NWOS各組織関係設定
順次、加筆修正していく見込みです。
臥龍学園
本シリーズのメイン舞台となる場。詳細はこちらを参照。
輝明学園
既に知られている通り、輝明学園はウィザード養成学校として日本国内のウィザード社会で広く知られている存在だが、
特に秋葉原校は、宝玉戦争における在籍ウィザード生徒の勇戦ぶりから、世界的にも(ウィザード社会限定ながら)知られるようになった。
そうした実績と世界情勢の変化を受けて、夜会との繋がりが深い札幌校、医療科学研究所が後援しているお台場校、伊賀ノ森と提携している伊賀校、
陰陽師の名家が集まる京都校や奈良校、「侍学科」と呼ばれる学科を持つ薩摩校などが、冥魔勢力との抗争のさなかで次々と創設されてきた。
最近ではそうした動きは日本国外にも広がっており、様々な要所に海外分校が創設されている他、
イギリスのダンガルド魔術学校、ローマのオルテンシア神学校、ギリシャの万神殿、プラハやロシアの魔女学校といった、
既存の様々なウィザード養成機関とも連携を進めている。
更に「ビフロスト構想」の進捗から、加盟する平行世界にも次々と輝明学園の分校が創設されているが、
あえて世界外に設置した「常夜の国」や、そもそも設置を認めていない「龍源郷」といった例もあり、必ずしも絶対的な風潮ではない。
制服については若干の例外こそあるものの、世界結界内の各地の分校では「ナイトウィザード the
2nd Edition」のもの、
「超空洞」内の各並行世界に存在する分校では「ナイトウィザード(初代)」のものが、基本的には用いられている。
なお、秋葉原・荒砥山・吉祥寺および葉山の輝明学園については、次項を参照されたい。
スクールメイズとスクールブリッジ
YEAR13以降、輝明学園の各分校には「ウィザード養成」の目的から多層式次元迷宮、俗称「スクールメイズ」が順次設置されている。
更に各スクールメイズは「スクールブリッジ」と呼ばれる次元回廊を介して接続されており、各管轄校の許可を得れば任意のスクールメイズ間を移動する事が出来る。
これらは、第1号施設である秋葉原校のスクールメイズと、横須賀・臥龍学園に存在する同種施設「臥龍迷宮」の間に存在する次元回廊を参考に開発されたという。
ウィザーズ・ユニオン
各ウィザード達の関連組織を束ねている連合が、このウィザーズ・ユニオン(WU)である。
多くの場合、WUは基幹となる団体/施設を中心に、所属するウィザード達が寄り合い的に集まっている。
管轄する地域内に限っては各組織が連帯する事もあるが、ごく一部の例外を除き、
たとえ同じWUの体裁をとっていても、外部地域に属する組織との同盟・連帯を図る事はそう多くない。
ただし、状況の展開が広域にわたる場合の相互間の救援などにおいてはこの限りではなく、その場合は世界魔術協会の指示を仰ぐ事が多い。
横須賀
「臥龍」を戴く横須賀においては、古来から御門/真行寺系に属する神代家(逢守神社)と、銀十字系の楠ヶ浦学園を中心にWUを構成していたが、
関東異界大戦において楠ヶ浦学園が潰滅し、神代家の人的物的被害も甚大であった事から、新たに創設された臥龍学園を中心とした構成へとシフトして久しい。
また、大戦での状況を把握した前総評・常田治雄の立てた方針から、WU内部のみならず周辺地域の各WUとの連帯を強めているのも特色であり、
神代家が総評職に復帰してからもその方針が遵守された結果、所属ウィザードの結束力・周辺地域との連帯共に、総じて高いレベルを維持し続けている。
また、対魔王(冥魔王)チーム「MASTERS」を筆頭とした強大な戦力を保有している事から、「宝玉戦争」後は退潮著しい秋葉原WUに代わって世界防衛の矢面に立つ事も多い。
鎌倉および湘南
もともと真行寺系の本拠地とされる程の、霊的重要拠点であった鎌倉。
近年では横須賀WUとの人的交流の結果、その手法を見習って、主に周辺WU及び関連組織との連帯が図られてきた。
現在鎌倉WUを中心に、平塚・茅ヶ崎から葉山に至るまでの湘南海岸一帯を管轄する「湘南グランドユニオン」を組織しようという動きが見られるが、
主に平塚WUと鎌倉WUとの間の折り合いが必ずしも良好ではなく、現在折衝を重ねている状況である。
また、鎌倉外伝の最終局面であわや復活しかけた「禍海魂神」を再び利用せんと画策する勢力(ネメシス、武藤製薬等)に対しては、より警戒を強めている。
なお、輝明学園は藤沢・茅ヶ崎・平塚・大磯に存在。この他にも鎌倉には小規模な分校がある(これは銀十字系の聖天女学院が活動域としているため)が、
逗子WUの本拠地・西海学園の活動域である逗子には存在しない(厳密には金沢八景分校の管轄となっているが、西海学園に委託の形をとっている)。
ちなみに制服は、概ね「ナイトウィザード the 2nd Edition」のものに準拠しているが、
管轄団体の異なる聖天女学院および逗子西海学園については、オリジナルのデザイン(それぞれセーラー/詰襟)を採用している。
葉山
ネクストシリーズの舞台となる、海を臨み自然に恵まれた風光明媚な地域。
皇室が別邸を置き、またマリンリゾートのメッカとしても広く知られるが、その一方でバブル期の開発に失敗し交通網をまともに整備できなかった結果、
長きにわたり組織立った防衛手段を持つ事が出来ず、地域有事の際には(横須賀など)周辺地域のWUに頼りきる形となっていた。
しかし、「湘南グランドユニオン計画」が検討され始めた頃、その布石として輝明学園と医療科学研究所が湘南国際村に用地を取得し、
新たな分校を設置して遅まきながらも地域のウィザード育成に乗り出した。
しかしながら、多分に「ウィザード教育界における政治的事情の産物」という性格が強い上、
周辺地域に(臥龍学園を筆頭に)優秀かつ歴史あるウィザード養成校が林立しているため、まず生徒数の確保に苦慮している様子。
新設校であるため、制服は最初から「ナイトウィザード the 3rd Edition」のものに準拠している。
秋葉原
公式NWにおける重要拠点であった秋葉原は、それでいて明確なWUという体裁がとられておらず、
各組織各ウィザードが個々勝手に戦っている事も決して珍しくはなかったが、マジカルウォーフェア期に「この地を発端とする世界の危機」が度々起き続けた事から、
前「世界の守護者」アンゼロットが先頭に立って、輝明学園秋葉原校(の特定のウィザード)を中心にした防衛体制を構築していたのはあまりにも有名。
その一方で裏界との関係も決して少なくはなく、現在においても、ラビリンスシティと最も活発に交流しているのはこのWUである。
(現に、スクールメイズ経由でラビリンスシティへの直結ルートが存在する)
ただし「宝玉戦争」後、WUの中心となっていた(アンゼロット子飼いの)ウィザード達が相次いで所属を離れており、
確かに後進の育成も進んではいるものの、往年に比して相対的な弱体化は否めなくなっている。
当然ながら、制服は「ナイトウィザード the 3rd Edition」のものに準拠。
荒砥山
「結界破壊者」ノアの活動が顕著に見られた事を契機に、活動が活発になってきた地域。
その実態は御堂家及びその関係者の活動によるものが多く、いまだWUといえる程の規模ではないものの、世界魔術協会の見解では事実上のWUであると認定された。
御堂家の先代当主は外界の動静に対して排他的であったが、現当主(候補)への漸進的な世代交代と共に、世界魔術協会及び絶滅社との関係を深めている。
そうした事情及び「異能」の第一号個体がこの地から出たという事実もあって、この地に創設された輝明学園は、
異能たちへのウィザード教育(彼らは“スプーキー”と呼ばれる侵魔に変異しやすい傾向がある)や、異能そのものの研究を目的としている。
制服は「ナイトウィザード the 2nd Edition」のものに準拠。
吉祥寺
「宝玉戦争」に絡む案件には関与していなかったため秋葉原ほどには目立たないが、過去とある重大事件に関与していた地域。
(世界魔術協会代表をアンゼロットが務めていた時期だったが、実際彼女はこの事件に殆ど関与しておらず、一説には“壮麗なる”ラシュディの一存で進展したと噂されている)
この事件に際して当地輝明学園の理事長・天罪芽亜の下、絶滅社や御門家などがエージェントを常駐させていた時期があり、
事件の終盤では共闘の動きもあったため、これらをもってWUと看做されていた。
かの事件が終結した現在では、嘗て集まっていたエージェントたちもその多くが外地に転任。輝明学園職員・生徒を中心に、最低限の戦力が残されているのみである。
制服は「ナイトウィザード 魔法大戦」のものに準拠。他の輝明学園には見られない特殊なデザインだが、
これは将来的に万が一でもかの重大事件が再発した場合においての、対処要員としての識別子的な意味がある模様。
立川
元々多摩地区の中心的な立ち位置にある都市だったが、ノアによる世界結界再起動の後、オカジマ技研が工場を誘致。
ブルームナイトとマシンフェアリーの一大生産拠点とする事で、再度の大発展を遂げた。
これらはイノセント社会に対しても「人型重機」「ペットロボット」として公開され、急激に認知が進んでいる。
この地の輝明学園は、本来は重大事情を抱えていた吉祥寺分校の支援施設として機能していたが、かの事件が終結した後は独立し、オカジマ技研と積極的に提携。
結果、ブルームナイト及びマシンフェアリーの運用を重視(よって、メイガスブレードとも関係を深めるに至る)した独自のカリキュラムによるウィザード教育を行っている。
そうした経緯から、現在は濃淡紫と朱色を基調としブレザーとセーラーを折衷したようなオリジナルデザインの制服となっている。
各国政府
日本
我が国における(WUを除く)公的ウィザード組織は、主に真行寺家の流れを汲む典礼庁外典儀式課、政府組織の内閣調査室退魔課、
さらに警視庁隷下の警備局侵魔対策班などが挙げられ、御門家・天大寺などは、これらの組織にオブザーバーとして関与している。
一方で一条家も裏界勢力の拡大のため暗躍しており、特にこの3つの組織の中には、別組織との二重スパイも隠然と存在しているような状況である。
国土防衛隊は、表向きはウィザードを所属させていないが、人造人間からなる特殊部隊を隠し持っているという噂もある。
ルールブック掲載当時の総理・仲嶋純一郎の任期がYEAR9(200Z+1年)に切れ、総選挙によって当時の野党が政権交代を果たしたものの、
裏界の利害関係を一因とした非公然的干渉によって短命政権に終わり、その後仲嶋が異例の再任を受けている。
アメリカ
第二次世界大戦の頃から、スーパーヒーロー組織として公然と活動を続けていたFAAが、合衆国の代表的なウィザード組織である。
合衆国の現職・エルフマン大統領はFAAに代わってレイヴン・ロフトを創設。YEAR8(200Z年)及びYEAR12の大統領選にも勝ち、向こう4年は現職に留まるであろう。
ただし、FAAも組織としての存続は許されており、(決して公然とではないものの)レイヴンの戦力で対処できない事態に対応している事が多いが、
メンバーの中には合衆国の管轄という制約を越えた「国連直属組織」への刷新を考慮している者もいるようだ。
また、アンブラやトリニティといったウィザード関連企業を最も多く抱えているのも、この国である。
一方南米では、「新帝国」が現地の犯罪結社と結託して隠然と勢力を広げており、国家軍警察所属のウィザード達と小規模な交戦を繰り返していたが、
同組織の壊滅後もマフィア層の参入と勢力抗争を招いた結果、全体状況としては然程変わっていない。
アフリカに次いで高い「魔法との親和性(その多くはマヤ・アステカ文明に起因する)」から、強力なウィザードの存在が何人か確認されている。
欧州
ローマ聖王庁を始めとして、数多くの主義主張を持つ組織が、複雑な利害関係の下で相克と協調を繰り返しているのが欧州ウィザード社会の実情である。
特にオーファル=コートの活動は積極的で、イスタヴィアでは政府との内戦を起こしている他、イギリスでもヘルファイア機関と壮絶な交戦を繰り返している。
イスタヴィアの内戦には現地のマフィア・レイフィールド家や、北欧に本拠を置くヘイエルダール商会が介入し、目下複雑怪奇な社会戦の様相を呈している。
一方、フランスでは「ノワール=ゲール」もしくは「憂世騎士団」と名乗る結社の暗躍が続き、マティニヨン公国やイタリア、聖王庁でもその影響が懸念されている。
統一ドイツではG6がミーゲ社との協調を進めているが、ヴァルキューレ事件における不祥事を境に同社の体質が問われており、これまた微妙な情勢が続く。
そうした中、ヴェステルシュタイン王国は、中世以来の特異な立ち位置を維持し続けている。
かつての「世界の守護者」を王家の祖に持つこの国には、すべてのワールドゲートを制御可能な「グランド=ワールドゲート」が存在し、
既に別平行世界との交流もいくらか行われている事から、対冥魔戦の切り札となる「汎世界交流」の要と看做されている。
中国
近年経済の進展著しい中国だが、ウィザード教育はほとんど軍が行っており、その実態はほとんど外部には知らされていない。
噂では、政府高官と結託した白家の肝入りで、非道な人体実験などが公然となされているというが、これも外部からでは憶測の域を出ない。
僅かに「先行者」と呼ばれる人造兵士の存在が、「マジカルウォーフェア」期に発覚している程度である。
世界魔術協会は、政府側に何度も情報開示を打診しているが黙殺され続けており、
周辺諸国への領土拡大/内政干渉の度合いも相俟って「裏界魔王の誰かが政府中枢に深く関与しているのではないか?」という疑惑さえ囁かれている。
ただし、香港・台湾はこの限りではなく、煌家の庇護下でウィザード達は割と自由に活動が出来ているようだ。
なお、朝鮮半島は「関東異界大戦」の際流れ弾によって破壊されており、もはや存在しない。
中東
不安定な国情を抱える国々が多い中、比較的安定しているのはインドである。
六柱の巫女・ガウリを中心とした一派が、襲来する侵魔の撃退及び各国の国情安定のため精力的に飛び回っているが、
WU的組織を持たない国も数多く、有事の際には殆ど手が足りていない状況である。
(近年では、大西洋を追われたダゴン教団がインド洋で活動していたという報告も聞かれる)
また、かねてより米国と衝突を続けてきたバビロニア社会民主共和国では、いよいよ戦争の機運が高まりつつある。
潜在的ウィザードの数がアフリカに次いで多いだけに、もし開戦すればかなりの影響と被害が出るであろう。
アフリカ
貧困に喘ぐ国々が多い中ではあるが、逆に言えば「最も魔法との親和性が高い地域」こそが、アフリカである。
未開地域では世界結界の働きも十分であるとは言えず、呪術師として公然と活動しているウィザードも数多くいる。
(近年、ゲイザーズ級のウィザードが見出され、世界魔術協会においても話題になった)
かつては、世界結界の維持上その状況を危険視した協会内の一部派閥と、権益拡大を意図した世俗勢力の結託により
これらの国々を支配・搾取する植民政策が行われていたが、既に現代においてはその手法も限界を呈しており、
「世界結界の恩恵を受けながら従来の呪術師たちが活動する」という方向へと、徐々にシフトしつつある。
その端緒として、経済的に最も豊かなエジプトに在住のウィザード達を中心として、WU組織の積極的刷新が図られているのだが、
民族間・宗教間の相違が原因で、今のところその進捗ははかばかしくないのが実情のようだ。
ロシア
旧ソ連崩壊後、その衣鉢を継いだルーシ民主連邦(ル民連)が、広大な領土を旧ソ連譲りの国力(というか軍事力)で治めており、
少なくとも都市部・直轄領内においては民衆の絶大な支持を受けている。
しかしながら、旧ソ連及び東側体制の崩壊という国際的パラダイムシフトは、領内辺境部に散在する少数民族の自立心を励起し、
彼らは独立国家となるべく様々な地域にて彼ら自身の政府を樹立。バルト地方など一部は国際社会の支援も受けて成功に至ったが、
別の一部では水面下におけるル民連側の妨害(当局は否定)により失敗、更に別の一部ではル民連との軋轢が長じるに至り衝突が表面化している。
特に南ロシアにおいては小規模な紛争にまで至っており、国連や神聖護世騎士団による調停活動が進められているものの、
その進捗は決して思わしいものではない(連作「紅き旗の名の下に」)。
これらの戦線では、ブルームナイトが「新式人型戦車」として運用されており、マジックアイテムが公に認知されている珍しい例となっている。
ウィザード社会的には、旧ソ連時代の超人兵士から神聖護世騎士団員、果ては秘密裏に活動をしてきた「魔女バーバヤガーの弟子達」に至るまで、
その活動理念および立場はもとより多岐に亘るため、もしWUがあったとしてもその権能はほぼ拠点を中心とした狭い地域に限定される様子。
なお衝突地域においては、不安定な社会情勢に乗じて目的の完遂や覇権の獲得に動く犯罪組織がその根を張り始めているとの指摘もある。
聖王庁関係
銀十字騎士修道会
長らく反ウィザード派であった聖王グレゴリオ=ビウス13世だったが、宝玉戦争のさなかにオルテンシア神学校を開設するなど、態度を軟化させている。
これについては、腹心であり「聖王の懐刀」とも呼ばれるグィード=ボルジアの隠然たる働きが大きいとされている。
ただし、そのスタンスは必ずしも末端にまで行き届いているとは言いがたく、枢機卿レベルから牧師レベルに至るまで、水面下の勢力争いはなおも続いている。
そんな中、パトリシア=フォルツァは、現在も変わらずウィザード達に好意的な枢機卿の一人である。
その直属部隊である白百合銃士隊は、銀十字騎士修道会の支援部隊として精力的に活動しており、こちらを「真の銀十字騎士団」と認識する者も少なくはない。
救世旅団
その活動ぶりは相変わらず。
ただしルチア公女の成長に伴い、活動半径は寧ろ増大の一途を辿っている。
神聖護世騎士団
厳密には聖王庁に属さない、東方正教会系の組織。
かつてはロシア帝国騎士団であり、ソヴィエト連邦時代にはほぼ秘密組織と言ってもいい状態だったが、同連邦の崩壊と共に積極的活動を再開している。
その活動圏は主にロシア及び中東であり、隣接する各国に出先機関は存在するが、救世旅団ほど積極的に活動しているとは言いがたい。
ただし、一度号令が出た後の対応は聖王庁よりも迅速であり、特に軍事活動においてその傾向は顕著である(ル民連軍との密接な関係を指摘する声も)。
しかしながら、ここ最近のユーラシア地域における民族抗争に対しては今のところ然程有効な手を打てておらず、
騎士団としてはなんとか聖王庁に歩み寄ろうとしてはいるのだが、宗派がそもそも異なるという事情もあって、なかなかうまくいってはいない。
世界魔術協会関係
ロンギヌス
世界魔術協会代表「世界の守護者」直属部隊。前任者アンゼロットによる規範の徹底化・組織の一元化は、
「マジカルウォーフェア」期に(賛否両論こそ多かったものの)一定の成果を上げていた事は、よく知られている通りである。
ただ、それはアンゼロットが「宝玉戦争」直後に引責辞任して以後、代表代行・赤羽くれはに対する相対的な忠誠心の低下をも招き、
YEAR9「ワールドゲート戦役」における、親アンゼ過激派クーデターが発生する遠因となった…という指摘も存在する。
しかしながら、そんな現在にあってもなお、ロンギヌスが「世界魔術協会最強最大の戦闘組織」である事は揺るぎもない事実である。
グリーンティー
「オペレーション=ケイオス」以後、赤羽くれはがロンギヌス内部に創設した特殊部隊。
しかしてその実体は、アンゼロットが去った後ロンギヌス内に燻る派閥抗争に対し、自己防衛を図るための布石である。
件のクーデターの折にはその意図が少なからず的中し、彼らはアンゼロット城内のフェイルセーフとしてある程度有効に機能した。
現在、その反省から組織全体の立場の強化が図られているが、なお存在する親アンゼ派からは、反発の声も決して少なくはない。
なお、ロンギヌスの赤い制服に対し、彼らグリーンティーは緑色の制服を纏っている(デザインは同じ)。
ロンギヌスポリス(LP)
前述「ロンギヌスの叛乱」を境に、新たに創設された組織。「蒼穹のエンゲージ」が初出。
言うまでもなくロンギヌスは世界最強の戦闘組織であるが、それ故「もし彼らが反逆もしくは判断を誤った場合、
これを裁く事が出来る者が事実上存在しない」という問題が宝玉戦争の頃から既に顕在化しており、
これを受けてロンギヌス/グリーンティー所属メンバーから、特に使命感・責任感が強く高潔な意志を持った者を選抜して組織されている。
いわば、MPや公安警察のような性格を持っている(そのためロンギヌスメンバーに対する逮捕権、裁量権も持っている)が、
その責務はあくまでロンギヌス/グリーンティーの組織内部に対してのみ機能する。
しかし「蒼穹〜」では早速冥刻四天王のレオガルスに操られており、創設そうそうミソを付けられる形となってしまった。
その制服はロンギヌス本隊に準拠するデザインだが、レオガルスの一件以来若干変更され、
カラーリングは黒基調で制帽(これは精神操作対策機能を備える)を持ち、その制帽前面と上着背部にはロンギヌスのエンブレム、そして上着左袖には「LP」の腕章が付いている。
メイガスブレード
厳密には世界魔術協会の系列組織ではないが、協会の要請で動く事が多いためここに記す。
初出は「ソウルアーツ」だが公式設定とは若干異なり、箒技術の発展と世界戦局の変化に対応すべく、絶滅社が世界魔術協会及び世界各国と共同で結成した箒戦技部隊となっている。
そのエンブレムを背負う者は「世界に有事の際」に限り、加盟各国どこへでもパスポートなしで赴く事が許されているが、
あくまで「人界内部での防衛」が主任務である為、“超空洞”にまで出撃する事は稀である(そのような事態が発生した場合、ロンギヌスのサポートを受けるのが通例となっている)。
直接の指揮系統は絶滅社に属するが、絶滅社と提携する組織(主に世界魔術協会など)による世界防衛任務には同調する他、
部隊に基地及び人材を提供している加盟各国政府の意向も、ある程度尊重されている。
なお日本では、輝明学園秋葉原校(のち立川校に移転)が拠点となっているため、「ウィザード向け特殊学科」扱いとなっている。
ラシュディ派
世界魔術協会の重鎮・“壮麗なる”ラシュディを中心とする一派。以前から一貫して裏界との徹底抗戦を唱えており、吉祥寺を舞台にした事件の黒幕と目されている。
長ずるに至り、冥魔の出現を前にした現在にあっては、世界結界の存在すら弊害と考えている節があり、
世界結界を消滅させてウィザードの力を上げる事で侵魔・冥魔への更なる対抗力を身に付ける必要がある、と主張している。
そうした意味合いから、本質的にはラシュディこそが世界解放同盟の実質上の指導者ではないか?という説すら唱えられている。
企業
アンブラ
箒業界の老舗にして最大手。「機械式箒の父」ドクトル=エルツフェルズがトリニティとの企業抗争の果てに社を去った後も、精力的に開発活動を続けている。
現在その開発傾向は、一般向けの「より平易に扱える箒」と、エンジェルシード等に代表される「単体で戦況を変え得る箒」とに二極化されている。
トリニティ
軍産の一環としてウィザード関連技術に関わったが、箒技術においては一時期アンブラと激しく争うなどしていた。
現在では若干方針転換し「箒を中心とした統合戦闘システム」の構築に注力しているが、裏界の関与を指摘する声は今も根強い。
最近、代表であったシン=マックビーが裏界魔王カミーユ=カイムンの分け身であった事が、「MASTERS」によるカミーユ本体の討滅後明らかになった。
現在のシン=マックビーは裏界から身柄を奪還されたものといい、以前以上に社会への慈善活動を行っているが、
その反面企業としての体質は然程変わっていない様子であり、彼の主張のどこまでが本当なのかはいまだ不明のままである。
オカジマ技研
かつては世界最強ロボット「インフィナイト」で知られていたが、それは全て杉崎博士と「ディメンジョン=ガジェット」の存在によって成り立っていたもので、
その両者を失った現在もなお(性能的にはより劣化してはいるが…)人型機械の開発をメインとしており、箒メーカーとしては寧ろ後発に位置する。
そうした経緯から、「箒の機能を限定的に備えた人型アーティファクト」の開発に注力。何度かの機密漏洩により厳しい時期もあったが、
最終的には各社共通規格による人型箒「ブルームナイト」の基礎技術に絡む特許を得る事で、確固たる地位の形成に成功した。
それ以外のウィザード関連製品(特にプログラム関連)においても、業界でかなりのシェアを得ている事は言うまでもない。
更に、最近ではラビリンスシティにも精力的に進出しているとの事。
そこまでW事業を拡張するこの企業の活動の根底には、社長である岡島伸一の個人的な事情が絡んでいるらしいのだが…?
ミーゲ社
俗に掃除機メーカーとして知られているが、マジカルウォーフェア期にアンブラがノックダウン提携を結んだ事で、
ウィザード業界においても(主に欧州で)一定のシェアを得るようになった。
その設計思想は「箒と乗り手の感応性を高める」方向に特化されているため、両者の相性次第では強力な箒の誕生が見込める。
しかし、裏では「アンブラやトリニティ以上の非合法な所業に及んでいる」と言う風評が根強く存在し、
YEAR8における試作箒「ヴァルキューレ」絡みの一連の事件において、それがはからずも裏付けられる形になってしまった。
現在は、社を挙げて名誉回復のため「ヴァルキューレ」の改良に乗り出しているところである。
武藤製薬
日本に基盤を置いていた企業複合体。その存在には一条家が深く関与しているといわれたが、ネメシスや憂世騎士団などの関与を指摘する声もあった。
主にトリニティの流れを汲む技術を多く採用していたが、その過程で独自技術も少なからず編み出していた。
トリニティが表立って非合法活動を控えるようになって以後は、日本界隈で最も多くの問題を起こしてきた企業でもあったが、
ウィザード社会においてすら数多くの問題を起こした末討伐を受け、組織としては壊滅した。
ただし、その技術は絶滅社や憂世騎士団を始めとする様々な組織の手に渡り、医療科学研究所にしてもその影響を受けているという説は根強い。
医療科学研究所
通称「医科研」。近年医療関係で様々な成功を集め一躍社会の注目を集めている独立行政法人だが、実のところそれはウィザード社会の見えざる支援によるところが大きい。
そうした経緯からウィザード社会に対しては協力的で、最近では新種の人造ウィザード「科学魔導士」を開発する事に成功しているが、
そこに纏わる人道的問題など、課題はまだまだ残っているようである。
その他
OH−YU社グループ、黒羽インダストリアル、日本ブレイブ重工のような企業から、梟月堂やRupesなどの個人経営店、
果てはHTTやオクタヘドロンのような多重世界企業体に至るまで、ウィザード業界関連で商売を行っている組織は幅広く存在する。
特に箒関連企業は、アンブラ・トリニティ抗争の教訓を踏まえてそれぞれのニーズ毎に住み分けを行ってきたが、
箒技術の自由化によって競争原理が導入され、その勢力図にも徐々に変化が生じ始めている。
秘密結社
新帝国
第二次大戦期のドイツに存在した「第三帝国」の流れを汲む結社。よって、その名称に反し「国家」ではない。
明確に裏界帝国と関与している事が明らかになっており、各「親裏界組織」の繋ぎ役として一定の役割を果たしている。
最大派閥のボルマン一派は平行世界「D=アース」の制圧半ばにして「MASTERS」の活躍で壊滅したものの、
いまだ中南米やアフリカなど全世界に支援組織や支部が置かれており、聖王庁内部にも同調者が隠れているという噂すらある。
彼らが保有していた魔法機械技術の大半は、アンブラやトリニティなど各企業に流れ、善悪は兎も角としてその発展に大きく寄与している。
オーファル=コート
「各国政府/欧州」を参照。「モノクロームの境界」が初出であるが、同事件で最高幹部アルティシモの正体が冥魔であったと判明。
アルティシモの討滅後、残存した一握りの幹部達による再建行動が進んでいるが、一部派閥はこれに従わず独自行動をとっている。
ネメシス
日本・米国を基盤として活動する魔法テロ組織としてかなり以前から知られていたが、その実態はいまだ詳らかではない。
ただ、基本的に現ルー体制下の「裏界帝国」とは然程関係を持っていない事、寧ろそれ以外の派閥に属する侵魔の活動に関与してきている事は明白である。
特に「混成魔王」マンモンと、その派閥に属する魔王との関係が濃厚らしいが、真偽の程は定かではない。
ドヴォール
旧KGBの非合法研究部門を母体とし、主にロシアで活動する犯罪魔術結社(その名は「庭園」の意)。
主力商品は“ツヴィトーク”シリーズと呼ばれ、花の名前を個々のコードネームに冠した西側技術系譜のクローンウィザード兵。
いずれも銀髪碧眼の見た目麗しい少女の姿をしており、様々な犯罪結社に戦力もしくは愛玩用として供給している。
目下の目的は、旧ソ連由来の技術(西側のものに比べ短命問題はないが、成功率に問題がある)を全きものとする事にあるようで、
その研究過程で必要となる実験体やクローンを用いた人身売買を資金源とする。
憂世騎士団/ノワール=ゲール
西欧を基盤として活動する秘密結社。日本では前者の名で知られる。
幹部が全員ウィザード(転生者)である事が特徴だが、その目的はウィザード犯罪による世界の破壊行為であり、そのために他組織や裏界とすら手を組む事がある。
その理由はいまだ詳らかでないが、これまでの例を勘案するに、武藤製薬との関係が特に深い様子。
自らの目的を果たせればそれでよいためか、「結界破壊者」ノアや世界解放同盟の活動にも賛同しているようだが、
世界解放同盟と同様に「ノア本来の行動目的」を正確に把握しているという訳ではなく、あくまで自組織としての活動を優先している。
世界解放同盟
「結界破壊者」ノアを信奉し、世界結界の発展的な解消を意図して「イノセントの覚醒」にまつわる策謀を繰り返す結社。
最初の頃はノア単独の行動であって、明確な組織として存在してはいなかったが、特に「主八界」と密接に関係するウィザード達の中の実力者達が、
ノアの言動から読み取った“目的”を推測した上で、概ね同じ思想を持った者達を集め結社化したものである。
そのため、ノアは一応「代表」と言う立場に祭り上げられてはいるものの、彼自身はこの組織の細かな動向に、ほとんど関心を注いではいない。
(場合によっては協力する事もあるが、それは熱意ある構成員に協力を仰がれた時くらいである)。
この組織に属する者は、ノアから譲渡されたという「知恵の果実」なるものを用いて、
イノセントの中からウィザードを増やそうとしているのだが、その成功率は言うまでもなく低いものとなっている。
(ただし、表面的な成功率は100%である。事実イノセントではなくなるのだが、ウィザードの資質がない限りいずれは殺される→存在そのものが消えてしまうため)
また、組織の一員を自称する者が、ノアの意向とは関係なく独断で行動しているケースもまま見られ、
中には明らかにノア自身の本来の目的とも乖離して、私欲のために行動しているケースすらみられる(そして当然、ノアはこのような事に関心を注いだりはしない)。
ノア自身がその誕生に関わっているためか、クラス「異能」のメンバーが圧倒的に多いのも特徴。
なお、この組織名については「ナイトウィザード the 3rd Edition」で明らかになったものである。
「ディー」の組織
この組織は秘密結社の部類に属するが明確な名称を持たないため、指導者とされる人物の名をとってこう呼ばれるか、単に「組織」と呼ばれている。
厳密にはディー自身が『ツングースカの少女』の断片によって進化した人間であるため、極論的には「『ツングースカの少女であったもの』の信奉者団体」といってもいい。
現指導者の言動を見るに、最終的には「人界の、主八界からの分離独立」を意図しているようだが、組織の活動としては「世界の脅威」になり得るものが多くなっているのが特徴。
特に直属の配下「修道士(スターレツ)」は、各地の秘密組織/結社とのパイプ役として世界中を飛び回っているが、醜聞には事欠かない。
しかしながら第30夜以後「断片」を失ったディーの下で、この組織がどれだけ組織だった活動を続行し得るかは疑問視されるところで、
そのディーが忽然と姿を消して以降、現在では「事実上壊滅した」という見解もとられている(その後のディーについては、此方も参照)。
「悪の組織」
主に宇宙を舞台に活動する犯罪結社「ムドー」や異次元に存在する「暗黒帝国デスガイア」を始めとして、散発的に世界を襲う「悪の組織」がいくつか存在し、
その挙動に対しては、俗に「変身ヒーロー」のカテゴリーに含まれるウィザード達が専ら対処しているが、多くの場合は一国レベルの地力を持つ組織である事が多い。
界賊
冥魔との戦いによって戦闘が世界結界外・無限平行世界まで及ぶにあたり、侵魔でも冥魔でもない別の問題も浮上してきている。
それが「界賊」と呼ばれる存在である(在来の宇宙海賊などと同一視した「宙賊」という呼称もある)。
厳密には「常夜の国」の幹部構成員である私掠船長キャプテン=ヴェイナや、最近問題になっている「スカルアイズ」を名乗る一団もここにあたる。
基本的にはそう大規模な組織ではなく、個人が略奪のために率いているようなケースが多いが、それだけに利害関係でのみ動きやすく、
中には別組織が資金確保のための覆面として用いたり、本編第37夜のガイマ=コールにみられるように、裏界魔王もしくはその信奉者が率いているようなケースもある。
バーバ=ヤガーとその弟子たち
厳密には秘密結社という訳ではないが、構成人員数の驚異的な少なさに見合わない活動暦の長さから、ここに特記する。
「ロシアの魔法」の具現たる魔女バーバ=ヤガーは、実は数十世代分にわたり転生を重ね知識と技量を収斂し続けてきた魔法的知性集合体でもあり、
時として人類の脅威、時として人類の守護者として振舞うという、一見矛盾した言動をとり続けている……が、巨視的にみればそれは“常に一貫した、独特の意志”によるものらしい。
そんな伝説的魔女が実動する際には、少数(専ら最大3名)の弟子を引き連れている。彼女達は当代の魔女が大規模魔法を行使する祭に儀式を手伝うのみならず、
魔女の寿命が尽きた際に「次なる代の魔女」となる運命を背負ってもいるため、その修行は基本的に「あらゆる魔法学校が生温く感じるくらい」厳しいものになるという。
その他
DHAやテイマーズソサエティなども厳密には「秘密結社」にあたるのだが、ここでは割愛する。
平行世界
NWOSでは根本的設定が変化しており、「ナイトウィザード」「セブン=フォートレス」の主な舞台である主八界といえど、「超空洞」の中に無数に存在する平行世界のひとつに過ぎない。
ガイア
ガイアは、最も早期にFTEと友誼を結んだ平行世界のひとつである(ファンブック「パワー=オブ=ラブ」が初出)。
その世界展望はFTEと全く変わらないが、存在する人物のほとんどがFTEとは逆の性別を持つ(柊レン、赤羽呉羽、マイク=ヴァンスタインなど)。
すべての平行世界に友誼を結ぶ「ビフロスト構想」は、「マジカルウォーフェア」における対裏界戦乱の時期でこそさして注目されていなかったが、
各平行世界に対する冥魔の侵略が本格化するに到り、俄然具体性を帯びたものとなってきた。
現在FTEとは世界防衛に関して提携関係にあり、平行世界間の危機に際して互いにウィザードを派遣しあったりする事例も増えてきている。
イルメーシュアの森
「古の妖精の森」として知られる平行世界。NW2ソースブック「ラビリンスシティ」が初出。
一時期、ワールドピースである「世界樹」が弱体化した影響もあって横須賀郊外と連結してしまい、修復ならない限り脱出もままならない状況となった。
これに伴い、不用意に森へ入ってしまう者や、侵入を意図する者、逆に人界への進出を意図する者の存在が問題視されており、
世界樹の問題も含めて、女王イルメーシュアをいたく悩ませて続けていたが、最近になって世界樹を弱体化させていた原因が深部に巣食っていた侵魔であった事が判明。
これが除去されかねてよりの問題が解決を見た事で、世界連結状態を終了し元の平行世界に戻る事が出来た。本編第37夜も参照。
常夜の国
吸血鬼が支配する平行世界。NW2ソースブック「ラビリンスシティ」が初出。
背教者会議の幹部たちが別荘(城)を置いている他、ネオ=ノドと呼ばれる大都市も存在する。
以前この地に一定の影響力を及ぼしていたネオ=ノドの支配者・セディス卿は、冥魔絡みの抗争の影響で現在休眠中。
現在は一之瀬佐一がその職務を代行し、「ビフロスト構想」への参加をはじめ、ウィザード諸組織の協力も得て運営はいちおう軌道に乗っている様子。
ただし、ネオ=ノドの勢力が及ばない地域はこの限りではなく、なお不穏の種は尽きていない。
影の国
戦いに取り憑かれた修羅たちの平行世界(本編第26夜参照)。NW2ソースブック「ラビリンスシティ」が初出。
現在、大修羅スカアハと無双皇帝の二強時代。
従来は脱出不能とされていたが、それは住人自身が「戦いを魅力」とする世界から出ていく事を基本的に望まない(=それが世界意思となっている)からで、
またそもそも「そのための技術」を持ち合わせていない事も原因のひとつだった事が判明している。
なお、指導者たちの方針から「ビフロスト構想」には参加していない。
龍源郷
かつて人界にあった竜たちが支配する平行世界。翠皇竜エルトシェンを頂点に、竜族や竜人族が暮らしている。
従来は他界の問題に不干渉であったが「ビフロスト構想」に(過去の竜と人の関係も踏まえ、やや微妙ながら)賛同を示しており、
少なくとも現段階では小規模かつ限定的なレベルで、人材交流を行っている。
コンロン
仙人たちが暮らす平行世界。NW2ソースブック「ラビリンスシティ」が初出。
最近、太上老君の宝物庫が冥魔によって破壊され宝貝が流出するという事件が発生、その解決の過程で「ビフロスト構想」に賛同している。
現在では若き仙人たちを育成すべく、輝明学園コンロン分校が設立されるに至っている。
フライングポニー亭
元々は英国の宿屋で、あてどもなく超空洞を漂流している。NW2ソースブック「ラビリンスシティ」が初出。
規模としては小さすぎるため「ビフロスト構想」の対象外だが、ロンギヌスに協力しておりその出張所的扱いとなる事が多い。
黒き妖精郷
ドワーフたちが住まう世界。NW2ソースブック「ラビリンスシティ」が初出。
「黄金の蛇」の真の本拠地であり、よって「ビフロスト構想」には初期段階から参加しているに等しい。
ロストワールド
地球の長き営みの中で失われていった生物たちが、自然の摂理に従って暮らす平行世界。NW2ソースブック「ラビリンスシティ」が初出。
滅びを含めた自然の摂理がこの世界にとっての「正義」であるためか、今のところ「ビフロスト構想」には参加していない。
D=アース
本編第31夜にて登場。かつて「ディストピアース」と呼ばれていた、FTEとは平行世界にあたるひとつ。
世界秩序の崩壊、新帝国による支配を経て、現在は復活したザ・ゲイザー=ジークを君主にいただく「神王国」を中心とした復興活動が進んでいる。
ロンギヌスは「ビフロスト構想」のもと、ジークの承認を受けてこの世界に1部隊を駐留させており、更なる裏界の襲撃に備えている。
なおサクラ=ヴァンスタインは「MASTERS」での任務がない場合、この世界に常駐している。
熱血専用!OSの世界
本編第16夜にて登場。世界としての正式名称は不明。
因果律(ぶっちゃけ使用ルール)が完全に異なる世界であり、ミラ=ウィンドリバーを筆頭に数多くの勇者達が「魔導皇帝」と飽くなき戦いを繰り広げている。
ソフィア
神崎ちはや及び幻聖獣「ファイ」の背景設定に登場。これも因果律が完全に異なる世界にあたり、「エルジェネシス」なる巨大な力を巡り様々な事件が起きているらしい。
ちはやがファイから聞いた話によれば、女神ソフィアに守護され「ファー=ジ=アースと殆ど基本構成が変わらない」世界であるとされ、
現在のファー=ジ=アースが創造された際にモデルになった世界のひとつではないか?という説も。
この世界のその後については、キャンペーン「魔導技術者と伝説の秘宝」で言及された。
女神ソフィアが姿を消してより長い時が過ぎ去り、エルジェネシスを求める人心が争いに乱れたのを見計らうようにして侵略の手を伸ばした侵魔団「霧」により、ほぼ壊滅状態となる。
しかし、ソフィアの転生者が出現した事と、「霧」の頭目が倒された事によって、再び元の営みを取り戻しつつあるという。
主八界
「セブン=フォートレス」シリーズで扱われている世界群。因果律はある程度共通しているが、厳密には微妙に異なる。
NWOSにおいてはファー=ジ=アースの設定及び裏界との関係が根本から異なっており、「ラ・アルメイアの幻砦」における事件を境に、
主八界に属する他の世界へ行く手段は(数少ない例外を除き)ほとんど存在しなくなっている。この状態は「古代神戦争」がひとまず終結した今も、然程復旧してはいない。
更に第34夜では世界律の通じない“冥破王”ディガイディスの軍団による攻撃を受け、からくも脱出に成功した柊蓮司とヴィオレットを除き、
すべての世界が成すすべもなく「静止」してしまったが、その後MASTERSの活躍により救われている。
多くの裏界魔王、一部の冥魔王、そして幻夢神とアンゼロットはこの世界群を出自とする。
廃棄世界
侵魔や冥魔による侵攻、または住民たちによる(戦争という名の)内乱によって滅びを迎えた後の世界群。
サイズはさまざまだが基本的には「巨大な廃棄物」となんら変わるところがなく、かつてあった痕跡を除けば生命すら存在しない「死の世界」である。
そのためか界賊や侵魔が、その拠点として隠然と利用している事がある。
特に侵魔の場合、自ら滅ぼした世界の新たな主として収まっているケースが大半であるため、魔王級からただの雑魚に至るまでその顔ぶれは幅広い。
最近、代替となるワールドコアと充分な魔力ないしプラーナが揃ってさえいれば、これら廃棄世界にも平行世界のひとつとして再生出来る可能性があるという事が分かってきた。本編第40夜参照。
その他の平行世界
現状でも「超空洞」は人知を超えるほどに巨大であり、いまだ発見されていない平行世界や、紹介されていない平行世界は数多い。
これらの世界は、「分岐点」と呼ばれる場所で閲覧したり、実際に行く事が出来たりもする(アンゼロット城やラビリンスシティも、厳密にはこれら平行世界のひとつ)。
ただし共通点として、これら平行世界はFTE(人界)のような世界結界を持たず、いくらか力が落ちるものの、代替となる結界を張っている事が多い。
そのため、冥魔の出現を人界ほどには阻止しきれないという弱点も抱えている。
裏界帝国
NWOSでは、根本設定が変化している事に注意。
主八界の一であった世界「エル=ド=フォーラ」が、何らかの原因(古代神戦争?)で起きたプラーナの変質もしくは欠乏により変異、裏界となったらしい。
そして本来「エル=ド=フォーラ」の守護者やその眷属・住民であったものが同様に変質した結果、現在知られている魔王や侵魔になったものと思われる。
なお、これらの変化が何故起きたのかは、謎に包まれている。
ラビリンスシティ
かつてルー=サイファーの別荘世界だった「魔王の街」は、宝玉戦争における停戦協定以後、人界と裏界の緩衝世界に定められている。
現在この街に集まっているのは、裏界皇帝シャイマールの転生魔王として再生を果たした「金色の魔王」ルー=サイファーに与する裏界魔王達である。
ルー不在の間はエイミーとイコ=スーの2人で政務を取り仕切っていたが、その後ルーの帰還によってこの2魔王は参謀陣となり、
その下でルイズやデューク=オブ=ヨークといった信奉者たちが、精力的に活動を続けている。
目下、大多数の裏界魔王達はルーの軍門に下っているが、その実面従腹背の体で別勢力や冥魔と独自に接触を図っている者もおり、
実質上のルーの影響力は、以前よりも目に見えて格段に落ちている様子。
人類との共闘に関しては、対冥魔戦に関してのみ積極的。ムツミ=アマミのような人類に対して好意的な魔王を前面に立ててデタントを強調しつつも、
いまだ人界秩序を敵視し続ける勢力(人類・侵魔の別を問わない)をあえて泳がせ、パワーバランスを取る事で均衡を保っている。
最近、郊外「大公の森」にて、冥魔向けのワールドゲートが設置された。これは一部魔王(カミーユ=カイムンと推定)の独断であるとされたが、
シティの持つ「中立性」を利して、人類・侵魔両方に「冥魔への対抗力」を付けようと言う、ルー自身の深謀も含まれている。
非LC派(マンモン派)
一方、復活したルーの「弱体化」を見て取った裏界魔王達の中には、ルーへの従属を拒み独自行動に移った者達もいる。
その多くは、ルーの下で長年「格下の扱い」に、彼ら曰く「不本意ながらも甘んじてきた」魔王達で、
モーリー=グレイの討滅(本編第26夜)以来、その傾向は寧ろ拡大の一途を辿っている。
彼らの多くは人類との共存や利用などは殆ど考えておらず、ラビリンスシティ派の魔王達とも決して折り合いは良くない。
その背後には「混成魔王」マンモンの画策があるとはもっぱらの噂で、マンモン自身もまったく否定していない。
マンモンの正体が明らかになって以降もこの一派は(様々な理由から)そのスタンスをおおむね変えておらず、その動静にはより一層の警戒をすべきであろう。
非LC派(その他)
シティ近辺に居を構える魔王達の中でも、「海の魔女王」フォルネー=ルシウスや「風雷神」フール=ムール等は、
特に従属/同盟する陣営も持たず、独自の方向性を追求しているようである。
(もっともフォルネーについては、同じく海域を支配する魔王である「渦巻王」カロック=フォウルとの抗争が表面化しており、
どの勢力がどちらを取り込む事が出来るか、という事も考慮に置くべきであろう)
厳密にはパール=クールも非LC派に属するが、彼女自身はあくまでもルーへの個人的対抗意識からシティの掌握を企図しており、
その意味では他と一線を画している(Hだから、という異説もある)。
共存派
一方で、人界との共存を望む魔王も、僅かながら存在する。
前述したLC派のムツミ=アマミは(後ろ盾となっているルーの思惑はともあれ)人類との共存に好意的であり、
魔王でありながら人界に住まうウー=バルや、人間との愛に目覚め敢えて滅びを選んだモッガディート(その後ナイトロードに転生)といったものたちもいる。
しかし、この派で最も解せない行動をとっているのが「怪異公子」トリッシュ=シーズである。
元々マンモン派に属していた彼は、「TOTAL INFERNO」事件を境に共存派へと突然趣旨替えし、裏界各陣営に大きな動揺を与えた。
その真意は古の神官術式の再生である「IDOL計画」の推進であり、これにより人界と裏界とのデタントを一段階進める事にあった。
なお、この魔王は既に櫻小路ちひろと“契約”している事が確認されており、また前述のウー=バルもアメジスト=マンズフィールドと“契約”をしている事から、
この一派は「契約派」とも呼称される(ちなみにナイトロードについても、夜見トオルと“契約”し、アバドンの力を新たに得たモッガディートと言う見方が存在する)。
ベール=ゼファー
いずれの派に対しても距離を置いているのが、ベール=ゼファーである。
「マジカルウォーフェア」期でこそ、裏界陣営による大攻勢の先頭に度々立っていたが、その頃から多々見られた「人類陣営との馴れ合い」から、立場が徐々に微妙化。
ルーがひとまず復権した今、彼女と誼を結ぶ裏界魔王は僅かにリオン=グンタ及びアゼル=イヴリスのみとなっている。
(もっとも、リオンはルーの承諾を得ており、アゼルに至ってはもともとルーの分身のようなものなので、実際はベル個人のみという事になるかもしれない)
メイオルティスに執着されていた事を始めとして、公式展開では「たとえ直接出現せずとも、その存在が世界に影響力を及ぼす」と言及される機会も多かったのだが、
少なくともNWOSにおいては、そこまでの影響力は及ぼせていない状況である。
ただし、その後第30夜においてメイオルティスと全力で戦い、更に魔王戦争によるペナルティを受けたため、その力は見る影もなく弱体化。
ついに第33夜において、Dr.クロノスとの“契約”を余儀なくさせられるに至った。
余談ながらこの2人は、失われた世界線「ファイナル・カウントダウン」世界においては文字通り「夫婦」となっている事を銘記しておく。
魔王戦争
以上、裏界帝国での基本的な勢力を解説してきたが、マジカルウォーフェア後の世界情勢の変化に絡み、裏界では魔王達独自の動きがみられた。
それは「魔王戦争」と呼ばれる、複数魔王同士の争いを裁定するシステムであり、ありていに説明すれば「ウィザードを利用した魔王達の代理戦争」である。
詳細はNW2「アルティメットエネミー」に詳しいが、NWOS独自設定に基づく変化もあるため、以下に纏めて記載する。
ゲームの運営管理者はルー=サイファー。「獣の欠片」回収の進捗が思わしくないところに、政敵であるマンモンが冥魔王であった事が判明したため、
今後の情勢悪化を危惧した彼女が自らの回復を早め帝国内の結束を固めるべく企図したという説が濃厚である。
(なお、NW2ではメイオルティスの暗躍も示唆されているが、NWOSでは既に死亡しているためこの節では扱わない)
魔王達はポーンとなるウィザードを選び、最後の1人になるまで殺し合わせる。
その過程で蓄積されたプラーナが「プレシャス」となり、最終勝者が獲得・行使するその力は魔王達の力をも超越し得るという。
ただし、魔王がポーンを支援したり、直接攻撃したりすると「ルール違反」となる。
今回の「魔王戦争」においては、これを利用してポーンとされるウィザードが死中に活を見出す事例が頻発し、
その挙げ句に流鏑馬勇士郎以下「天使の夢」チームによって、魔王戦争のシステムそのものが覆されて終了すると言う前代未聞の事態となった。また公式PCだけで解決だったよ…
更に、今回参戦が確認されたルキア=ファレグスとナイトロードは、本件勃発当初のメンバーではないという事もまた、注記すべき事項であろう。
なお、脱落した魔王のうちカミーユ=カイムンはその後冥魔と化して自滅(第32夜)、ベール=ゼファーは前述どおりDr.クロノスとの“契約”に踏み切った。
更に「うす・あど」事件を起こしたアニー=ハポリュウや、受け入れた「E難民」を戦力化していたブンブン=ヌー(第35夜)など、独自の動きで失地回復に乗り出した魔王も少なくない。
黙示録の《四騎士》(※NW3以後の設定だが、独自変更が加えられている点に注意)
かつて皇帝シャイマール直属であった、非常に強力な権能を持つ魔王級侵魔。
支配を司る「白の乗り手」ブラン=キリエルヒア、戦争を司る「赤の乗り手」ルージュ=ボーレモー、飢饉・疫病を司る「黒の乗り手」(名称不明)、
死を司る「青白の乗り手」パァレ=ネークローシュの4柱が存在し、これらが揃えば幻夢神を傷付け殺す事すら出来るらしい。
しかし、誕生の際あまりに強力な権能を与え過ぎたため、事実上「幻夢神との決戦だけにしか使用できない」という欠陥が判明。
ゆえにそれまでの間は、大精霊にアイン・ソフ・オウルの力を与えて魔王化させた“六魔将”によって、暫定的に封印する事となった(ただし、これは彼らがのちに増長する結果を招く)のだが、
どういう訳かシャイマールは最後まで四騎士を使う事無く、幻夢神と相打ちになる形で眠りについてしまった。
その後、四騎士の封印はルー=サイファー、アステート、ベール=ゼファー、レビュアータ、アスモデート、そしてマンモンとあと1名(これは公開されていない)に委譲され、
(一時はパール=クールも検討候補とされたものの、主にその頭の悪さから除外されたらしい)これらを“悪徳の七王”と呼ぶようになった。
しかし、マジカルウォーフェアの時期にアステートとアスモデートが相次いで滅ぼされ、ルーとベルもウィザード達との抗争の末衰弱したため、その封印が解け掛かるという結果を招いてしまう。
事実、「四騎士」の尖兵はここ最近その活動を何度か確認されており、「白の乗り手」ブラン=キリエルヒアに至っては復活が時間の問題であるという説すらある。
ルーがラビリンスシティから動かない理由のひとつはこの封印を守っているかららしく、おなじく封印を委譲されながら実は冥魔王であるマンモンに至っては、
この状況を盾にルーの勢力との均衡を保っている節があるようだ。
世界結界もこの状況に際して、四騎士に対抗し得る「勇者」を生成しつつある(例:絢辻
綯斗)のだが、折からの弱体化の影響もあって
「勇者1人で四騎士の分体1体と対消滅する」程度の力しか出せていないのが現状である。
なお、現在四騎士の封印を担当する“悪徳の七王”のうち1名が誰にも公開されていないのは、
シャイマールによる「最後のセーフガード」ではないか?と言うのが、一部識者による見解となっている。
ところで、第34夜時点のディガイディスと四騎士全員が交戦した場合、100%四騎士側が負ける。勝ち目は完璧にない。
これは当時時点での彼に「(裏界を含めた)主八界の世界律が一切通用しなかった」という事もあるが、そもそも四騎士もまた侵魔である以上、冥魔から見れば「違うのは力の大小だけで、所詮は破壊・捕食対象のひとつに過ぎない」という事でもある。
にも関わらず本編第39夜で、この四騎士との戦いがあっさりと決着してしまう。この時は、対抗勇者による一撃を与えた後【そら】に喰わせるという形で、
対抗勇者消滅の因果律を超越しつつ、四騎士それぞれを完殺するという空前の奇策が用いられた。
ただし、D=ガイディスによればこの四騎士とて「あくまでも“先触れ”」でしかなく、遠からず出現する“本筋”がいるらしい。
冥魔
多くの冥魔には自我がなく、目の前の対象を破壊・捕食する事にのみ注力している事が多いが、自我どころか高い知性を持つ個体も存在するようである。
また、レイヴナス=スカージやロード=バルァーク等、元侵魔から冥魔へと進化(これは「冥魔進化」と呼称される)したものには本来の目的意識が少なからず存在し、
単に破壊活動だけを意図する個体よりも、はるかに恐るべき相手となっている。
メイオルティスとその一派
別名「冥刻王」。かつて存在し、公然と人界の魔法社会にて認知されていた冥魔王のひとり。
強大な力を持っていることは間違いないものの、彼女の関心は人界よりも寧ろベール=ゼファー個人にのみ殊更向けられており、
よって彼女自身が積極的に「世界の破壊」を画策している様子は、概ねみられなかった。
その部下で「冥刻四天王の一人」を名乗る者たちにしても、結局強大なメイオルティス個人の歓心を買うためだけに、人界へと干渉している節がみられた。
調べによれば、本来「主八界」の古代神が「冥魔進化」したものらしく、ベルとの因縁もその本来の出自に由来していたようだ。
その後、本編第30夜でメイオルティスが討滅されたため、残党となった「冥刻四天王」はディガイディス一派に取り込まれ、自然消滅している。
ディガイディスとその一派
別名「冥破王」。出現例としては第二の冥魔王。別の次元からやってきたとされるが定かではない(少なくとも「主八界」とはまったく関係がない様子)。
彼の執着の対象は「この世界」そのものであり、個人としてその掌握または破壊を意図しているため、メイオ亡き後は“世界で最も危険な冥魔王”と目されていた。
その部下グループは「冥破三魔将」といい、メイオルティスの冥刻四天王に比肩するおそるべき戦力となっていた。
更に、ディガイディスが偶然無限平行世界を漂流していたディーを取り込んだ事で、主八界のいかなる存在をも凌駕する力を得るに至った。
しかし本編第34夜において、そのディガイディスがMASTERSとの死闘の果てに消滅。なお残留していたその力を吸収したディーが、新たな冥魔王「D=ガイディス」となった。
この事で三魔将は自由の身となったものの、その後「冥人将」グルゲネスは第35夜で姿を消し、「冥姫将」トゥミカナスは第36夜で冥魔王化の末討滅。
残る「冥盗将」エンディルスは、D=ガイディスにも会わず勝手に行動している様子。
リウフンシャン
別名「冥門王」。ラビリンスシティにワールドゲートが開かれた際に「視察」と称して現れた、3人目の冥魔王(主八界出自のものとしては2人目)。
その立ち居振る舞いを見るに、メイオルティス及びディガイディス以上の知性と慎重さを持つようで、冥魔王クラスがかのワールドゲートを使う事はないという見解を示す。
ただし、通常の冥魔に対してはこの限りではなく、その動きを掣肘する事もない様子。
マンモン
別名「冥濁王」または「混成魔王」。アー=マイ=モニカなど様々な姿形を持ち、その全てを同時に用いる事が出来る裏界魔王にして冥魔王。
これまで裏界帝国において独自の行動をとっていたが、「D=アース事件」と呼ばれる件(第31夜)によって、その正体が明らかとなる。
アスモデートなど「既に滅んだ魔王」や、アリー=エデュなど「魔王戦争で弱体化した魔王」の領域を併呑したこの魔王の権勢はますます高まる一方で、
実質上既にルーに比肩、あるいは凌駕しうると言う指摘も、専門筋からはなされている。
その他の冥魔/冥魔王
その多くは「主八界」に存在していた古代神の成れの果てであり、同界の攻略を主眼においている。
ただし「冥魔進化」した元侵魔はこの限りではなく、積極的に攻撃を仕掛けてきている様子。
彼らの多くは帰るべき本拠地すら持たないため、人界を新たな本拠地にしようと言う意図がみられる。
ザ=マリキュレイター
20年以上前に横須賀に出現。関東異界大戦を引き起こし、多数の平行世界を滅ぼした「世界最悪の災厄」。
その実体は冥魔王あるいはそれ以上のものではないか?と言われているが、その真相を知る者はもはや一握りである。
それ以外の「ナニモノカ」
横須賀WUの対魔王/冥魔王戦ウィザードチーム「MASTERS」のメンバーである【杉崎 そら】には、以前から様々な噂が囁かれている。
小さなものでは20年以上前から同地の守護をしていたという説、臥龍学園月光部の「謎の部長」の正体ではないかという説から、
大きなものでは彼女こそが「ザ=マリキュレイター」の正体であるという説、逆にその対存在であるという説まで、まちまちである。
彼女を見た者の反応は多岐にわたるが、ごく一部に「本質的な恐怖」を覚えた者の存在がある事、人界/裏界で通じる因果律がこの人物とその周囲にはほぼ作用していない事、
関わりを持った人間を進化させる一方で、裏界魔王の本体を容易く滅ぼし、あるいは冥魔を浄化できるような能力の保有が報告されている事は特記すべきであろう。
実際アンゼロットがその活動を殊更に恐れ、ベール=ゼファーやルー=サイファーといった大物裏界魔王が直接対決を避けようとすらするこの存在の正体は、
「ファー=ジ=アース」の最高位に位置する「幻夢神」すら凌駕する、名指しがたきナニモノカではあるまいか?という説すら唱えられている。
…もっとも、当人はそれらの疑問や諸説を、まったく意に介していないのだが。