【外伝・第3章】
悲劇の源流

<PART−13〜15’>


ロシアへ、そしてルーマニアへ
〜その頃、怜は〜


さて、尽と智律、ジョニーの3人がアメリカにいた頃。
1人ロシアに残った怜は…ロシア聖王庁の謁見の間にいた。
その目的は…ロシア聖王・コンスタンティン14世との会見である。

GM:という訳で・・・ピョートルとロシア聖王を前に、一連の話を終えた後のこと・・・としておこう。
怜:はい(緊張)
ロシア聖王:「・・・承知した。実は、北海道の方からも口添えがあってな・・・その話、喜んで承ろう」と、エージェントの件はあっさり承知(笑)
怜:「有り難き配慮、感謝いたします……」深々と一礼
ロシア聖王:「ときに、先の話…ソフィア=ドラクレアの事なれば、確かにかつてこの地で活動した経歴はある。」
怜:「はい……」真っ直ぐ顔上げる
GM:ロシア聖王は、執事に書類を持ってこさせる…「…記録によれば、ソフィアが当地で活動していたのは、1900年代から70年代……革命と共にパリに逃れた先代ロシア聖王の命により、ロシアにおけるエミュレイターの活動を秘密裏に調査する任務についていたのだ」
怜:「……ロシア革命、ですか……」思案顔
ロシア聖王:「…そう。そして、これは内密な話なのだが…ロシア皇帝の救出任務にも関わっていたのだ。もっとも、諸外国の利害の問題で成功しなかったが…」
怜:「……!」少し驚く、そして沈痛な面持ちに。
ロシア聖王:「…当時の記録は散逸していてな…その件にソフィアがどこまで関わっているかは、結局わからなかった。ただ…」
怜:「…………ただ?」
ロシア聖王:「…1918年から25年までの間、ソフィアはルーマニアに滞在している。これは聖王庁が指示外にある出来事で、真相は明らかになっていない」
怜:「……ルーマニアというと、背教者会議本部がありますね」
ロシア聖王:「うむ、その通りだ…おそらくは、ソフィア自身の出自にまつわる事かも知れん。だから報告がなかったのかも知れんな」
怜:「……しかし、1918年……ですか(何があったのだろう)」
GM:うむ、第1次世界大戦終結、そしてロシアでなら・・・「皇帝一家暗殺」だね。

皇帝一家暗殺…別名、ロシア並びに欧州近代史の暗黒面。
1918年7月、前ロシア皇帝ニコライU世が、当時ロシアの政権を掌握していたボリシェヴィキの手により、
6人の家族や侍従達ともども、ロシア・エカチェリンブルクの地下室で殺害された…といわれる事件である。

GM:ついでに、当時のロシアは・・・政権を握ったボリシェヴィキや左派エスエル、そして反動的帝政派による血なまぐさい内戦の場になってたってのはあまりにも有名…それがやがて、日本を含めた各国の所謂「シベリア出兵」を引き起こす結果になるわけだ。
ロシア聖王:「…それから30年以上もたって、ソフィアはひとりの女性と知り合った。KGBのエージェント…サーシャ=クラスヴィンカヤに。」
怜:「……!……サーシャ=クラスヴィンカヤ……!?」
ロシア聖王:「そしてその直後、サーシャはKGBを造反した…その理由は、これも明らかになっておらぬ」
怜:「清香さ……いえ、母と知り合った直後……で」これは驚くぞ〜
ロシア聖王:「うむ。先の話で少々調べさせていたのだが、私も半信半疑だった…だが、両者が接触している事実は、ソフィア自身の報告書に残されておった」
怜:「……失礼します。報告書にはどのように、書かれていたのでしょうか?」声が掠れてる
ロシア聖王:「…口頭で伝えるよりは、実物を見てもらった方が早いだろう…」報告書のコピーを執事が受け取り、怜に手渡す。
怜:「……はい、ありがとうございます」一礼して受け取ります。「この場で拝見してもよろしいでしょうか?」
GM:ロシア聖王は、静かに頷く・・・
怜:「……感謝いたします」では、コピーをめくりましょう。

それは…ロシア国内のウィザードについての発見報告書であった。
1950年代後半の日付が記されたそこには・・・
ウィザード「サーシャ=クラスヴィンカヤ」についてのデータが記されていた・・・。

怜:データの詳細はわかります?
GM:うむ、それは問題ない・・・様々なデータを検証した結果、クラスが「勇者」であると判明する。ただ・・・ふと、おかしい事に気がついた。サーシャのデータだが、よく見ると不自然なのだ…あちこちがさりげなく改変されている。また、不確定表現も多い…まるで、何かを隠そうとしているかのように。
怜:「……このデータ……明らかに手が加えられています」
ロシア聖王:「・・・なんと?」
怜:「不自然な箇所が多く、また表現に不確定表現が多い……サーシャに関するデータを故意に隠そうとしていると、思えます。私の主観ですが」
ロシア聖王:「…確かに、相手はKGBのエージェント。データを改竄する必要があったのかもしれないが…だが確かに、他のエージェントに関してはそのような話もなかった。」
怜:「……つまり、サーシャについて隠したいことがあった。もしくは……隠さなければならないことがあった……かのどちらかでしょう」
ロシア聖王:「…この書類によれば、サーシャの生誕地はルーマニア、ワラキア…1939年12月となっているな。この地名にもう少し留意すべきであったか…」
怜:「(内心:ルーマニアか……俺自身と直接関係ないわけでもない)……もし、サーシャに関する事実が、聖王庁に今後必要なものであるならば。私自身の手で直接ルーマニアに調査に行きたく思います」
ロシア聖王:「うむ。ソフィアの行動とサーシャ=クラスヴィンカヤ、そしてルーマニア…おそらくは、何かが繋がっているであろう」
怜:「……確実に繋がっている、根拠はありませんが、私はそう思います」
ロシア聖王:「よろしい。聖王庁の職務に関係する事である限り、経費はこちらで持とう。ただ、あまりにも時間がたちすぎた。おそらくは困難な調査となるだろう…」
怜:「……配慮、感謝いたします……少々リスクを背負うことになりますが……背教者会議に話を通せることができれば、調査をし易くなるでしょう」
ロシア聖王:「ふむ、その件だがな…ローマほどではないが、いちおう我々と背教者会議とは一定の距離をとっている。無用に刺激しないようにな」
怜:ああああああ、意見いきなりすれ違い…しかも釘刺されたΣ( ̄□ ̄;)
GM:つまりソフィアは、そんなあやうい均衡の上で動いていたわけだ(笑)
怜:「……そうですね……私自身の立場も微妙な立場ですし、目立つ行動は自重しましょう(苦笑)」何やってたんだ母上は〜!
ロシア聖王:「…いや。君自身で、彼らに話がつけられるようなら問題はない…そこまで融通が利かぬロシア聖王庁ではないという事だ」
怜:「……私自身、ですか……(考えて)……承知いたしました、聖王様には迷惑がかからないように致します」言わんとしていることがわかった…つまり迷惑かけんように賢く立ち回れと言いたいのだなと解釈したのであります(笑)
GM:まあそういう事(笑)逆に言えば…ロシア聖王配下の立場ではダメでも、それ以外に動ける立場があるだろうという事でもあり(笑)
ロシア聖王:「うむ。ブカレストまでの旅費、入国に必要な書類などは手配しよう」
怜:「……重ね重ね、配慮感謝いたします」うむ……ママ上の名前を使うですよ(笑)

かくして、怜は表向き神聖護世騎士団のエージェントとして、ルーマニアの首都ブカレストに到着した。
この国の一角・トランシルヴァニアは、古くから吸血鬼のコミュニティ「背教者会議」の総本山として知られている。
つまるところ、怜にとっては…血脈のルーツとでもいうべき場所なのである。

怜:「(ここか……俺の片方のルーツ……)」何百年も前に思い馳せてみながら……行くのか…ついに行くのか背教者会議…
GM:うむ、ではいざ行かんトランシルヴァニアへ(爆)
怜:おう、覚悟決めました(爆)
GM:トランシルヴァニアの、闇のような森の中…その中には、俗人がいまだ知りえぬ場所がある。無数の結界で巧みに隠された、闇色の巨大な城砦…「真なるトランシルヴァニア」。そこが、背教者会議の本拠地なのだ。
怜:ではすたすたすた……と、血が騒ぐの感じ取りながら。
GM:ウィザードであり、そして力の発現した吸血鬼でもある怜ならば、その場所へと・・・迷わず赴くことは出来る。
怜:「(……ここが、ヴラドの者としての、俺の故郷か……)」ロザリオの類は隠しておこう(笑)
GM:大城砦「真なるトランシルヴァニア」…その入り口には吸血鬼の眷属たちが常に集い蠢き、城内では終わることなき飽食が繰り広げられているという。
怜:「……」ぶわっさと外套ウィングモードで起動しておこう。吸血鬼の証として。
GM:さて、門番の前だが…当然、入城の目的を問いかけられるね。「見ない顔だな、新入りか…いちおうの決まりとして、目的を聞いておこう」
怜:「……ソフィア=ヴラド・ドラクレアの息子、レイ=ヴラド・ドラクレア…………母に絡むことについての調査に参りました」
門番:「・・・よろしい」あっさりと通してくれる・・・そして、開門。
怜:「……(これで通してくれるのか、と内心驚く)」(笑)
GM:城内は、外見とは裏腹な華美な装飾で彩られている・・・ただし、黒と金が基調のカラーリングだが。
怜:肖像画とか飾られていますか?
GM:もちろん。太祖から連なり、真祖や代々の幹部の肖像画が壁には掛けられているね。
怜:少々ずれますけど、太祖はヴラド候なのでしょうか?
GM:うむ、ヴラドは真祖の中でも実は割と新参なのだけど、吸血鬼社会に対する貢献が認められ、その一族は今の背教者会議の中でも一定以上の権限を持っているのだ。
怜:ほうほう…
GM:真なる太祖・・・それは、旧約聖書の時代に弟を殺した「同属喰らい」カイン、とされている・・・。
怜: 何ですと〜Σ( ̄□ ̄;) !!!@PL
GM:さて、気が遠くなるような長さの回廊を歩き・・・その先は、大広間。そこに・・・彼は待っていた。

レオンハルト=ローゼンクラウン…現代における、背教者会議の最高実力者。
彼もまたヴラド=ツェペシ…真祖ドラキュラの直系なのである。

怜:「……ソフィア=ヴラド・ドラクレアが息子、レイ=ヴラド・ドラクレア……」一礼して、名乗る
レオンハルト:「まずは、わざわざ遠いところよく来てくれた。ようこそ僕の城へ、ソフィア=ヴラド・ドラクレアの子、レイ=ヴラド・ドラクレア」
怜:「……参上が、少々遅れ……ました」一応敬語(笑)
レオンハルト:「なに、構わんさ…甥、という事になるのかな?」

怜:「…………甥?……まさか……?」>レオンハルト
レオンハルト:「ああ、ソフィアは序列的に僕の妹という事になるからね。もっとも、僕には無数の妹が居るのだがね」
怜:「……一体、どれ位−−;ゞ」思わず(笑)
レオンハルト:「公式に知られているヴラドの直系は、力を捨て…一般社会に溶け込んだという事になっている。だから、その正確な数をみることは事実上不可能さ」
怜:「……左様で−−;ゞ」
レオンハルト:「さて、外の使用人(レンフィールド)どもから話は聞いているよ。ソフィアの話だね?」
怜:「……はい」
レオンハルト:「ソフィアなら…もう80年は前…1920年頃だったかな。確かにここに来ているよ…それで、ソフィアの何を知りたいのかな?」
怜:「……ロシアでの活動と、それに纏わること。ルーマニアに何の目的で非公式にやってきたのか。そして、KGBエージェント、サーシャ=クラスヴィンカヤとの関係」
レオンハルト:「サーシャ=クラスヴィンカヤ…そうか、ついにその名が出たか………いや、まずは順を追って話すとしよう。物事は順序が肝心というものだ。」
怜:「……お願い、します」
レオンハルト:「…ソフィアがルーマニアに戻ってきた理由はね…実を言えば、ある1人の少女を守ってのことだったのさ。」
怜:「……」真剣にメモ取りながら聞いてる(笑)
レオンハルト:「その少女は、身重の身でロシアから亡命してきてね…この地で子供を生んだ後ドイツに去ったと聞いたけど、その少女とソフィアはなんらかの関係があったらしい」
怜:ちょっと待て、それは初めて聞くんですがΣ( ̄□ ̄;)「……その少女の、名は?」
レオンハルト:「今は、仮にアーニャとしておこう…2人の男と一緒だったな。1人はこの国で死亡し、もう1人と共に去っていった」
怜:「……二人の男の名は?そして、生まれた子供は……?」思わず矢継ぎ早に
レオンハルト:「・・・セルゲイにアレクサンドル、とかいったな。生まれた子供は男の子だったが、すぐに手放され…ソフィアがその面倒をみる事になった。まあ、当時のルーマニアは亡命者だらけですごい状況だったからね。こればかりは、実際に見た者でないとわかるまいよ」
怜:「やはり、ロシア革命の影響……でしょうか?」
レオンハルト:「そう。それに、最初の世界大戦もね・・・あの時代から、人間は互いを下衆な方法で殺す事を覚えたらしい。まあ、どうでもいい話だが…」
怜:「……(まだ生まれてすらいないし、俺)」心の中で苦笑
レオンハルト:「さて、その子供の話だが…ソフィアによって『アレクセイ』と名付けられ、この国で育った。」
怜:「……………………」ここは無言でメモ取りつつ聞きましょう
レオンハルト:「…だが、彼女はやがてこの地を離れなければならなくなった。彼女はロシア聖王の下についていて、その任務を受けなければならなかったからね」
怜:「……それは、育ての親から少し……聞いて……います」
レオンハルト:「…でも、この後の話で、きっと君は驚くかもしれない…結論を先に言うと、つまり君には『父親の違う姉』が存在するんだ(ニヤリ)」
怜:「……姉……が」
レオンハルト:「…二度目の世界大戦が始まった頃、アレクセイはソフィアと結婚し、翌年娘が産まれた…その娘の名前が、サーシャというのさ」
怜:「…………サーシャ……まさか……彼女の名は、サーシャ=クラスヴィンカヤ!?」
レオンハルト:「ああ。ちなみにクラスヴィンカヤは偽名だよ。彼女がロシアに飛び込む前に、僕が与えたんだ…」
怜:「……本名は……そうか……サーシャ=ヴラド・ドラクレア」
レオンハルト:「イエス・アンド・ノー。彼女はもっと異常な血も受け継いでいる・・・」
怜:「それは……どんな血筋?」
レオンハルト:「そうだな・・・・・・ここまできたら、今更隠す必要もないか・・・」
怜:「……お願い、します」神妙に
レオンハルト:「・・・アレクセイの母親、アーニャ・・・彼女の本当の名は、アナスタシアという」
怜:「……理想郷(アナスタシア)」小声で
レオンハルト:「すなわちアナスタシア=ニコラエヴナ=ロマノワ・・・ロシア帝国皇女。それが、彼女の正体だ」

アナスタシア皇女…先の「ニコライ皇帝一家暗殺事件」において、
ただ1人生き残り脱出した…と言われている、ロシア帝国第4皇女である。
しかし、その話は一般にはファンタジーとして捉えられ、その真相を知る者はほとんどいない…。
ちなみに、彼女の遺骨はいまだ見つかっていないという。
つまり「サーシャ=クラスヴィンカヤ」とは…このアナスタシア皇女の孫にあたる人物だというのである。

怜:「……つまり、サーシャは……ロシア帝王の血と、ヴラドの血を引くものだった……と」
レオンハルト:「その通り。ソフィアはロシア皇帝を処刑から救うことは出来なかった…だが、その末娘だけは救うことが出来たんだよ。」
怜:「……(静かに溜息)」
レオンハルト:「・・・これで、ソフィアとサーシャ=クラスヴィンカヤが、どれだけ複雑かつ危険な位置に存在していたかは理解してもらえたかな?」
怜:「公に出来ない娘で……そして、素性を隠さざるを得なかった……と」
レオンハルト:「そう・・・様々な勢力に狙われる立場だった、という事さ。僕たち背教者会議がバックにいたのが、彼女にとっては幸いしたかもしれないな」
怜:「…………」
レオンハルト:「その後すぐ、アレクセイは戦争で死に・・・やがてソ連に舞い戻ったソフィアを追って、サーシャもこの地を離れた・・・・・・・・・結局、ソ連で2人は出会ったらしい」

「・・・・・・かたやロシア聖王庁の、かたやKGBのエージェント・・・敵同士として」

怜:「……二人が出会った形跡があることは、既に調べています」
レオンハルト:「そうか・・・よく調べ上げたものだ」
怜:「……その後……サーシャが亡命し、ソフィアが北海道……日本に記憶を失って逃れたことも」
レオンハルト:「なるほど…おそらくは、その後2人に何かがあったのだろうね」
怜:「……でしょう」<何か (内心:多分、スターリンだろうな…そして、シベリア隕石と)
GM:・・・さて、これでかなり事情が繋がってきたはずだ・・・シベリア隕石、サーシャ=クラスヴィンカヤ、そしてソフィアに絡む謎と秘密・・・
怜:繋がってきたというよりも……正直PLは驚いているんですが(笑)冷静に考えるときちんと繋がることはわかります、そこまで余裕はなくしていませんので^^;ゞ
レオンハルト:「・・・ソフィアが日本にいたことは、会議のネットワークで判明はしていたよ。ただ・・・その直後にあの『忌まわしい大戦』が起きたのだけれどもね」
怜:「…………大戦の最中で、彼女は生死不明になりました」(そして、サーシャの一欠片も・・・)
レオンハルト:「解ってるよ。やったのが、『マリキュレイター』だという事も…」
怜:「……もう、知っていましたか」
レオンハルト:「この僕が知らされないとでも思う?…あの『いかなる魔王をも超える絶対的脅威』について…そんなモノが二度と現れるなど、ごめんこうむりたいところだ」
怜:「……俺のことも、父、火狩仁のことも……調べていたと」掠れた小声で
レオンハルト:「・・・ああ、無論。だからここに通した。それと、君の父は僕が雇ったんだ・・・見つかったソフィアを保護し、身元を割り出すためにね」
怜:「……!……教えて……欲しい……父は、何者……だった?」
レオンハルト:「・・・そんなに切羽詰った顔はしなくていいよ。そう・・・普通の強化人間(エージェント)だったさ」
怜:「……強化人間……そう、か(後半小声で)」
レオンハルト「・・・そして時は流れ、僕たちは今こうしてここにいる、となる訳だが・・・さて、疑問は解けたかな?」
怜:「ええ、今のところは……ときに今、マリキュレイターを……再び発生させないために、今横須賀では動きが始まっています」
レオンハルト:「解っている・・・そのために必要な手立ても、いくらか講じておいた・・・この世界がなくなってしまうのは、僕たちにとっても良くない事だ」
怜:「……その時は、と言っている猶予もない……必要になったら、即協力を願います……伯父上」一礼して
レオンハルト:「・・・・・・(ふっ、と微笑む)」
怜:「……?」
レオンハルト:「解らないかな?・・・・・・承知した、という事さ(笑)」
怜:「……感謝、します」再び一礼
レオンハルト:「・・・さて、せっかくここまでのご足労。手ぶらで返すは失礼に当たる・・・すぐに宴を開くから、是非楽しんでいきたまえ」
怜:「……(やや作り笑いっぽい笑みを浮かべて)……酒には、強いですよ」
レオンハルト:「・・・同属なれば当然だ(ニヤリ)」

かくして、背教者会議にてヴラドの血族としてのもてなしを受けた怜は、
おそるべき真実を胸に、日本へと帰国する事になる…。


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