなきゃいけないのに…」
エヴィはもうひとつ溜息をつき…ふっと思い直す。
そう、彼もまたロンギヌスメンバー。ここで泣いたりなどしたら、
尊敬するアンゼロット様や、将来を誓い合った「あの子」に笑われてしまう。

力強く歩き出す少年。だが、その災難はまだまだ終わらない。
なぜなら、その行く手には…輝く紅月の下、何か軍団らしきものが進撃してきていたからである。
しかも、その進軍速度は明らかに早まっている…見つかるのも時間の問題だった。

「…今日って、とことんついてないなぁ…」
エヴィは、三度目の溜息をついた。

◆ ◆ ◆

一方、そらの許へと向かった翔真とシェノン、更に別口で同様に行動していた司は…?

GM >という訳で、場所は郊外の廃倉庫前。その上空には、紅月が禍々しく輝いている。周囲は静まり返っているが・・・
翔真 >周囲警戒します。
司 >同じく、周囲を警戒します
GM >うむ。そうしてると自然と3人が鉢合わせることになるな(笑)
司 >「・・・?」シェノンに視線を向けてから、翔真に目でたずねる
シェノン >当惑げに司さんを一瞥して、はてさてという面持ちで翔真さんを見ますー(笑)
翔真 >「陣内、彼女はロンギヌスのメンバーだ。先ほど請け負った依頼の流れで今回付いてくる事になっている。」>陣内君
司 >「・・・(こく)」とりあえず、頷いてから暫くは気にしないことに決定
シェノン >やっと自己紹介できる(笑)「あのー・・・はじめましてー、シェノン=ヤンディといいますー・・・」(ぽそぽそ)
司 >「俺は陣内司です。詳しい話はまた後で」
シェノン >「はいー。えーと、それでですねー・・・ここって、月匣化してますよー・・・?」
翔真 >「となるとコアかルーラーも探さないとな。優先度としては仲間の方を見つける事が先だが……。」
司 >「わかりました。とりあえず、そらさんを探しましょう」

3人はただちに捜索に入り…目の前の光景が、偽装された「月匣の壁」であると看破できた。

シェノン >「どうやらこの月匣は、すでに密閉されてるようですねー・・・結界徹甲弾があれば何とかなりそうですけどー」
司 >「翔真さん、いけますか?」
翔真 >「問題無い。二人とも、少し下がっていてくれ。」
司 >「シェノンさん、少しこちらへ」反動があった場合にかばえるよう傍に招いていよう
シェノン >「えっ?あ、はいー・・・(さがりさがり)」
翔真 >戦闘装備を整えて天津大鋼を抜きます。
司 >こちらも弓を手にして、戦闘装備を整えておきます
シェノン >では私も、下がりながら戦闘準備をしておきますねー。
翔真 >「破断界剣、壱の型……斬!」天津大鋼で月匣の壁を破ります。直後に敵との邂逅などが無ければ、警戒しつつ中に入ります。
GM >すると、壁はあっさり裂けて・・・その真の姿を明らかにする。

廃倉庫と思われた場所は廃墟が点在する更地になっていて、
その中央に無防備な姿のそらと、縛り上げられ猿轡をされた巫女服姿の京香。そして…

シェノン >「あっ、女の子たちが囲まれてますー・・・」
そら >「ゎ・・・(@@)」
京香 >「〜〜〜〜〜〜〜!!」
翔真 >「そら、間に合ったか?………今行く、もう少し待っていろ。」
そら >「えっ・・・あっ、うんっ(@@)」
GM >ちなみに相手はレッサーデーモン。敷地面積的に・・・敵全員が間合いに入る(爆)
翔真 >了解です、遠慮なく全開大斬覇で行かせて頂きます(笑)
司 >「(1体1体はたいしたことがないか。ならば…)」隠れているのがいないかを警戒〜。この間合いだと、ひと薙ぎだろうし(笑)
GM >はーい。そらと京香のいるSqが「アナライズ禁止空間」になってます(爆)
司 >どー考えても怪しい(笑)
弓 >あやしすぎる(笑)
司 >本物の服は残されてたから……わざわざ巫女服を用意するような輩でなかろう

その直後、レッサーデーモンどもは翔真の「ひと振り」で全滅した。
…当然といえば当然の成り行きである(笑)

シェノン >「凄まじい威力ですー・・・もしかして柊さん以上ではないかとー・・・」
司 >「そらさん、急いで離れて!」言いつつ、二人の方に駆け寄ろう
そら >「ふにゅ・・・?」
翔真 >「陣内……?」警戒します。

京香とそらの場所に司が踏み込んだのと、そらが思わずしゃがんだのがほぼ同時。
そして、いつの間にか自由になっていた京香の手が、そらの頭があった空間を滑ったのがその直後。
京香の手には、プレート付きの首輪…Wキャンセラーが握られていた。

司 >あ、あぶな(^^;
シェノン >「え?ええー?・・・(びっくり)」
翔真 >笑っていいですか(笑)って言うかナイスだそら(^^
司 >自力で避けたか(笑)
弓 >ぐっじょぶ(笑)
京香? >「・・・意外に身が軽い・・・一度、出直し・・・」
翔真 >「貴様、誰だ……!」
司 >そらから離すため、十分に避けれる速度で掌打を京香のほうにはなって、距離をとらせよう
GM >京香は、到底京香とは思えない身のこなしでバックステップし・・・黒い血で煙る空間に姿を消す。
司 >「くっ、逃がしたか」
GM >その姿を消す一瞬前に、一同は見た・・・そいつが紅髪紅瞳、金色の肌の女に変わるのを。ぶっちゃけLP−V(笑)
司 >げ…(−−;
翔真 >人造人間ならではと言うか……色々とやってくれる(汗)
シェノン >「えぇとー・・・つまり、これはー・・・?(←あまりの急展開っぷりについていけてない人)」
翔真 >「偽者、まぁ仲間を助けられた事は良かったが………このままただでは済むまい。」
GM >紅月はすっかり消え去り、場は本来のたたずまいを取り戻している。ちなみに取得物、魔石U1が20個(ぁ
翔真 >天津大鋼を急いで仕舞います(ぁ
そら >「ふみゅう・・・Rメイデンだったんだねー・・・」しゃがんでまるまったまま(笑)
司 >「そらさん、大丈夫ですか?」弓をしまいつつ
そら >「わたしなら、だいじょうぶだよ。弓ちゃんも助けてくれたし^^」上空(の衛星)に向かって、にっこり微笑みVサイン(ぉ
翔真 >「まぁ間に合ったのなら良かった(フッ)」
弓 >(うなずいた)
翔真 >「弓ちゃんや陣内のおかげだ、俺も役に立ったのなら何よりだが……本当に大事無くて良かった(深々と溜息)」
司 >「皆さんの根回しがあったからです。上手くいってよかったです」というか、偽者だと思った決め手が‘巫女服着てる’だったからなぁ(笑)
翔真 >まぁ、状況(&情報)を正しく把握していたから、という解釈で(ぁ
司 >一応、LP−Vですと体型は変えられないので、巫女服でごまかしてたんだろうなぁ、と思ったんですよね(笑)
そら >「・・・・・・でも、外した装備をしなおさないと(^^;」いそいそ(ぇ
シェノン >「あ・・・み、みちゃいけませんー!?(//▽//;」そらさんの前に立ってあわあわと(笑)
司 >「っと、すまない(苦笑)」
翔真 >そう言えば(苦笑)背を向けておきます(^^;

◆ ◆ ◆

その頃、エヴィ=アンは…向かってくる軍団から必死で逃げまどっていた。
もとより、エヴィの主任務は後方サポートであって、
ロンギヌス00ら主戦メンバーのいない今、彼に勝ち目など期待できるはずもなかった。
軍団は屍がそのまま動いているような外見で、
腐臭を撒き散らしながらも、徐々に少年の退路を断ちつつある。

「うわぁぁああぁんっ!?」
駄々っ子のように両腕を振り回してなんとか強行突破を図ろうとするが、
包囲の輪は既に小さく、もはや少年を押し潰さんばかりに迫っていた。

だが、エヴィが最期を覚悟した、まさにその時…軍団の一角が、大きく崩れた!
次々と打ち倒されていく軍団の屍兵士たち。
入れ替わりに武装した男達、そして浅黒い肌の女性が現れる。


「危ないトコロでしたね。大丈夫デスか?」
声を掛けてきたその女性を、エヴィは知っていた。
アンゼロット城で、過去の事件のアーカイブファイルにその顔はあった。
「六柱の巫女」事件に関係した、インドの修行者…元「第四柱の巫女」ことガウリであった。

◆ ◆ ◆

さて、アドノレと愛美はどうなったであろうか…。
Dr.クドラクに会うべく、クドラク医院へ向かったはずの彼らだったが…。

GM >という訳で、その行く手にはなぜか悪い事ばかりが起こるんだ。まず、スワンボートが原因不明の故障で、乗っていた2人して波打ち際に落っことされる(笑)
アドノレ >「ぬわぁ。俺様を振り落とすとはいい度胸だ」
GM >アドは兎も角、愛美は濡れた砂地に頭からずっぽしと。当然胸ちかくまで丸見え(ぁ
アドノレ >「・・・見事なお約束。流石とか言ってる場合ではないな」
愛美 >「〜〜〜〜〜〜〜〜(両足だけでぢたぢた。まるで●神家の一族)」
アドノレ >そのまま縦にスポッと引き抜きましょう
愛美 >「あうえうぅ…(TT)」素直に引き抜かれます(笑)
GM >だが、不運はこれで終わらない。なんとかその場を離れ、別の移動手段を探そうにも電車は車両故障で大幅に遅れ、自動車道路は交通事故で大渋滞。とどめに、艱難辛苦を経てようやっとクドラク医院にたどり着いたものの、肝心のクドラクは往診中(爆)
アドノレ >「おのれ〜。勇者の元締めが呪いでも掛けおったか」
愛美 >「も、もしかしてぇ・・・わたしが不幸を呼んでいるとか・・・?(;;)」←クドラク医院の前でorzった状態
アドノレ >「何か心当たりでもあるのか?」
愛美 >「ですからぁ・・・力が消えた直後に、こうして悪い事ばかりが次々と起こるようになったんですよぉ〜(;;)」
アドノレ >頼みごとをメモにしたためて愛美だけ待たせようかと思ったがこの状況・・・とりあえず翔真側に状況がどうなったか連絡を入れてみよう

「俺様だ。都合がつきしだいそちらに合流しようとしたのだが・・・箒がクラッシュした。
素で空を飛ぶわけにもいかんので合流に時間がかかりそうのだが、そちらの状況はどうなった?」

アドノレがそうして離している間、愛美は泳がせた視界の先に何かを見つけた。
彼女は、その傍に歩いていってしゃがみこむ…。

翔真 >連絡が来たら返せる状況なら簡単に説明しておきます(’’
アドノレ >まだ未調査だが、能力喪失と不幸体質のお話を未確認情報として伝えておく。戦闘が片付いたなら弓も含めて合流の段になったらまた一声と頼んでおきます
翔真 >「解った、その辺りは陣内にも説明しておく。」
アドノレ >「ではまた後程」
翔真 >「あぁ、また。」通話が終了したらアドノレから聞いた内容を陣内君達にも伝えておきます。
司 >了解です
そら >「ふにゃ?愛美ちゃんの力が消えたのー?」と(’’)
翔真 >「詳しい事は解らんがそう言う事らしい。詳細は合流してからまた聞くだろうが……」
GM >そんな4人の上空には、あやしく輝く星ひとつ。
翔真 >気になる(^^;
そら >「・・・なんだか、悪い力をあっちこっちから感じるよー・・・」仰ぎ見つつ。
司 >「またもや千客万来か…」自分も仰ぎ見て
翔真 >「……行ってみるか、アドノレとの合流も急いだ方が良さそうだ。」
そら >「ん、そうだね・・・フレースヴェルグを呼ぶよ(’’)」
翔真 >「済まない、頼む(^^」

一方、通話を終えたアドノレに、愛美がしゃがんだまま声をかけてくる。

愛美 >「ほら、アドノレさま・・・こんなところにお花が咲いてますぅ〜♪」(
アドノレ >「ん?」
愛美 >「こんなところにも、こんな風に花が咲くんですねー・・・このところ不幸続きだったせいもあるんですけど、なんだか嬉しくなっちゃいまして^^」
アドノレ >「んむ。そのまま転がったり地面につっぷしたりせぬように気をつけろよ」アドノレ危険探知機がBGM「おむすびころりん」あるいは「どんぐりころころ」を(笑)
GM >ああ、それはねー・・・確かに起きるは起きるんだけど愛美自身ではなく、その先の往来で起きるんだ(笑)

その時。往来では交通事故がおきていた…
交差点に差し掛かった車が、飛び出したヲタクを避けようとして横転。
豪快なブレーキ&クラッシュ音の直後に聞こえる、運転者であろう男性の悲鳴…

「ああぁああっ…オラのだいずなベコさがぁ〜!?」

GM >そして・・・地響きのような轟音と共に一直線に走ってくるのは、周囲の障害物を蹴散らし、踏み潰して迫り来る○色彗星ならぬ暴れ牛の群れ(爆)
翔真 >何処のK国映画ですか!?(^^;
アドノレ >小脇に抱えて回避の方向で
愛美 >「・・・ひゃうっ!?(@@;」

『ぶももももももももーーーっ!!』

間一髪!アドノレは、愛美を抱えて見事その場から飛びのく。
その直後、その場を一直線に走り抜ける暴れ牛の群れ…

アドノレ >先頭の隻眼の牛を見て「ふっ。やるなお主」という顔をする(笑)
GM >なお、群れが走り抜けた後…その500m先に、踏み潰された柊蓮司が転がっていた事を知る者はいない(ぇー
アドノレ >場所はクドラク医院前だったはずなので建物を見ると
GM >クドラク医院自体は無事なようだ。ただ・・・その周辺、特に愛美が座ってた場所は見事に踏み荒らされている。
愛美 >「あぅ・・・・・・・・お花がぁ・・・こんなの、こんなのムチャクチャですぅ・・・(;;)」
アドノレ >「これは流石に偶然でかたずけるには無理がありそうだな」対象愛美のアナライズ。バッドステータス『不幸』とか?
GM >うむ。愛美をアナライズしてわかったこと・・・彼女の「勇者」の力が、外的要因によって「不幸」の力に転換されているようだ。
アドノレ >勇者だから不幸なのか偶々クラスが勇者だったのかはどうでしょう
GM >そこは何とも言えないかな…もともと愛美は不幸ではあったし。ただ、勇者の力すら押さえつけるほどの力となると・・・相当のバックグラウンドが存在するのではないかなとは思われる。
アドノレ >無差別攻撃が当たったのか個人を狙ったのかは判りますか?
GM >まあ、愛美の周辺だけ妙に不幸な出来事が起きていると言う事で、そういう意味では愛美個人を狙ったものであるとは言えるだろう。
アドノレ >不幸になる呪いを狙って掛けられた・・・紋章の解析を急ぐべきか。世界魔術協会に「呪い」と「紋章(?)」について助力求めてみます
GM >うむ。すると・・・接触してきたのはなんとアンゼロットだ。
アドノレ >ぴきっ。いきなり御大が出てくるとは思わなんだ
アンゼロット@通話 >「すみません・・・寄せられた情報の中に、重要な事実がある事が判明しましたので、代わらせて頂きました」
アドノレ >「これはこれは御大自らとは。してこれはいったい何事であろうか?」
アンゼロット@通話 >「単刀直入に申し上げますと、彼女に宿っているのは・・・実は【七つの宝玉】のひとつ『節制の宝玉』の欠片です。かくかくしかじかなその欠片が、時空間を越えて彼女の中に入り込んでしまったのでしょう。今までは勇者の力で封印していたのが、魔王たちの活動が原因で活性化してしまったものと思われます」
アドノレ >「襲撃者が現れる前にどこへ連れて行けば良い?」
アンゼロット@通話 >「わたくしのところが一番安全ですが・・・今ロンギヌスは全戦力が出払ってまして、僅かに1人としか連絡が取れない状況です」
アドノレ >「ふむ。摘出するという選択肢はあるだろうか?」
アンゼロット@通話 >「それは何ともいえませんが・・・融合の状況によっては危険かもしれません。いずれにせよ、じっくり調べる必要があります」
アドノレ >「むむむ・・・宝玉をそちらで引き取るつもりなら対価を助力という形で。今回は見送るなら宝玉はこちらで適当に処分する形になるが」
アンゼロット@通話 >「もちろん必要です!・・・適当に処分などされたら、いずれ裏界の手に渡ってしまいかねません。それは新たな世界の危機に、確実につながります」
アドノレ >「よかろう。ロンギヌスの一人と合流して時間を稼ぐので、解決手段の手配をお願いする」
アンゼロット@通話 >「ええ。わかりました」
アドノレ >「んむ。よろしく頼む(ぺこりん)して、そやつはどこにおる?」
アンゼロット@通話 >「それでしたらご心配なく。既にあなたのお友達・・・相羽翔真さんがその身柄を保護しています。それよりも、魔王たちが一斉に彼女を狙ってくる可能性がありますので、くれぐれも気をつけてくださいね」

だが、この時愛美に気をとられていたのか、アドノレは完全に見落としていた…
街角に潜み、彼らの様子を窺うあやしげな集団に。
一様にマスクを被った彼らの顔には、悉く「凶」の字が穿たれていた…。


PREVIOUS CHAPTER NEXT CHAPTER
YUMI’S PART

インデックスに戻る