【外伝・第1章】
惨劇が残したもの

<PART−07/A>


残されし女神
〜天羽 智律の場合〜


一方、部屋に戻った失意の智律が寝床でまどろんでいると…
いつの間にか、部屋にやよいが立っていた。
おそらく…具合を心配してのことだろうか。

やよい:「どうしましたの?具合が悪そうでしたけど・・・?」>智律
智律:「・・・・今日、また、僕と似た女の子の写真を見たです・・・。」>やよいお義母さん
やよい:「そう・・・もしかして、その子は『杉崎沙弥』といいませんでした?」
智律:「あ…、はい、そうです…その女の子は、僕達が今探している杉崎博士の娘さんだそうです・・・。」
やよい:「やはり・・・そうではないかと思っていましたわ。」
智律:「お義母さんは・・・、何か、知ってるですか・・・?」
やよい:「ええ・・・同じ楠ヶ浦学園にいた身ですし、彼女もまたウィザードでしたから・・・」
智律:「!! お願いですっ、どんなことでもいいですから教えてくださいですっ!」
やよい:「ええ。何から話せばよいかしら・・・?(小首かしげ)」
智律:「え、えと、えと・・・。 沙弥さんって、どんな人だったですか・・・?」
やよい:「(黙って、悪戯っぽく微笑みつつ智律を指差す)」
智律:「は、はぅ・・・?」(きょろきょろしたあとゆっくりと自分を指差す)
やよい:「あなたに似ていて、心優しくて・・・すぐ涙ぐんで。人の痛みまで自分の事のように思いやって、傷ついて・・・それでも前に進もうとする、そんな子でしたわ・・・」
智律:「僕は、もし出会えたら…、沙弥さんと…、トモダチに・・・、なれたですか・・・?」
やよい:「ええ、きっと・・・いえ、必ず(にっこり)」
智律:「はぅ・・・・・。(少し涙目)」
やよい:「何故、泣くのです・・・?」
智律:「わからないです・・。でも、なんだか、トモダチがいなくなって、もう二度と会えない気がして・・・。あぅぅ・・・。やっぱりわけがわからないけど、悲しいです・・・。」
やよい:「ええ・・・・・・わたくしも、彼女と最後に別れた時のことは・・・忘れられませんわ。」>智律
智律:「はぅ・・・・・・?」
やよい:「(遠い目をする)あの大戦のさなか・・・『第7艦隊』の攻撃で破壊された学園から『三笠』に逃れた時・・・」
智律:「・・・・・・・・・。」
やよい:「あの子は・・・友達を逃すために、最後まであの戦場に残っていましたのよ・・・」
智律:「は、ふ・・・・。 もし、僕が、その場に居たら・・・。やっぱり、僕も、沙弥さんと同じ行動をしていたと、おもうです。・・・でも、ほ、ほんとはすごく・・・、すごく怖いです・・・。」
やよい:「ええ・・・それでも、あの子は戦ったのですわ。人一倍争いが嫌いなあの子が・・・あの『第7艦隊』と・・・」
智律:「・・・・・・・・僕も戦うのは、嫌いです・・。でも、誰かが傷つくのが、僕が戦うことで止めれるなら・・・。僕は、戦うです・・・。」
やよい:「そういう所も・・・あなたは、沙弥ちゃんに似ていますわ(微笑)」
智律:「僕は・・・、もっともっと、沙弥さんの事が知りたいです・・・。 ううん…、違うです・・。僕は、沙弥さんの事を知らなきゃいけないとおもうです…!」
やよい:「あの子は…私の『妹』でしたの。楠ヶ浦学園の守りをつかさどる力のひとつ…『3人の』…いえ、これはあくまで過去の話ですわ」
智律:「え、そ、そうだったのですか!?(驚)」 前半の言葉しか聞いておりませぬ(笑)
やよい:「(首を横に振り)もちろん、血は繋がってませんわ・・・なんというか、見えない絆のようなもの・・・そんなもので、結ばれていたんですの。」
智律:「はぅ〜・・・?」(いまいちよくわかっていない様子)
怜:PLはわかるにゅ>『妹』と『3人』
智律:そしてGMさんと私は、私自身がとてつもない墓穴を掘ってしまったという事を知っていたり(謎)
やよい:「そういえば、智律君はご存知かしら?…わたくしの、かつてのコードネームを」
真琴:ウルズ・ザ・ノルン、ですか
GM:真琴、あたりー(笑)
智律:「え、ええっと…。運命を過去の糸を持って紡ぐ三姉妹の長女・・・・?あ、あれ、なんでこんなにながくなったんだろう・・?」
やよい:「そう・・・よくご存知ですわね(^^)」
智律:「?????」混乱中(笑)
やよい:「つまり、そういう事ですわ・・・そして、あの戦いでわたくしは『妹』をふたり失いましたの・・・」
智律:「え、えっと・・・。一人は、沙耶さんで・・・。・・・・二人とも、死んじゃったのですか…?」
やよい:「ええ・・・・・・・そして、わたくしひとりが生き残りましたの。お笑いですわね・・・」
智律:「そ、そんなことは無いです!だ、だって、お義母さんが死んじゃったら、僕はお義母さんがいなくなっちゃうです・・・。」

やよいは、智律の前で…月衣から1本の「箒」を取り出した。
6枚の透明な翼を持った、優美なシルエットの「それ」には…「α」と刻まれていた。

やよい:「この『ユグドラシル』は・・・3本あった中の、最後の1本。そして、本来の用途では・・・二度と使われる事はないのですわ。」
智律:「・・・・。(何かを思いついた。)もしかして・・、その箒は三つで一組なのですか?」
やよい:「そう・・・しかし、2本は破壊されて・・・そのために、楠ヶ浦学園は守護の力を失って、滅んでいきましたのよ・・・」
智律:「・・・もう、直らないですか・・・?」
やよい:「あれは・・・言ってみればわたくし達のラグナロック。失われたものは、二度と同じ形では戻りませんのよ・・・」
智律:「・・・・・・・・・・・はぅ・・・・。」
やよい:「けれども・・・生命は巡り巡る。だからこそ、かもしれませんわ(智律の顔をじっと見る)」
智律:「・・・・・は、はぅ?」(やよいさんの言葉に戸惑い、ただ、茫然と)
尽:ラグナロク過ぎし後には、新しき世代が訪れる・・・それが北欧神話の伝える世界。
智律:全てか消えたかに見えたが、確かに残ったものもあった…。
やよい:「さて、昔話はここまでにいたしましょうか・・・あなたにも、するべき事は出来たはずですわ。」>智律
智律:「はいです・・。あの、お願いがあるです。」
やよい:「・・・なにかしら・・・?(微笑)」
智律:「・・・また、沙耶さんと…、もう一人の妹さんのお話を聞かせてもらえますか・・・?」
やよい:「ええ。あなたの気が向いたなら…(^^)」

やよいは、智律を寝かしつけ部屋を出て行った。だが、智律の心は晴れない…
むしろ更なる疑問が、浮かび上がっていたからである。

まず、やよいさんの妹=沙弥さん その友達のそらさん・・・。 二人に面識は…?現状では、無いと考えられるけど…。
それに、もう一人の…、恐らくは「現在」は一体何者…?

そもそも…。究極兵器・・。一歩転じれば、これほど頼りになるものはいない…。「第七艦隊」との関係も気になる・・。

尽:ディメンジョン=ガジェットとプロジェクト=デミウルゴス・・・同じ、もしくは発展型の可能性も・・・究極がそうそう沢山あるとも思えないし。
真琴:なんとなく、同じ物の気がするにゃ〜
尽:ふむ・・・まだまだ、情報不足ですね。
智律:ういです。(溜息)推論しか出ませんし…。そもそも、推論だけでこの身が固められそうで…。

そして、北欧神話…。ユグドラシル倒壊の原因となった、ファフニールとフロスベルグ…。両者を仲たがいさせる忌々しい栗鼠は・・・、
あるいは存在したのか・・・?深読みをしすぎているのか・・・?

そして・・・。神々の裏切り者。 巨人との混血。かの者は…。存在していた可能性が・・・高い?

「情報が漏れている」…?

智律:さて、現状の情報を無理に当てはめると、絶滅社&アンブラ=ファフニール&フレスベルグ、といえないことも無いけど…。流石に無理をしすぎ、か…。
尽:ちと、穿ちすぎだと思う。そもそもエミュレイターに与してそうなのは、トリニティだけ。(
智律:まぁ、今のアンブラと絶滅社の裏取引ゆーと、弓さん関連かと想像はつくけど・・。他には何がある・・・?
尽:そのあたりは今後、怜が探るところかと(苦笑)
智律:くそ〜。十塔君では「箒」の情報は手にはいらんだろうしなぁ…。「ユグドラシル」の情報も集めんと…。結界系…。アンブラだとは思うけど…。


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